動植物の話６ スズメの子が家に入ってきた
もう亡くなったが父は靴職人で、わが家の一階の仕事場で仕事をしていた。
春頃だったかと思うが、窓ガラスを開けて父が仕事をしていたら、スズメが一羽窓から入ってきた。
その先の窓には網戸があり、向こう側が見えるので、そこを通り抜けられると思って、誤って入ってきたのだろうと思う。
巣立ったばかりのスズメであった。
私がたまたまいたので、直ぐに鳥カゴに入れてエサと水を与え、かごを庭先に出した。
すると、親スズメがそれに気づいて、カゴの上に来るようになった。
毎日、親スズメが来るので、父が言った。
「可哀相だから、逃がしてあげようよ・・・」
私は、父がそう言ったので、同意した。
そしてカゴから出してやった。
そしたら数日後、また、同じことが起きた。
あのスズメの幼鳥は全く学習をしない。
今度もカゴには入れずに、すぐに外に出してやった。
この先、生きていけるのであろうか、とちょっと心配した。
