私が小学生の頃、田舎のおばあちゃんの家に
夏休みは毎年帰っていた。
川と山に囲まれた村では、都会にはない
時が止まったかのように緩やかに流れる
自然に身を委ねていた。
今思うとストレスフリーや森林浴。
都会の暮らしについていけない自分の避暑地
だったのだ。
よく寝て、食べて、川で遊んで、お風呂に入る。
お風呂は薪で沸かすお風呂だった。
洗濯はまだ洗濯板もあり洗濯機はかろうじてあった。
トイレは家の外に行って、ボットン便所。
都会の暮らしとリズムが違うかった。
冬は掘りごたつを前に、おばあちゃんが、
裁縫してた。
風呂上がりに、掘りごたつの火をすくって
お灸を添えるおばあちゃん。
いつも何してるのかなって不思議と
横に座って視ていたら、
あんたも添えたろうか?って微笑んでくれた。
学校生活がつらくて消えてしまいそうな
気持ちでいた私には、おばあちゃんのさりげない
優しさや笑顔が癒やしだった。
毎日、畑にいって一仕事して帰ったら
まきをくべて風呂をいれるじいちゃん。
畑についていった。
この野菜たち、じいちゃんが育てて、
できた野菜たちを送ってくれていたのか。
神様に感謝した。
自分の辛いことばかりが観えていて、
ご先祖さまや家族との小さな幸せの
瞬間にきづけなくなっていた。
私にも大切なものあったよ。
私もようやくお灸をするようになり、
昔の人もえらいよね〜!なんて。
お灸をするとき、あの日のままの
おばあちゃん、じいちゃんを思い出す。