還暦おやじのスタディアブロードWith ウクレレ ㉚
シゲキはアブナイ人???
リュックにウクレレと楽譜を入れ代官から言われて買った虫よけスプレーがリュックに入っているのを確認してランチに向かう。
今日はランチ後にバスケットコートの脇でウクレレの練習をするので、外出用のスリッパではなく靴を履いている。マニラは快晴で気温は28度ほどで気持ちがいい。
洗濯場ではスタッフが洗濯物を干しているところだ。私は「Hi! It’s a beautiful day, isn’t it.」良い天気ですね。と言葉を掛けた。
彼女は「Yes, it is.」そうですね。と、挨拶を返してくれた。
靴を脱いで建物の中に入ると、既に何人かが食事をしていた。一番手前の老人席には砂さんも座っていて隣に来るように手招きしてくれた。
多分、ジャムのレッスンのことが気になっているのだろう。私が選んだ料理で溢れそうなトレーを持って砂さんの隣に座った。ランチタイムは日本語禁止の為、砂さんとの会話は筆談だ。
砂:「ジャムとのレッスンで何があったの?」
鍵:「レッスンのやり方について話し合っただけです。」
砂:「フルーツが仲裁したと聞いたわよ。」
鍵:「そうです。私がレッスンして欲しい内容がジャムにうまく伝わらないので、フルーツに通訳を頼んだのです。」
砂:「ジャムはあなたが望むレッスンのやり方をやってくれることになったの?」
鍵:「最初は嫌がっていたけどフルーツが説得してくれてOKになりましたよ。」
砂:「それは良かったけど、何があったの?私の先生はあなたのことをアブナイ人と言っていたわよ。」
鍵:「アブナイ人??」
砂:「先生の話だと、あなたが突然大きな声で怒り出したりしたっていうのよ。そして、誰もいないのに誰かとケンカしていたというのよ。変な人と思われないように気を付けた方がいいわよ。」
鍵:「ありがとう。気を付けます。」
砂:「午後の先生は誰なの?」
鍵:「マーガリン。」
砂:「マーガリン?私は教えて貰ったことないけど、ここの先生で一番高齢の女性でとても厳しいという噂は聞いたわよ。私たちと同年代らしいけど誰彼かまわずに宿題を出すらしいわ。二人の先生とも癖が強いようだから大変だわね。それに先ほどのアブナイっていう話だけど、気を付けてね。See you.またあとでね。」
このスクールで最高齢ってどんな感じかなぁ。そんなあほな。
鍵:「See you. 」と、言って私もトレーを返却した。スタッフにサンキュウと言ったが、思い過ごしかもしれないが彼女らは好奇の目を私に向けている。
チェッ、まんごろうという狸の奴め、と舌打ちした。
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