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大学院卒業おめでとう、わたし。

足掛け5年かけて、ついに大学院を卒業しました!ぱちぱち〜


アメリカ大学院への挑戦と挫折、挫折、挫折の道

そもそも大学院に入ってみようと思い立った理由って何だったんだろう。こんなことさえもう思い出せない。当初は野望なり意義づけがあったはずだが、そんなものはとうに忘れ、後半唯一頭にあったのは学部時代も優等生とは程遠かったわたしのために立派な(たぶん。中身はもちろん読めない)推薦文を書いてくれたゼミの担当教授のこと。何年かかったとしても彼には卒業報告をしなければならないという気持ちだけで最後まで走りきった。

入学から卒業までの間にはアメリカ駐在からの帰国もあり、帰国後は仕事が忙しくてレポート書いてる暇があったら寝ないと倒れるってタイミングもあった。恥ずかしいことに一度途中でドロップアウトしたクラスもある。長期出張とレポートの締め切りが重なり、乗り換え地のヨーロッパ某空港で飛行機を待ちながら半泣きで執筆したこともあった。

そして自分ではどうにもできない円安という敵も待ち構えていた。授業料の請求のたびに数字が膨らんでいて、この地獄に底はないのかと何度も何度も震えた。インフレでドル建ての授業料がそもそも上がり、これに加えての円安。アメリカに住んでいた期間の授業料はドルで払い込めていたのが唯一の救いだったが、それでも後半は日本から円で支払っていたのでつらかった。時間をかけすぎたこともあって、最終的に当初の見通しの倍近く払うことになったんじゃなかろうか。

さらには不妊治療、妊娠出産、初めての育児もいい感じに学業へのエネルギーを吸い取ってくれた。仕事とは比べ物にならない疲れ方するんだもん。特に治療後期〜つわりの期間はまともな精神状態を保つことさえままならなかった。当然大学院はスキップ。
とはいえ、娘のせいで卒業できなかった〜と言い訳する親にはなりたくない!という気持ちが教授への罪悪感と共に産後のわたしの背中を強く強く押してくれたことも事実。

そんなこんなを経て、2018年に期待に胸を膨らませて入学したわたしは5年半後の2024年にようやく卒業を迎えることができたのでした。
普通の人なら2−3年で卒業するか早々にギブアップするのだろうけど、なんとかかんとかしがみついてもぎ取った修士号。郵送で手元に届いた卒業証書は我が家の中で神棚の次に高い位置に飾ってある。

Master's Degreeの価値

これは一般論を聞かれてもわたしにはわからない。学部で学んだことの専門性を高めるために同じ分野で院進学するパターンが多いのではと思うが、わたしが通っていたのはいわゆる社会人用大学院であり、入学時点で学部での知識は基本的に問われない。MBAのように高度に専門性を高めることが目的ではないので、得た知識(knowledgeのほう)は同じ科目を学部で学んだ学生のそれと恐らくほぼ変わらないのではと思う。

学部生でマーケティングとコミュニケーションを学んでいた場合との決定的な違いを挙げるなら、実際の職務経験を持った状態で学べたということが大きい。得た知識をどう実際のビジネスの場に適用するかという視点を常に持ち、自分の経験に当てはめながらintelligenceを高めることができたのが一番の収穫だと考えている。

そして、周囲にも様々な経験を経てきた「同級生」がたくさんいて、わたしの知らない世界の話を聞かせてもらうことができた。少し前まで議員を務めていて新たに学び直そうと大学の門を叩いたおじさま、ディズニーというマーケティングのメッカで働きながらも改めて基本を学びたいとやってきたギャル、そして推薦状を書いてくれた教授に顔向けできない罪悪感だけでヨロヨロと走り続けている疲れた顔の日本人(後ろでたまに赤ちゃんが泣いている)。なかなか個性派の揃ったメンバー。

次の目標どうしよう

ここまで読んで頂ければ容易に想像できる通り、大学院生だった間もずっと机にかじりついて勉強のことばかり考えていたわけじゃないのだが、あまりに遠く思えていた修士号取得が叶った今、少し心がふわふわしてしまっているのを感じている。わたし、次は何をすればいいんだっけか。

仕事もまだ不慣れだし、育児はさらに不得手だし、そういくつも自分の荷物を増やす必要もないとは思いつつ、勉強というのもまたわたしの人生に必要な娯楽なのかもしれない。
やっぱりねえ、なんだかんだ楽しかったのだろうな。自分の知らない知識に出会えることも、同じ目標に向かって切磋琢磨できる同級生という存在に久しぶりに囲まれることも。

一旦いかにもな主題からは離れてみて、美術史や民俗学なんかを勉強してみたい気もする。一方で仕事でも役立つ資格を取って自分の価値を上げておきたいとも思う。英語力も維持したい。

人生でやりたいことや知りたいことが多すぎて一日24時間じゃ足りないよね〜と夫に嘆いてみたら、まずそのスマホ依存をやめたら?と言われたのでそろそろこの辺で。

Sofia

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