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「聖バレンタイン」

バレンタインデーの由来:なぜ「聖バレンタイン」なのか?

バレンタインデーといえば、恋愛・チョコレート・告白 というイメージが強いですが、そもそもなぜ 「聖(セント)バレンタイン」 なのか、ご存じでしょうか?

実は、バレンタインデーはもともと キリスト教の殉教者を記念する日 でした。そこから、時代を経て 「恋人たちの日」 へと変わっていきました。

今回は、バレンタインデーの名前の由来や、歴史の流れ について解説します。


「バレンタイン」の由来:聖バレンタインとは?

バレンタインの名前は、3世紀のローマ帝国で殉教した聖職者「ウァレンティヌス(Valentinus)」 に由来しています。

彼は、当時のローマ皇帝クラウディウス2世 によって処刑されたと伝えられており、キリスト教では 「聖人(セント)」 として崇められています。

英語では「Saint Valentine(セント・バレンタイン)」と呼ばれるため、「バレンタインデー」 という名前が生まれました。


なぜ聖バレンタインは処刑されたのか?

当時のローマ帝国では、戦争が頻繁に起こっていました。皇帝クラウディウス2世は、「結婚した兵士は士気が下がる」 という理由で、兵士の結婚を禁止 しました。

しかし、聖職者だったウァレンティヌス(バレンタイン)は、「愛し合う2人が結婚するのは当然のことだ」と考え、ひそかに兵士たちの結婚式を執り行っていた のです。

この行為が皇帝にバレてしまい、ウァレンティヌスは投獄・処刑されることになりました。
その処刑日が 2月14日 だったことが、バレンタインデーの起源になっています。


バレンタインデーが「恋人の日」になった理由

もともと「聖バレンタインの殉教を偲ぶ日」だったバレンタインデーが、なぜ 「恋人の日」 になったのでしょうか?

この背景には、中世ヨーロッパの文化や言い伝えが関係しています。

① 中世ヨーロッパで「2月14日は恋の季節」とされた

14世紀のイギリス・フランスでは、2月14日は「鳥がつがいを作る日」 と信じられていました。
そこから、「人間にとっても愛を誓う日になる」という考え方が広まり、バレンタインデーは恋愛と結びつくようになった のです。

② 文学の影響で「恋人の日」と定着

中世の詩人 ジェフリー・チョーサー(『カンタベリー物語』の作者)が、自身の詩の中で 「2月14日は恋人たちが愛を誓う日」 と表現しました。
これが広まり、バレンタインデーは「恋人たちの記念日」として定着していきました。

③ 近代ヨーロッパで「バレンタインカード」が流行

18世紀のイギリスでは、恋人同士が手紙(バレンタインカード)を送り合う文化 が生まれました。
「愛の告白をする日」としてバレンタインが認識され、次第に世界中へと広がっていきました。


現代のバレンタイン:マーケティングの影響で「チョコの日」に?

現在のバレンタインデーは、世界中で「恋人の日」として知られていますが、「バレンタイン=チョコレート」 という文化は、もともと存在しませんでした。

では、なぜ日本では「バレンタイン=チョコを贈る日」になったのでしょうか?

日本のバレンタイン文化の広まり

  • 1930年代:日本にバレンタインデーが紹介される

  • 1950年代:メリーチョコレート が「バレンタインにチョコを贈ろう」というキャンペーンを実施

  • 1970年代:森永製菓、ロッテ、明治 などが「バレンタイン=チョコ」のイメージを定着させる

つまり、「バレンタイン=チョコ」の文化は、企業のマーケティングによって作られた のです。


まとめ:バレンタインは「聖バレンタイン」の名前が由来!

  • バレンタイン(Valentine)は、3世紀のローマで殉教した聖職者ウァレンティヌスが由来。

  • ウァレンティヌスは、禁止されていた兵士の結婚式を行ったために処刑された。

  • 中世ヨーロッパで「2月14日は恋人の愛を誓う日」と広まり、バレンタインデーが定着。

  • 日本の「バレンタイン=チョコ」は、企業のマーケティングによって作られた文化。

バレンタインの本来の意味を知ると、ただの「チョコを渡す日」ではなく、
「愛のために戦った聖バレンタインの精神を讃える日」 という側面も見えてきます。

とはいえ、現代のバレンタインは 恋愛イベント&チョコの祭典 になっているのが現実。
歴史を知ったうえで、自分なりのバレンタインを楽しむのもアリかもしれませんね。


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