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【豆知識コラム】固形チョコレートの誕生秘話:どうして板チョコになったの?
今や当たり前のように食べられる固形のチョコレート。板チョコやチョコレートバーは、誰もが親しむスイーツですが、これが誕生するまでには驚くべき技術革新と歴史がありました。
今回は、固形チョコレートの誕生と、その背景のお話
■ チョコレートの原点は飲み物だった
固形チョコレートが登場するまで、カカオは「飲むもの」として消費されていました。古代メソアメリカの人々が愛飲していたチョコラトルや、16世紀にヨーロッパに伝わった甘いホットチョコレートがその始まりです。
しかし、チョコレートを「食べる」という発想が生まれたのは19世紀になってからです。
■ 固形チョコレートの誕生
固形チョコレートの誕生は、いくつかの重要な技術革新によるものでした。
1828年:カカオプレスの発明(オランダ)
オランダの化学者コンラッド・ファン・ホーテンが、カカオ豆から脂肪分(カカオバター)を分離する「カカオプレス」を開発。
これにより、カカオパウダーとカカオバターを別々に取り扱えるようになり、滑らかなチョコレートを作る基盤が整いました。
1847年:初の固形チョコレートの製造(イギリス)
イギリスの「フライ家(J. S. Fry & Sons)」が、カカオパウダー、砂糖、カカオバターを混ぜて固めた世界初の固形チョコレートを製造。
これが、現在の板チョコの原型となりました。
1875年:ミルクチョコレートの誕生(スイス)
スイスのダニエル・ピーターが、ネスレ社の粉乳を利用してミルクチョコレートを発明。
これにより、より滑らかで甘みのある固形チョコレートが誕生し、人気が爆発しました。
1879年:テンパリング技術とコンチングの発明(スイス)
スイスのルドルフ・リンツが「コンチング(練り技術)」を開発。これにより、チョコレートがさらに滑らかで口どけの良いものに進化。
この技術は、現在の高品質なチョコレートの製造に欠かせないものとなっています。
■ 固形チョコレートの普及
19世紀後半から20世紀にかけて、固形チョコレートは大量生産が可能になり、一般庶民にも手が届く商品となりました。
1900年:ハーシーチョコレートの誕生(アメリカ)
ミルトン・ハーシーがアメリカで大規模にチョコレートを製造し、手頃な価格で販売。これが現代の「チョコレート大衆化」の始まりです。1912年:プラリネの登場(ベルギー)
ベルギーでジャン・ノイハウスが発明した「プラリネ(中にクリームやナッツを詰めたチョコレート)」が、チョコレート文化をさらに豊かにしました。
■ チョコレートが愛される理由
固形チョコレートの誕生により、チョコレートは飲み物から「手軽に楽しめるスイーツ」へと進化しました。さらに、以下の点がチョコレートを愛される存在にしています。
持ち運びやすさ
板チョコやチョコレートバーは簡単に持ち運びが可能。味のバリエーション
ビター、ミルク、ホワイトなど、幅広い好みに対応。多用途性
お菓子作りやギフトとしても重宝される。
今では当たり前のように食べているチョコレートも、昔の人々の努力と技術のおかげなんですね。
お気に入りのチョコを片手に、楽しい時間を過ごしてください(*´▽`*)