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覚醒の話21 私の好きな「温」という漢字について

「温」という字は、実に良い漢字です。
旧交を温める
冷たい手を温める
お弁当を温める
卵を温める
温かい心
温めている構想
温順、温情
などなど。

私は以前、十姉妹の番(つがい)を飼っていたが、オスとメスは常に繁殖活動をしていて、巣にはいつも卵が数個あるような状態でした。

オスメス交代でその卵を温めていて、その仕草を見るのが好きでした。
でも、卵が無精卵の場合、いくら温めて雛が孵ることはないので、適当な時期に卵を取り出してやらねばなりません。
そうしないと、親はいつまでも抱卵を続けて、体力を消耗してしまいます。
それほどまでに、親鳥は卵を見れば温め続ける習性があるものです。これは愛情ですね。
でも、そうやって温められた卵から、雛が孵って、殖えていきます。

旧交を温める、というのも好きな言葉です。
友人関係というものも、時に面倒なこともありますが、やはり、いつまでも良い状態を保ち続けていきたいため、温めていくものでもあります。
でも、現実には、なかなかこちらが思うように相手が感じてくれないこともあり、いつしか疎遠になっていき、縁が途切れてしまう時もあります。
こちらは温めていきたいと思っても、相手がそう思わないこともあり得ます。
これは仕方のないことです。

冬であれば、寒くなっている部屋を温めなければ、とてもじゃないけど過ごせません。
わが家は電気ではなく、石油ストーブを使っているので、朝一番、火をつけて温めます。
ストーブは室温の調節が利かないので、付けたり消したりの繰り返しは面倒ですが、これはどうしようもありません。

人生において「温める」というのはとても大事なところです。
自分の計画を温めていく。
その事柄に対して、心を向けて学び、試行錯誤をし、志が成就するように行動していく。
温めて、温めて、その事柄を続けていく時は、充実感があり、心は満足するものです。

温めるというのは、情熱でもあり、希望でもあり、やる気の源でもあります。
だから、私はこの「温」という漢字が好きなのです。


ツバキの蕾

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