絵本を読む『とらのゆめ』『おどりトラ』
(2022.1.17)
おはようございます。sizukukoboです。
先日、記事を投稿してからニュース番組を見て、津波警報や注意報が出ていることを知りました。愕然としました。小さいことで揉めることができるのは平和な証です。この生活は決して当たり前じゃないことを今一度刻まないといけないと、神様に言われた気がします。
本題に入ります。
私は曜日ごとにテーマを決めて配信をお届けしています。
月曜日のテーマは「 絵本を読む」です。
今日は私が最近知って、印象に残った「虎の絵本」を 2冊紹介したいと思います。表紙のインパクトがとても強い2冊です。自分からは積極的に手に取らない絵本ですが、干支に絡めて、図書館に陳列されていたこの2冊の絵本を手に取りました。
『とらのゆめ』と『おどりトラ』を ご紹介します。
1冊目は『とらのゆめ』です。タイガー立石さん、さく・え、の絵本です。 1984年、こどものともという月刊誌で登場していたようです。本になったのは1999年です。 絵本になるまで15年もかかったことになります。そして私はその存在をずっと知らずに、今ようやく手に取ることができました。
この絵本はストーリー仕立てになっているわけではありません。
「 ぐう ぐう ぐう とらの とらきちは ゆめを みます ねむい ねむい」
こんな出だしで始まります。そして、とらきちの夢を追っていく展開です。
派手なアクシデントも描写もありません。文章はページをめくるたびに「ぐう ぐう ぐう」で始まります。文章だけを追っていくと静かなのですが、絵のインパクトがすごいです。表紙からもわかるとおり、まずとらきちが、すいかのような色をしています。黄色ではなくて緑です。 そして夢の中で何度となく登場するとらきちが丸まっている様子。これが、すいかに似ています。しっぽこそ長いけれど、やっぱり食べ物に見えてしまいます。
そして、このイラストの隠し絵的なところがあって、私は強烈に惹かれてしまいました。ミッケやウォーリーのように小さい絵を探すのではありません。絵の見方を変えると、隠し絵が浮かんでくるんです。こんなふうに遊び心のある絵本が私は大好きです。最初に読んだときは表紙の絵も、緑色のインパクトが強いだけで、 隠し絵を探すことができませんでした。何回か読んでわかった時、はっとしました。これは、 お子さんと一緒に楽しんだら、絵だけを見ているお子さんの方が早く探せるかもしれませんね。
ぜひ絵本を手にとってもみじが出てくるページを開いて欲しいです。
2冊目は『おどりトラ』という韓国・朝鮮の昔話です。
金森襄作(かなもりじょうさく)再話、チョン スクヒャン画、の絵本です。
このお話は、おどりの好きな主人公のトラ「おどりトラ」が、ある日仲間と共に獲物を追っている最中に突然踊り出し、獲物を取り逃がしたところから始まります。怒った仲間に山から追い出されたおどりトラは、一生懸命に踊りの腕を磨き、不思議な力を持つようになりました。おどりトラが踊ってお祈りすると、食べ物がたくさん取れるようになったり、病気の子供がすぐ良くなったりします。おどりトラはいつしか笛や太鼓の音が聞こえると、ひとりでに踊り出すほどになりました。
1年経ち2年経ったある日、昔の仲間が懐かしくなって、おどりトラは山へ帰りました。仲間達も喜んでお祝いをすることにしました。お祝いに、近くにいた人間を捕まえようとした時です。木の上に登った人間をなかなか捕まえることができないとら達は、とら梯子を作ることにしました。
さてとら達は人間を捕まえることができたのか。トラ梯子に混じっていたおどりトラは、一体どうなったのか。昔話なので結末を言わなくても想像ができるお話です。
絵のインパクトが 強くてなかなか手に取らなかった絵本でしたが、文章の美しさと画がよく合っていて素敵なお話でした。