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覚醒の話33 腹立つ自転車屋の主からの学び(957文字)

家の近くに一件の自転車屋があります。
正確には、バイクも扱うので自転車屋ではないが、自転車のパンクや修理などはいつもここに行く。

この自転車屋の主は、以前は地元の他店で働いていた人です。
私と同じ地元高校の卒業生なので、昔から知っていて二つか三つ年下です。

仕事熱心で真面目な性格であろうとは思うが、お客に対してとても大柄な口の利きようで、何かと上から目線でものを言う人なのです。
私より年下なのに、その客に対して、「これはこうだから、こうしなきゃいけない」とか、「こういうときには、こうしたらダメだ」とか、まるで年下の相手に間違いを注意するかのようなもの言いで、平然と自説を曲げないような頑固な人間。

私はいつも、毎度のことだと辛抱してその話を聞き、その時をやり過ごします。
ですが、こういう態度の店主は、他の客からクレームがきそうな気がします。

自分の知っていること、そのことに詳しい事柄でも、相手は感情を持つお客さんであり、自分より年上の人であるなら、ものの言いようは注意するべきであって、不快に思わせないように配慮するのが、個人経営であるなら当然のことだろうと思うのです。

高校卒業後、地元の自転車屋に入り、それなりに経験を積んできた自負があるので、要するに天狗になってしまっているのでしょうね。
この自転車屋の将来は疑問です。

人間は生きていく上で、知識や経験、技術やノウハウなど、大切なものはいくつもありますが、対人間において横柄な態度を取ることなく、誠実に対するというのは、とても重要なことです。
こんなことは普通の社会人なら心得ているはずです。

私はこの店に来るたび、いつもそのようなことを思わされるのですが、この主は一向にその癖が直りません。
やはり、個人の店での経験は職人気質になり、頑固さを形成するように思われます。
その人本来の器の問題なのかもしれませんが。

でも、こういう嫌な人、腹の立つ人からも学ぶことは多くあるものです。
人生は何事も「他山の石」
「自分は少なくても、こういう人になってはいけないな~」
という意識が芽生えれば、ありがたい師になります。

宮本武蔵が言ったとされる言葉。
「我以外、みな我が師」
結局、どんな相手に対しても、道を学び、研鑽し、自分を高めていく糧にすればいいだけの話なのです。


ストレリチア(極楽鳥花)

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