還暦おやじのスタディアブロードWith ウクレレ㉟マニラでskypeレッスン
マニラでのSkypeレッスン先生は馴染みのあるティナ!
今日は19時から明日の自己紹介の為にSkypeレッスンを申し込んであるので、夕食後は早めに部屋に戻る必要がある。
何時もの高齢者席に砂さんが座っていて手招きしてくれたので、トレーに料理を山盛りに乗せて左隣に座ると砂さんは右隣の席の女性を紹介してくれた。
その女性はどことなく神経質そうに見えた。そう思わせるのは、細身で表情が暗いという印象からだった。端正な顔立ちで色白なのだから明るめの化粧をすれば映えると思うのだが、どうやらノーメイクのようだった。
それに茶色のトップスが暗い表情をなお一層際立たせているように感じさせた。
砂:「シゲさん。この人はチエさんです。一か月前からここでレッスンを受けていて、あと2ヶ月間ここに居る予定なの。我々と同世代なので仲良くしてあげてね。」
鍵:「チエさん。はじめまして、鍵シゲキです。シゲキと呼んでください。よろしくお願いします。」
チ:「こちらこそよろしくお願いしますわ。殿方のお名前をフルネームで呼ぶのは抵抗があるのでユリさんと同じように、私も「シゲ」と呼ばせてくださいませ。そうするとニックネームみたいで呼びやすいですわ。」
砂さんは、ユリさんって言うのだと初めて知った。
鍵:「シゲって良いですね。それではシゲって呼んでください。それにしても今までお会いしませんでしたね。」
砂:「シゲって呼びやすいよね。私の事はユリって呼んでね。」
鍵:「Okay ユリさん。」
チ:「このところ具合が悪くて部屋で食事も頂いていたものですから。」
鍵:「そうでしたか。お大事になさってくださいね。英会話の勉強は仕事の為ですか?」
チ:「いいえ。主人との夢を実現する為にここに来たのですの。」
砂:「チエさんのご主人は2年ほど前に亡くなられていて、今は一人娘と娘婿と一緒に暮らしているのよ。」
鍵:「そうですか。」
チ:「スタディアブロードは初めてですが娘夫婦に背中を押されて実現できました。費用も娘婿が出してくれたのですのよ。」
娘婿は私の娘から父親が口癖のように“お父さんの夢は、東京オリンピックでボランティアをやる事。来日した外国人と話がしたい。その為に、僕が定年したらおかあさんと一緒にスタディアブロードにトライして英会話を勉強したい” と言う主人の思いに寄り添ってくれたからなのですよ。」
鍵:「娘さんも娘婿さんも素晴らしいですね。」
チ:「そうなの。うれしいです。こんなに幸せで良いのですかね。しかし、ワクワクしてこちらに来てみたら英会話の勉強は楽しくないし、早く日本に帰りたいのですけど娘夫婦の手前、途中で帰国するという事は出来ないし悩ましいですわ。」
砂:「チエさんの体調不良の原因はそこにもあるかもしれないよ。」
チエさんは韓国語を勉強したかった??
チ:「そうですわね。本音を言うと英語より韓国語を勉強したかったのですわ。でも、主人は嫌韓というのかしら。韓国も韓流ドラマも大嫌いだったの。それでも私やっぱり韓国に行けばよかった、なんて今更後悔しているのですわ。でも、主人と一緒に来ていると思っているので、やっぱり韓国に行くわけにはいかなかったのですわ。」
鍵:「そうですか。あと2ヶ月あるんですね。折角だからそんな中でも楽しみを見つけてください。」
砂:「チエさんは、今夜のカラオケバーの会には参加するの?」
チ:「まだ、迷っているのよ。ユリさんは行くの?」
砂:「気分転換になるから一緒に行こうよ。私の先生がイケメンの若者も誘っているそうよ。日本の歌も沢山あるそうだから楽しもうよ。シゲはどうすんの?」
鍵:私は7時からSkypeで発音のレッスンを受けるので参加は無理。それに、誘われてもいないから。」
砂:「あら、シゲって真面目ね。」
鍵:「真面目じゃないですよ。ただ、明日のスピーチのレッスンをして貰わないと不安だから。」
砂:「あらあたしは原稿を読むだけと決めたからあまりプレッシャーは感じていないわ。」
鍵:「私は、校長から原稿を見ないで、トライしてくださいね。と、言われているのでペーパーを見ないというプレッシャーと闘わなくてはならないんです。そうそう。早めに部屋に帰らないとならないのでお先に失礼します。」
砂:「ランチの時に言ったけど、あなたはアブナイ人と言う噂が立っているわよ。明日のスピーチの時に払拭した方がよいわ。」
チ:「シゲさんがアブナイ人?私は聞いていないけどどういう事。」
砂:「私も先生に聞いたので詳しくは知らないけど、ジャム先生のレッスンの時に独り言を大きな声で話していたらしいの。それで、精神が錯乱しているんじゃないかという噂よ。
とにかく、このスクールの先生方は井戸端会議が大好きだし、口が拡声器の人が沢山いるから内緒話なんて出来ないわよ。」
チ:「私は体調が悪くてレッスンも2日間休んでいたから知らなかったけど、噂話は一瞬で広がるからお気を付けなさって。これからSkypeレッスンを受講するのですわね。楽しんでくさい。」
鍵:「二人ともありがとう。バイバイ!」
砂:「また、明日、バイ!」
チエさんは、守ってあげないといけないと思わせる女性だった。それに、亡くなられたご主人は私と同じような思いを持った人だったようで好感が持てた。それにしてもアブナイ人と言うレッテルをはがさないといけないとなると難しいなぁ。
代官の立場になってみて彼の大変さが少し理解できた。しかし、彼の様にポジィティブに考えられないな~。さて、どうしよう?
時差を忘れて大慌てでSkypeレッスン
部屋についたのは18時5分前、Skypeレッスンの時間まではまだ1時間ほどある。
宿題を早めに片付けようと、今日のレッスンの復習をしているところに、プルプルとSkypeの着信音がなった。
予約の時間よりも1時間も早い。受信すると英語が聞こえてきた。
T:「Hello Shigeki.」こんにちは。シゲキ。
鍵:「Hello Tina.えーと。わっ。ワッ What’s? My reserved time is probably 7:00pm.」こんにちはティム。どうしたの?私の予約した時間は多分午後7時だと思うのですが。
私がドギマギしていると。
桶:「旦那、慌てておますな。」
鍵:「こら桶まん。ひやかすなよ。」
T:「what’s going on, Shigeki? Where are you now?」 シゲキどうしたの?今何処にいますか?
鍵:「I’m in Manila.」 マニラに居ます。
T:「I guess so. Welcome to the Philippines. You reserved Japan time. You forget the time difference.」そうでしょう。ようこそフィリピンへ。あなたの予約は日本時間です。あなたは時差を忘れていますよ。
鍵:「That makes sense.」なるほど。
T:「What should I do?」どうしたらよいですか?
鍵:「Keep going. Please give me a lesson.」このまま続けてください。レッスンをお願いします。
I have a hay fiver!
T:「How about Manila.」マニラはどうですか?
鍵:「I like Manila very much.」とても気に入っています。
T:「What do you like about Manila? 」
鍵:「Let’s see. How do I explain? It’s hard for me to explain in English.」えーと、どうやって説明すればいいのだろう。それを英語で説明するのは私には大変です。
「But I’ll try.」でもやってみます。
T:「Hang in There. You can do it.」頑張って、あなたならできる。
鍵:「Well, Well. People are kind. And・・・・。」えーと、えーと、皆親切です。そして・・・・・。
「Hold on a moment.」ちょっと待ってください。
google翻訳を使って調べて。
「I am happy that there are no cedar trees.」杉の木がないのが嬉しいです。
T:「Why?」なぜ?
鍵:「That’s why, I have a hay fever.」私は花粉症だからです。
T:「Oh really. There is no hay fever in the Philippines.」そうでしたか。フィリピンには花粉症はありませんよ。
鍵:「I knew it. At this time of year, there is a lot of cedar pollen in Japan.」知っていましたよ。この時期日本ではスギ花粉が多いのです。
T:「Many of my Japanese students also have hay fever at this time.1」今の時期は私の日本人の生徒さんも花粉症の人が多いのですよ。
鍵:「That’s why I came to Manila at this time.」だからこの時期にマニラに来たんです。
T:「That make sense. How was your day so far?」なるほど。これまでの一日はどうでしたか?
鍵:「It was a very hard day.」とてもハードな一日でした。
T:「How was the lesson?」レッスンはどうでしたか?
鍵:「It was very tough. I have to do my homework.」とてもタフでした。私は宿題をしなければならないのですよ。
なんて、世間話をした後に、明日の自己紹介のレッスンをして貰った。日本では25分間のレッスンで時間を持て余すことが度々あったが、今回は少し時間が足りなかった。
こちらで予約する場合は、日本とフィリピンとの時差を考慮に入れなければならない。
日本時間の方が1時間進んでいるので、明日の朝は日本時間10時の予約を入れる事によって、マニラで朝9時から25分間のSkypeレッスンを受ける事にした。嬉しい事にティナ先生のレッスンの予約が取れた。
鍵:「桶まん、頼むから違う姿でいてくれよ。」
桶:「へい、それならこんなんは、いかが?」
鍵:「可愛くていいなぁ。一緒にウクレレでセッションしたいなぁ。」
桶:「わては、弾けませんわ。」
鍵:「な~んだ、声のイメージは可愛くできないのか。」