第59回理学療法士国家試験 午前問題と解答
息子は第57回の国家試験に不合格で、第58回の国家試験に合格しました。昨年恩返しのつもりで息子がもっていた第58回国家試験問題を文字起こしし、早めに公開しました。
今年は息子が受験生ではないので、国試問題が手元にはありませんでした。毎年厚労省から問題が公表されるのは5〜6月ごろでかなり遅いです。そこから出版社も対策本を作るので、対策本が手に入るのは夏前になってしまいます。またクエスチョンバンクなどの対策本は国試問題のすべてを網羅している訳ではありません(ごく一部です)。
昨年、国試対策として第58回の国試問題と解答・解説や過去問問題集を作って投稿したところ、多くの方に利用していただきました。今回、投稿を利用していただいた受験生(合格ラインを超えたらしい)の一人にお願いして、国家試験問題を入手する事ができましたので、昨年同様、早めに国家試験問題と答えを投稿したいと思います。
以下第59回理学療法士国家試験問題と答えです。答えの詳しい解説については、別に公開します(合格発表と共に厚労省から解答も公表されましsたので、暫定版から正式版に差し替えました)。
(1) 30歳の女性。バトミントンの選手である。膝前十字靱帯損傷を予防するための指導で最も適切なのはどれか。(59回午前1)
1.後方重心を意識した動作を指導する
2.体幹浅層の筋力トレーニングを指導する
3.下肢遠位筋の協調性トレーニングを指導する
4.ジャンプ着地時に膝が内反位にならないように指導する
5.静的な姿勢保持からバランストレーニングに進めるように指導する
【答え】5
(2) 84歳の男性。心疾患の既往はない。転倒して右大腿骨近位部骨折を受傷し、緊急で骨接合術を受けた。翌日離床を目的に理学療法が処方されたが、右下腿の腫脹と圧痛を訴えている。最も優先的に確認すべき血液検査項目はどれか。(59回午前2)
1.BNP
2.Dダイマー
3.HbA1c
4.PT-INR
5.SP-D
【答え】2
(3) 65歳の男性。入浴中、軽度の意識障害および左片麻痺が突然出現したため救急車で搬送された。救急外来到着時の頭部単純CTを示す。考えられるのはどれか。(59回午前3)
1.慢性硬膜下血腫
2.くも膜下出血
3.脳梗塞
4.脳挫傷
5.脳出血
【答え】5
(4) 50歳の女性。2日前に階段を下りた際に膝を捻った。その直後から左膝の痛みが続いているため受診した。左膝内側および膝窩部に痛みがあり、McMurrayテストが陽性であった。エックス線写真では明らかな異常所見を認めない。次に確認すべき検査はどれか。(59回午前4)
1.関節造影
2.CT
3.MRI
4.PET (positron emission tomography)
5.SPECT (single-photon emission computed tomography)
【答え】3
(5) 73歳の男性。身長170cm、体重55kg。糖尿病でインスリン治療導入中。運動強度の決定のため、自転車エルゴメーターを用いて、1分間に20 Watts増加させるランプ負荷法で心肺運動負荷試験を行った。二酸化炭素排出量および酸素摂取量の変化のグラフを示す。指導すべき適切な運動強度はどれか。(59回午前5)
1.約3 METs
2.約4METs
3.約5 METs
4.約6 METs
5.約7 METs
【答え】4
(6) 図のように検者が脛骨内縁をこすりおろす検査を実施した。該当する病的反射はどれか。(59回午前6)
1.Babinski反射
2.Chaddock反射
3.Gonda反射
4.Gordon反射
5.Oppenheim反射
【答え】5
(7) 関節可動域測定法(日本整形外科学会、日本リハビリテーション医学会基準1995年)に従って図のように肩関節の可動域を測定する。正しいのはどれか。(59回午前7)
1.背臥位で測定する
2.運動方向は屈曲である
3.基本軸は上腕骨である
4.参考可動域は135度である
5.体幹側屈の代償運動に注意する
【答え】5
(8) イラストのようにDanielsらの徒手筋力テストを実施した。正しいのはどれか。(59回午前8)
1.骨盤を後継させて行う
2.検査対象は縫工筋である
3.対象筋の段階2のテストでは背臥位で行う
4.検査者が抵抗を加える部位は大腿遠位部である
5.股関節外転外旋を伴った際は大腿筋膜張筋の代償を疑う
【答え】4
(9) 50歳の男性。高所から転落し脳挫傷と診断された。入院直後から他者での配慮を欠く言動が多くみられた。家族によると、受傷前は几帳面で温厚な人物であったが、受傷後は著しく自己中心的で粗暴な言動が増え、このままでは同居は難しいとの訴えがあった。この患者に用いる検査で最も優先度が高いのはどれか。(59回午前9)
1.ASIA
2.FAB
3.MMSE
4.Rey複雑図形検査
5.SLTA
【答え】2
(10) 70歳の女性。両側変形性膝関節症。外来通院中である。自宅におけるADLは、FIMによる評価で、2項目(歩行・車椅子および階段)T字杖を使用しても自立であったが、それ以外は補助具を使用せずに自立していた。コミュニケーション(理解・表出)や社会的認知(社会的交流、問題解決、記憶)は問題ない。FIMの点数はどれか。(59回午前10)
1.118
2.120
3.122
4.124
5.126
【答え】4
(11) 50歳の男性。左下腿切断。義足歩行練習中に左側の踵接地から立脚中期までに急激に膝屈曲が生じた。考えられる原因はどれか。2つ選べ。(59回午前11)
1.足部が底屈しすぎている
2.足部後方バンパーが硬すぎる
3.ソケット初期屈曲角が大きすぎる
4.ソケットが足部に対して後方すぎる
5.ソケット初期内転角が不足している
【答え】2・3
(12) 図に示す姿勢のうち、労働災害予防を目的とした動作指導で適切な作業姿勢はどれか。(59回午前12)
【答え】5
(13) 36歳の男性。1週前、バイク運転中に転倒し左前腕を打撲した。その後、徐々に左手の伸展が困難になった。左上肢のMMTは肘関節屈曲が5、前腕回外が2、手関節屈曲が4、手関節伸展が4、手指伸展が1。左上肢の感覚障害は認めない。針筋電図検査では回外筋、総指伸筋および長母指伸筋で安静時に脱神経電位を認めた。障害されている神経はどれか。(59回午前13)
1.尺骨神経
2.正中神経
3.橈骨神経
4.後骨間神経
5.前骨間神経
【答え】4
(14) 6歳の男児。二分脊椎。歩行時の様子を図に示す。予測されるSharrardの上限はどれか。(59回午前14)
1.I群
2.II群
3.III群
4.IV群
5.V群
【答え】2
(15) 60歳の男性。内側型の変形性膝関節症に対して手術療法が行われた。術後のエックス線写真を示す。骨癒合を促進させるために最も優先度が高い治療法はどれか。(59回午前15)
1.温熱療法
2.牽引療法
3.超音波療法
4.電気刺激療法
5.電磁波療法
【答え】3
(16) 2歳3ヶ月の女児。出生時に頭蓋内出血を合併し脳性麻痺と診断された。現在、四肢の筋緊張は低下し、姿勢や動きの中で両下肢の筋緊張が亢進する。両上肢にアテトーゼ様の動きがありADLは全介助である。両上肢で支持して座位が1分程度は可能である。発達歴は、頚定:10ヶ月、寝返り:1歳2ヶ月、ずり這い:1歳5ヶ月。現時点で最も必要な補装具はどれか。(59回午前16)
1.歩行器
2.靴型装具
3.電動車椅子
4.座位保持装置
5.普通型車椅子
【答え】4
(17) 76歳の男性。左足関節の痛みに対して手術療法が行われた。術後エックス線写真を示す。術後の理学療法で正しいのはどれか。(59回午前17)
1.術直後から荷重を開始する
2.疼痛軽減のため電磁波療法を行う
3.膝関節可動域練習を積極的に行う
4.外固定が外れたら足指可動域訓練を開始する
5.内固定破損の可能性があるため骨癒合が得られるまで短下肢装具を使用する
【答え】3
(18) 74歳の女性。脳梗塞による左片麻痺。発症後3ヶ月。平行棒内立位保持練習では重心が左側に偏り、平行棒に骨盤が寄りかかるような姿勢を呈する。この症状を改善するための理学療法で正しいのはどれか。(59回午前18)
1.骨盤を左から右方向へ押す
2.右上肢で前方向へのリーチ動作を行わせる
3.前方に鏡を置き立位姿勢の傾きを認識させる
4.左下肢に膝装具を装着し立位保持練習を行う
5.レイミステ現象を利用して左股関節内転筋を強化する
【答え】3
(19) 73歳の女性。胸部単純エックス線写真を示す。考えられる疾患または状態はどれか。(59回午前19)
1.気胸
2.間質性肺炎
3.気管切開術後
4.肺葉切除術後
5.慢性閉塞性肺疾患
【答え】2
(20) 30歳の女性。検診で早期の乳癌と診断され、乳房温存手術を予定している。周術期理学療法を開始するにあたり、活動能力の評価方法で正しいのはどれか。(59回午前20)
1.CFS (cancer fatigue scale)
2.FACT
3.KPS
4.PPI (palliative prognostic index)
5.TNM分類
【答え】3
(21) 対応があり正規分布を示さない連続変数の2群間の差を検討するのはどれか。(59回午前21)
1.Paired-t検定
2.一元配置分散分析
3.Kruskal-Wallis検定
4.Mann-WhitneyのU検定
5.Wilcoxon符号付順位和検定
【答え】5
(22) 二次予防の組み合わせで正しいのはどれか。(59回午前22)
1.健常成人―――――――――――――――禁煙指導
2.脂質異常者患者――――――――――――栄養指導
3.回復期の脳血管疾患患者――――――――服薬指導
4.急性期の脳血管疾患患者――――――――血圧管理
5.生活期の脳血管疾患患者――――――――運動指導
【答え】2
(23) 筋収縮で正しいのはどれか。(59回午前23)
1.神経筋接合部での伝達物質はノルアドレナリンである
2.カルシウムイオンが筋小胞体に取り込まれる
3.神経筋支配比はそれぞれの筋で異なる
4.エネルギー源はADPである
5.A帯が短縮する
【答え】3
(24) 課題と記憶の組み合わせで正しいのはどれか。(59回午前24)
1.自転車に乗る―――――――――――エピソード記憶
2.海外旅行の思い出を語る――――――展望記憶
3.紙や鉛筆を使わず暗算する―――――ワーキングメモリー
4.教師になったきっかけを説明する――意味記憶
5.建物の建築方法について説明する――手続き記憶
【答え】3
(25) インフォームドコンセントの説明で正しいのはどれか。(59回午前25)
1.終末期の患者が対象外である
2.医療法により罰則が課せられる
3.専門用語を用いて詳細に伝える
4.患者が自己決定する機会を保障する
5.患者は一度同意したら撤回できない
【答え】4
(26) 標準予防策で正しいのはどれか。(59回午前26)
1.患者間の感染防止が目的である
2.防護具としての滅菌手袋が必須である
3.患者の汗は感染性があるものとして扱う
4.使用後の防護具はマスクを最初に除去する
5.患者周囲の物品に触れた後に手指衛生を行う
【答え】5
(27) 関節可動域測定法(日本整形外科学会、日本リハビリテーション医学会基準1995年)に基づく下肢の関節可動域の原則で正しいのはどれか。(59回午前27)
1.足指では底側に角度計を当てる
2.足部の外がえしは膝関節伸展位で行う
3.足関節では足底への動きが伸展である
4.足部の回内・外転・背屈の複合した動きは内がえしである
5.外反・内反という用語は足部の変形を意味するので使用しない
【答え】5
(28) 認知症の周辺症状はどれか。(59回午前28)
1.今日の日付が分からない
2.携帯電話を使えなくなる
3.夜になると家の中を歩き回る
4.朝食で食べたものを思い出せない
5.目の前にある物品の名称を言えない
【答え】3
(29) ICFで正しいのはどれか。(59回午前29)
1.障害のある人を対象とした分類である
2.ICIDHとは相互補完的な分類である
3.健康状態は構成要素の一つである
4.社会モデルに依拠している
5.倫理的ガイドラインがある
【答え】5
(30) 関節リウマチの槌指による中足骨頭部の疼痛に対する装具で最も適切なのはどれか。(59回午前30)
1.踵補高
2.外側フレアヒール
3.内側フレアヒール
4.逆Thomasヒール
5.メタタルザルパッド
【答え】5
(31) 変形性股関節症でみられるのはどれか。(59回午前31)
1.Tinel徴候
2.Froment徴候
3.Romberg徴候
4.Lhermitte徴候
5.Trendelenburg徴候
【答え】5
(32) 股関節の屈曲拘縮を調べるテストはどれか。(59回午前32)
1.Adsonテスト
2.Jacksonテスト
3.Lachmanテスト
4.Neerテスト
5.Thomasテスト
【答え】5
(33) SIASに含まれるのはどれか。(59回午前33)
1.意識障害
2.異常知覚
3.嚥下機能
4.測定障害
5.視空間認知
【答え】5
(34) Parkinson病で正しいのはどれか。(59回午前34)
1.感覚障害が出現する
2.安静時振戦が出現する
3.深部腱反射が亢進する
4.症状の日内変動は少ない
5.発症初期には症状が左右対称に出現する
【答え】2
(35) 筋萎縮性側索硬化症で正しいのはどれか。(59回午前35)
1.深部感覚が障害されやすい
2.認知機能が障害されやすい
3.筋萎縮は四肢の遠位に著しい
4.眼球運動が早期に障害されやすい
5.動脈血二酸化炭素分圧が低下しやすい
【答え】3
(36) 熱傷部位の皮膚で正しいのはどれか。(59回午前36)
1.壊死組織は赤色を呈する
2.III度熱傷は汗腺まで達しない
3.I度熱傷部位は植皮術を施行する
4.感染を伴うと植皮の生着が阻害される
5.植皮後は知覚が回復してから運動を開始する
【答え】4
(37) 気管切開患者に対する痰の吸引で正しいのはどれか。2つ選べ。(59回午前37)
1.ファインクラックル(fine crackles・捻髪音)を聴取したので吸引する
2.無菌的な操作を行う
3.成人の吸引圧は80mmHg程度が推奨される
4.吸引カテーテルの先端が気管分岐部に当たらない深さにとどめる
5.吸引カテーテルを気管内でピストン運動させる
【答え】2・4
(38) 大腿切断後の切断肢で股関節の屈曲拘縮予防が図れるのはどれか。(59回午前38)
1.腹臥位
2.長時間の車椅子座位
3.大腿下に枕を入れた背臥位
4.股関節・膝関節屈曲位の側臥位
5.両大腿部内側に枕を入れた背臥位
【答え】1
(39) 下肢の異常を金属支柱付き短下肢装具の足継手設定との組み合わせで正しいのはどれか。(59回午前39)
1.尖足――――――――――――――前方制動
2.反張膝―――――――――――――前方制動
3.立脚相の膝折れ―――――――――前方制動
4.下腿三頭筋の痙縮――――――――遊動
5.前脛骨筋の弛緩性麻痺――――――遊動
【答え】3
(40) 成人の心肺停止に対する1分間あたりの胸骨圧迫の回数で適切なのはどれか。(59回午前40)
1.20回
2.50回
3.70回
4.100回
5.130回
【答え】4
(41) 介護保険制度の特定福祉用具販売にかかる給付対象品目はどれか。(59回午前41)
1.スライディングボード
2.移動用リフトの吊り具
3.ロフストランド杖
4.ベット用手すり
5.歩行器
【答え】2
(42) アキレス腱炎で見られるアライメント異常の組み合わせで適切なのはどれか。(59回午前42)
1.骨盤―――――――――――後傾位
2.下腿―――――――――――内旋位
3.踵骨―――――――――――底屈位
4.立方骨――――――――――上方偏位
5.ショパール関節――――――外転位
リ:5 ワ:4 三:3【答え】3 →厚労省発表では答えなし
(43) Parkinson病の治療で適切でないのはどれか。(59回午前43)
1.リズム刺激
2.ドパミン作動薬
3.脳深部刺激法
4.経頭蓋磁気刺激法
5.ボツリヌス毒素療法
【答え】5
(44) 重症筋無力症患者のQMG score (Quantitative Myasthenia Gravis score)に含まれる評価法がどれか。2つ選べ。(59回午前44)
1.意識状態
2.嚥下機能
3.感覚障害
4.眼球運動
5.排尿機能
【答え】2・4
(45) フレイルの判定要件でないのはどれか。(59回午前45)
1.疲労感
2.筋力低下
3.体重減少
4.身体活動低下
5.歩行距離減少
【答え】5
(46) IL (Independent Living)運動で正しいのはどれか。(59回午前46)
1.1990年代後半に起こった
2.スウェーデンが発祥である
3.社会的排除への戦略として提唱された
4.障害者の自己決定促進の取り組みである
5.障害の医学的モデルに基づくものである
【答え】4
(47) QOL評価尺度はどれか。(59回午前47)
1.TMT
2.SF-36
3.Karz Index
4.ESCROW profile
5.老研式活動能力指標
【答え】2
(48) 脊髄小脳変性症で正しいのはどれか。2つ選べ。
1.Frenkel体操が有効である
2.視野障害を伴う事が多い
3.包括的な評価指標にSARAがある
4.有病率は人口10万人あたり100人である
5.自律神経障害は非遺伝性に比べ遺伝性が多い
【答え】1・3
(49) 間質性肺疾患患者に対する理学療法で最も適切なのはどれか。(59回午前49)
1.体位排痰法を指導する
2.吸気筋トレーニングを指導する
3.上肢の筋力増強運動は行わない
4.神経筋電気刺激療法は行わない
5.有酸素運動はSpO2 60%を目標に実施する
【答え】2
(50) 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の副作用で正しいのはどれか。(59回午前50)
1.胃潰瘍
2.骨粗鬆症
3.多幸感
4.中心性肥満
5.低血糖
【答え】1
(51) 外胚葉から発生するのはどれか。(59回午前51)
1.筋
2.子宮
3.甲状腺
4.消化管
5.松果体
【答え】5
(52) ミオシンフィラメントが存在するのはどれか。2つ選べ。(59回午前52)
1.A帯
2.H帯
3.I帯
4.Z帯
5.筋節
不適切問題 答え3つあり 【答え】1・2・5
(53) 肩甲背神経に支配される筋はどれか。(59回午前53)
1.肩甲挙筋
2.鎖骨下筋
3.前鋸筋
4.僧帽筋
5.菱形筋
不適切問題:解答2つあり 【答え】1・5
(54) 脳神経と支配筋の組合せで正しいのはどれか。2つ選べ。(59回午前54)
1.動眼神経――――――眼輪筋
2.三叉神経――――――咬 筋
3.顔面神経――――――広頚筋
4.舌咽神経――――――舌 筋
5.副神経―――――――側頭筋
【答え】2・3
(55) ドーパミンが主に神経伝達物質となっている部位はどれか。(59回午前55)
1.黒質
2.視床
3.小脳
4.脳梁
5.前頭葉
【答え】1
(56) 反回神経で正しいのはどれか。(59回午前56)
1.味覚を伝える
2.交感神経線維を含む
3.横隔神経から分枝する
4.輪状甲状筋を支配する
5.左側の走行は右側よりも長い
【答え】5
(57) 左右一対あるのはどれか。2つ選べ。(59回午前57)
1.総頚動脈
2.椎骨動脈
3.脳底動脈
4.腕頭動脈
5.前交通動脈
【答え】1・2
(58) 呼吸器で正しいのはどれか。(59回午前58)
1.気管支は下気道に含まれる
2.輪状軟骨は弾性軟骨である
3.気管の長さは約20cmである
4.咽頭の下端はC8の位置にある
5.気管の延長軸に対する分岐角度は左気管支より右気管支の方が大きい
【答え】1
(59) 視覚器で誤っているのはどれか。(59回午前59)
1.虹彩と水晶体の間を前眼房という
2.眼房水は毛様体上皮から産生される
3.眼房水は強膜静脈洞へ吸収される
4.毛様体筋が収縮すると毛様体小帯は弛緩する
5.毛様体小帯が弛緩すると水晶体は厚くなる
【答え】1
(60) 右上肢を右外側より見た図を示す。腕橈骨筋のすぐ尺側で矢印部を走行する筋はどれか。(59回午前60)
1.示指伸筋
2.小指伸筋
3.総指伸筋
4.長橈側手根伸筋
5.長母指伸筋
【答え】4
(61) 伸張反射で正しいのはどれか。(59回午前61)
1.侵害受容反射である
2.多シナプス反射である
3.求心性線維はIa群線維である
4.α運動線維は筋紡錘内の錐内線維を支配する
5.γ運動線維は伸張された筋の拮抗筋を支配する
【答え】3
(62) 運動単位で正しいのはどれか。2つ選べ。(59回午前62)
1.運動単位には求心線維が含まれる
2.筋を徐々に収縮すると大きな運動単位が先に活動を始める
3.筋が収縮する際に運動単位の数が増加していく過程を動員という
4.細かい動きが要求される筋は一つの運動ニューロンが支配する筋線維が多い
5.一つの運動ニューロンを刺激すると、その支配下にある筋線維が同時に収縮する
【答え】3・5
(63) 副交感神経の機能を持つのはどれか。(59回午前63)
1.横隔神経
2.骨盤神経
3.舌下神経
4.内耳神経
5.肋間神経
【答え】2
(64) 肺拡散能に影響を与えるのはどれか。2つ選べ。(59回午前64)
1.ヘモグロビン
2.死腔換気量
3.肺胞表面積
4.気道抵抗
5.残気量
【答え】1・3
(65) 線維素溶解系で働く因子はどれか。(59回午前65)
1.カルシウムイオン
2.フィブリノゲン
3.プラスミノゲン
4.プロトロンビン
5.Von Willebrand因子
【答え】3
(66) 免疫グロブリンで正しいのはどれか。(59回午前66)
1.IgGは胎盤を通過する
2.IgMは唾液に含まれる
3.IgDは肥満細胞を活性化する
4.IgAは血漿中に占める割合が最も多い
5.T細胞が抗原の刺激を受けて産生する
【答え】1
(67) 肝臓の機能で正しいのはどれか。2つ選べ。(59回午前67)
1.血球の産生
2.胆汁の貯蔵
3.尿素の生成
4.薬物の代謝
5.グルカゴンの分泌
【答え】3・4
(68) 同一の臓器から分泌されるホルモンの組合せで正しいのはどれか。(59回午前68)
1.アルドステロン――――エリスロポエチン
2.グルカゴン――――――ガストリン
3.バゾプレシン―――――オキシトシン
4.パラトルモン―――――カルシトニン
5.レニン――――――――コルチゾール
【答え】3
(69) エネルギー代謝で正しいのはどれか。(59回午前69)
1.基礎代謝量は安静時代謝量より大きい
2.安静時代謝量は体重減少により低下する
3.呼吸商は糖質の燃焼が多くなると低下する
4.代謝当量 (METs)は基礎代謝量を基準にしている
5.エネルギー代謝率 (RMR)は安静時代謝量を基準にしている
【答え】2
(70) 筋を下顎の運動の組合せで正しいのはどれか。(59回午前70)
1.咬 筋――――――――――――下 制
2.顎二腹筋―――――――――――挙 上
3.外側翼突筋――――――――――前 突
4.内側翼突筋――――――――――後 突
5.オトガイ舌筋―――――――――側方移動
【答え】3
(71) 手の運動で正しいのはどれか。(59回午前71)
1.橈骨手根関節の運動軸は2つである
2.PIP関節の側副靱帯は伸展位で弛緩する
3.手関節背屈には長母指外転筋が作用する
4.手関節撓屈の可動域は前腕回外位より回内位で大きい
5.対立運動における横アーチの変化には第2CM関節が関与する
【答え】1
(72) 足関節で正しいのはどれか。(59回午前72)
1.距腿関節は2度の運動自由度を持つ
2.後脛骨筋は外がえしの共同筋である
3.ヒラメ筋は足部内返しに作用する
4.足根中足関節の主な運動は滑りである
5.立方骨は内側縦アーチを構成する骨の一つである
不適切問題:答えが2つある【答え】3・4
(73) 片側の筋収縮と体幹運動の組合せで正しいのはどれか。(59回午前73)
1.外腹斜筋―――――同側への側屈
2.脊柱起立筋――――対側への側屈
3.内腹斜筋―――――対側への回旋
4.腹直筋――――――対側への回旋
5.腰方形筋―――――同側への回旋
【答え】1
(74) 健常成人の歩行で重心が最も高くなる時期どれか。(59回午前74)
1.初期接地
2.荷重応答期
3.立脚中期
4.立脚終期
5.前遊脚期
【答え】3
(75) 病因のうち化学的要因はどれか。(59回午前75)
1.熱
2.圧力
3.紫外線
4.放射線
5.アスベスト
【答え】5
(76) 末梢血管抵抗が低下するショックをきたす病態はどれか。2つ選べ。(59回午前76)
1.アナフィラキシー
2.消化管出血
3.心筋梗塞
4.心タンポナーデ
5.敗血症
【答え】1・5
(77) 咳をしたときに生じる尿失禁はどれか。(59回午前77)
1.溢流性
2.機能性
3.切迫性
4.反射性
5.腹圧性
【答え】5
(78) 左右対称のインクのシミでできた図版を順番に提示する検査はどれか。(59回午前78)
1.バウムテスト
2.MMPI
3.P-Fスタディ
4.Rorschachテスト
5.WPPSI
【答え】4
(79) 陽性転移はどれか。(59回午前79)
1.医療者が患者に過剰な親近感を抱く
2.医療者が患者に怒りの感情を示す
3.患者が医療者に好意を寄せる
4.患者が医療者を強く軽蔑する
5.患者が医療者を嫌悪する
【答え】3
(80) 他者の模範的行動を観察して、自らの行動変容をきたすようにする治療法はどれか。(59回午前80)
1.系統的脱感作法
2.行動活性化療法
3.マインドフルネス
4.モデリング法
5.問題解決技法
【答え】4
(81) 技法としてホームワーク(宿題)を用いるのはどれか。(59回午前81)
1.支持的精神療法
2.精神分析療法
3.内観療法
4.認知行動療法
5.森田療法
【答え】4
(82) ADLで正しいのはどれか。(59回午前82)
1.環境要因によって影響を受ける
2.IADLが改善の基礎となっている
3.生活機能より包括的な概念である
4.2000年代初頭に世界保健機関によって定義された
5.評価スケールとしてFugl-Meyer Assessment scaleが用いられる
【答え】1
(83) 改訂日本版デンバー式発達スクリーニング検査(JDDST-R)で「母指と示指によるつまみ動作」の通過率75%が含まれる時期はどれか。(59回午前83)
1.3〜4ヶ月
2.6〜7ヶ月
3.9〜10ヶ月
4.12〜13ヶ月
5.15〜16ヶ月
【答え】4
(84) 脳卒中回復期の嚥下障害に対する最も適切な栄養管理はどれか。(59回午前84)
1.水分にとろみは使用しない
2.胃瘻造設後には経口摂取は行わない
3.経鼻胃管による経管栄養は誤嚥の危険はない
4.点滴管理は栄養摂取量を考慮する必要はない
5.経鼻胃管による経管栄養は長期的栄養管理には適さない
【答え】5
(85) 出生時に出現していないのはどれか。(59回午前85)
1.Moro反射
2.Galant反射
3.Babinski反射
4.緊張性迷路反射
5.対称性緊張性頚反射
【答え】5
(86) 頭部MRIで正しいのはどれか。(59回午前86)
1.T2強調画像で髄液は低信号に描出される
2.頭部CTに比べて脳幹部の病巣を観察しにくい
3.T2強調画像で脳梗塞による信号変化はみられない
4.拡散強調画像は急性期の脳梗塞の診断に有用である
5.頭部CTに比べて急性期の脳出血の診断に有用である
【答え】4
(87) AEDで正しいのはどれか。(59回午前87)
1.使用には医師の指示が必要である
2.心臓ペースメーカーの植え込み患者に使用できる
3.衣服の上から使用できる
4.電気的除細動時は四肢を押さえる
5.電気的除細動は自動的に行われる
不適切問題:答えが2つある【答え】2・5
(88) 背臥位における褥瘡の好発部位はどれか。2つ選べ。(59回午前88)
1.踵部
2.膝窩部
3.仙骨部
4.内顆部
5.大転子部
【答え】1・3
(89) 外傷性脊髄損傷で正しいのはどれか。(59回午前89)
1.男性より女性に多い
2.頸髄損傷が胸腰髄損傷より多い
3.交通事故による受傷が最も多い
4.発症者の年齢は20歳代が最も多い
5.頸髄損傷では完全麻痺者の比率が高い
【答え】2
(90) 骨粗鬆症で正しいのはどれか。(59回午前90)
1.女性より男性に多い
2.遺伝的要因は影響しない
3.続発性より原発性が多い
4.骨折は大腿骨近位部が最も多い
5.日本の患者数が約100万人である
【答え】3
(91) 脳卒中の身体機能評価に用いられる評価尺度はどれか。2つ選べ。(59回午前91)
1.GMFCS
2.MMPI
3.NIHSS
4.SIAS
5.UPDRS
【答え】3・4
(92) 手根管症候群でみられる徴候はどれか。(59回午前92)
1.下垂手
2.骨間膜の萎縮
3.小指のしびれ
4.母指球筋の萎縮
5.Guyon管のTinel徴候陽性
【答え】4
(93) ケトアシドーシスによってKussmaul呼吸が起こる理由で正しいのはどれか。(59回午前93)
1.O2を取り込むため
2.H+が減少したため
3.CO2を排出するため
4.HCO3-が増加したため
5.pHの上昇を基準値に戻すため
【答え】3
(94) 急性心筋梗塞が疑われる場合に最も優先度が低い検査はどれか。(59回午前94)
1.心電図
2.心エコー
3.冠動脈CT
4.冠動脈造影
5.心筋シンチグラフィー
【答え】5
(95) Levy小体型認知症の早期にみられる症状はどれか。(59回午前95)
1.幻視
2.考想伝播
3.失語
4.人格変化
5.脱抑制
【答え】1
(96) 統合失調症で正しいのはどれか。(59回午前96)
1.急性発症は予後が悪い
2.若年発症は予後が悪い
3.女性は男性より予後が悪い
4.男性の発症率は女性の約2倍である
5.発症から治療開始までの期間と予後は無関係である
【答え】2
(97) 全般性不安障害で正しいのはどれか。(59回午前97)
1.慢性化はまれである
2.男性と比較して女性に多い
3.自律神経系の過活動はみられない
4.症状の消長に環境因子は影響しない
5.他の精神疾患と併存することはない
【答え】2
(98) ミオクロニー発作で正しいのはどれか。(59回午前98)
1.意識消失を伴うことが多い
2.高齢で発症することが多い
3.数分間持続する
4.光刺激で誘発される
5.片側性である
【答え】4
(99) ノンレム睡眠で正しいのはどれか。(59回午前99)
1.夢を見る
2.陰茎が勃起する
3.急速眼球運動がみられる
4.心拍数が不規則に変化する
5.成人の睡眠の大半を占める
【答え】5
(100) 入眠困難を訴えるうつ病患者に対する睡眠衛生指導で最も適切なのはどれか。(59回午前100)
1.「夕方1時間以上の昼寝をしましょう」
2.「できるだけ一定時刻に起床しましょう」
3.「就寝直前にアルコール飲料を飲みましょう」
4.「眠くなくても一定の時刻に就寝しましょう」
5.「入眠できなくても寝床から出ないようにしましょう」
【答え】2
Dr. Sixty_valleyの第60回理学療法士国家試験対策のポータルサイトページは以下です。
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