日記 スナック菓子咀嚼会話

 あれ? ボールペンどこやったっけ。
 「何探してる?」
 ボールペンを。
 「玄関の棚だねぇ」
 ホッチキス……
 「あ〜それなら、あった。ハイ」
 さっき使ってたのも私なのに、よく覚えてるな……。

 充電忘れてた……。
 「こっち満タンだから、いいよ。持っていきな」
 わ、ありがとうございます。

 そうだ、先月の経費申告まだだ。あ、書類が整頓されている。
 ラベルまで貼ってくれてる。

 よく見たら、部屋が毎日少しずつ綺麗になってるな。
 前に自分でゴミ出ししたの、いつだっけ。
 
 ちょっと喉乾いたな、あれ、ミルクティー?
 「好きでしょ? それ」
 このシリーズ好きです。新作だ~。

 服屋の畳み方だこれ。自分の服じゃないみたい。
 「そういやさ、ポケットに鍵入れっぱだったよ」
 やば。

 やけに手の込んだ料理ですね。
 「野菜色々入ってるけどどう?」
 これなら気にならないかも。おいしいです。
 「いいね~、いっぱい食べな」

 「食べたら置いといて~、片づけとく」
 あ、ありがとうございます。

 
 ――なんか、私……ますますダメになりそう。
 「いんじゃない? 俺がいる間はさ、のんびりしな―?」

 間延びした声、この世に一切の責任がない、優しい死人の声。

 「お、更新されてんじゃん。■■見てこれ〜」

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