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還暦おやじのスタディアブロードWith ウクレレ55 慰問の時の曲の順番は?

セットリストって何?

控室では “ふるさと”を練習しているところだった。マサシとショウコも3拍子で上手に弾いていて、チエとユリがリズムを確認しながら踊っていた。

鍵:「I’m sorry to be late. 遅くなってごめん。」

大:「Oh, that’s all right.」あ、大丈夫です。

フ:「Your performance was amazing. I think you will be very pleased.実に素敵なパフォーマンス。とっても喜んで貰えると思うわ。」

ク:「Shige, Shall I play the arpeggio? 」

フ:「アルペジオで弾きましょうか?What is an arpeggio?」

鍵:「Try playing Kuma .クマ弾いてみて。」

クマが右手の指をバラバラに動かして流れるように弦を弾きながら♪ふるさと♪を演奏しているのに合わせて、ビーナスと大門がウクレレのボディをリズムよく叩いている。

要領をつかめたと見えてマサシとショウコが演奏に参加してきた。

彼らは三拍子の一拍目だけポロンと弾いている。

フ:「It’s definitely nicer than before.さっきより凄くいいわ。」

シ:「これっていいわね。マサシと私はポロンとしかできないけど、クマの演奏でなんか伴奏がついたみたいで気持ちし、ウクレレを指で叩く音がパーカッションみたいでいいわ。」

マ:「アルペジオってどうやって弾いているのですか?出来たら教えてください。」

フ:「How do you play it? Please let me know if you can. 」

ク:「Okey-dokey.」オッケー。

といって、クマがマサシとショウコにレッスンをした。

シ:「難しいわ。3拍子なのに小節の間に6回弾くなんて、今のところ出来ないけど練習しますわ。ねぇ、マサシ君。」

マ:「3か月位練習すれば出来るようになると思う。」

フ:「I think I will be able to do if after practicing for about 3 months. 」

ク:「Yes, you can do it.」そうですね。あなた達なら出来るわ。

鍵:「All right. Daimon. What about the setlist? さて、大門。セットリストはどうする?」

ユ:「セットリストって何?What’s the setlist?」

鍵:「演奏する曲の順番のことだよ。The order of playing.」

大:「First of all, how about ふるさと?」

フ:「一番はじめに“ふるさと”はどうですか?」

チ:「いいですわね。Sounds good.」

ビ:「あら、それいいわね。Oh, that’s good.」

コ:「I couldn’t agree more. 」

フ:「大賛成です。」

鍵:「All right. How many songs do you guys play?了解。君たちが演奏する曲は何曲ですか?」

大:「There are five songs. 」5曲です。

鍵:「ふるさと、赤とんぼ、カントリーロード、東京音頭と合わせて、全部で9曲だね。」

フ:「Then there are 9 songs in total, including ふるさと、赤とんぼ、カントリーロード、東京音頭。」

大:「Exactly.」その通り。

鍵:「最後の曲は東京音頭にしたいのですがどうですか?皆さんにも踊っていただきましょう。大変盛り上がると思いますよ。フルーツお願いします。」

フ:「I’d like to make the last song Tokyo Ondo, how about it? Let’s dance to everyone. I think it will be exciting. 」

ビ:「Gotcha.そうですよね。ぴょん」

ク:「You bet.」そうしましょう。

大:「Sounds interesting.」面白そう。

ユ:「That’s good.それは、いいわ。」

チ:「I think so, too. 私もそう思いますわ。」

ユ:「リクエストも用意しなきゃ。We need to have a request ready.」

ビ:「Yep.はい、そうだわね。」

シ:「私とマー君は、“ふるさと”と“赤とんぼ”の時にウクレレを弾かせてください。Please let me and Masashi play the ukulele ふるさとand 赤とんぼ。」

鍵:「それで決まりだね。So let’s make a decision.」

その後、通しで9曲を練習した。そして、セットリストに役割分担を書き込んだ。

ふるさとはクマとビーナスがイントロ部分をアルペジオで、歌が始まったら大門とクマとシゲとマサシとショウコが3ビート、歌と踊りがユリとチエ。

 赤とんぼは、クマがイントロをアルペジオで、ビーナスと大門とマサシとショウコとシゲが4ビート、歌と踊りがユリとチエ。

 カントリーロードはマサシとショウコは、4ビートでそれ以外は8ビート。ユリとチエは歌。

 東京音頭のイントロはビーナス、クマと大門が8ビートでシゲは段ボールを叩いて太鼓を担当。ユリとチエとマサシとショウコは歌と踊り。

 このように役割分担が決まると俄然一体感が生まれて、何度もリズムを繰り返し練習した。そして、リクエストに備えて “上を向いて歩こう”を練習した。

セットリストは、ユリとチエが模造紙に明日のリハーサルの時に書くことになった。

スクールでの夕食も翌日のイベントの話が中心となってしまい、イベントに参加しない予定のチャックはつまらなそうだった。

 最近高齢者席メンバーに加わった世界の松下改めマッキは、翌日のイベントに参加予定という事で会話にも積極的に加わり、東京音頭を作務衣で踊ることになり、ユリとチエは、昼食時にスクールの食堂でサトエに浴衣を着つけて貰ってからフルーツの家でのリハーサルに参加することになった。

 フルーツの家から施設までは徒歩10分ほどなので、リハーサルをイベント開始時刻の15時の30分前まで出来るのでありがたい。

 部屋に戻って、“上を向いて歩こう”の楽譜をノートパソコンからメモリスティックに取り込んで、溜まったlineをチェックした。

相変わらず代官からのニャーだらけの投稿が多く、明日は楽しみにしているニャ~を見つけたので、よもくぼニャ~と返信したら即座によきすがたなあという返信が来た。

青空球児・好児の言葉遊びの漫才の逆か言葉のギャグもご存じとはやれやれである。

悔しいのでゲロゲーロと投稿したが、彼と話していると私は間違いなくキャラ変してしまうようだ。

そして明日の夕食の事でケンからもlineで投稿がきていたので、 “私も楽しみにしていますよ。よろしくお願いいたします。” と返信した。

そして、出版プロデューサー氏からも是非、ぜひ、ゼヒ、是非、お話をお聞きしたいという彼のやる気満々lineが届いて、その中に何点か答えてくださいというアンケート形式のものがあったので、小倉久広志さんにコピーしてペーストした。

それに僕で良ければアンケートを書くのをお手伝いしますから明日声を掛けてくださいね。と投稿した。

イベントlineには、フィリピンの若者たちからの投稿にマサシが丁寧に答えてくれていた。その中には、リクエストの時に演奏する “上を向いて歩こう”の楽譜を早めにくださいというものがあったのでlineに投稿した。

そしてカホンは手元にないのでお手数をおかけしますが調達してきてください。という大門からの投稿もあった。

カホンって何?という投稿をしたのは、マッキだった。彼はいつの間にかイベントグループメンバーとなっていた。英語が堪能な彼だから英文で書けばよいのに日本語で書いたものをマサシが翻訳していた。

そして、大門からの「Cajon is a box-shaped percussion instrument. Some are made of cardboard. 」カホンは箱型の打楽器です。ダンボールで出来ているものもあります。という写真付きの返信にも対応してくれていた。

Lineの投稿を見ているだけで英語の勉強になる、カホンのスペルは「Cajon」でダンボールは「cardboard」って言うらしい。

明日はショッピングセンターの楽器屋に行ってカホンを買ってくるので、早速使って練習しよう。

それと比べてスクールlineは、チャックが中心となって世間話の投稿が続いていてショウコが話し相手になっていた。

私はスマホの電源を切って明日に備えてシャワーを浴びて早めに寝た。

えっつ!マサシが英会話イップス!

 朝食での話題はイベントがメインでグループlineは盛り上がっていたが、チャックの投稿が多いスクールlineへの投稿も活発だった。

私がカホンを買いに行くことを投稿するとマサシから一緒に行きたいという投稿があり、先日ウクレレを買った楽器店で待ち合わせする事にした。

鍵:「Hi!マサシ。来てくれてありがとう。」

マ:「Hi!」

店:「Hi Good afternoon. How about the ukulele?」やあ、こんにちは。ウクレレはどうですか?

マ:「I’m into playing the ukulele lately.」このところウクレレにハマってますよ。

店:「That sounds great. What are you doing today?」いいですね。今日はなにですか?

鍵:「Yeah! Do you have some cajon?」やあ。カホンはありますか?

店:「I’m sorry. No, I don’t.」すみません。ありません。

鍵:「What a shame. If you know Where to sell it, please let me know.」残念です。どこで売っているか知っていたら教えてください。

店:「Maybe it’s in the souvenir shop inside the department store.」多分、デパートの中のお土産物売り場にあると思いますよ。

鍵:「Thank you. We are going to the department store.」ありがとう。デパートに行ってみます。

店:「Wait a minute. Probably there is no finished product.」チョット待ってください。

鍵:「マサシ。フィニッシュ プロダクトって知っている?」

マ:「完成品だと思います。Noがついているから完成品はないって事でしょう。」

鍵:「そうか。Do you mean I make it myself?」自分で作るって言う事ですか?

店:「I’m sorry. I couldn’t catch what you said.」すみません。聞き取れませんでした。

マ:「シゲ。組み立てるという単語の”assemble”を使ってみたら?」

鍵:「I assemble it myself, isn’t it?」自分で組み立てるってことですか?

店:「Yes, it is.」そうです。

鍵:「I’m not good at doing. Is it easy?」私は苦手なんですけど、簡単ですか?

店:「I guess so.」だと思います。おそらく。

鍵:「What is it made of?」何で出来ているんですか?

店:「I think it made of cardboard.」ダンボールで出来ていると思います。

鍵:「I suppose so. Thank you.」そうなんでしょうね。ありがとう。

店:「Good luck!」あるといいですね。

鍵:「Thank you. Have a good afternoon!」ありがとう。良い午後を!

マ:「Catch you later.」じゃ、また。

デパート内には多くの客がいた。おやじ二人がきょろきょろしていると、店員が「What are you looking for?」何をお探しですか?と声を掛けてきた。

「Where is the souvenir shop?」お土産物売り場はどこですか?と聞いてみたら丁寧に教えてくれたので助かった。

 そこにはおもちゃのウクレレがビニールに入って売られていた。カホンは完成品が置いてあって、やはり組み立てキットがビニールに入れて売られていた。値段のシールを見ると、300ペソだったので、手に持ってレジに向かった。

レ:「This is three hundred pesos. Would you like to wrap it for souvenirs? 」300ペソです。

鍵:「Sorry?」すみません?

レ:「Would you like to wrap it for souvenirs?」お土産用に包装しますか?

鍵:「No thank you.」いいえ、結構です。と言ってお金を渡してレシートを受け取り私の部屋に向かった。

鍵:「マサシがいてくれて助かったよ。」

マ:「とんでもない。シゲの発音はネイティブ並みだね。」

鍵:「そらそうさ。日本語ネイティブだからね。」

といって、顔を見合わせてハイタッチして笑った。

マ:「Do you mean I make it myself? は通じないんだね。」

鍵:「I’m making it myself?なら通じたかなぁ。『Assemble』って知らなかったんでそういう聴き方しか出来なかったんだ。でも教えてくれて助かったよ。」

マ:「単語やフレーズが分からない時に英会話は上達出来るってショウコがいつも言っています。」

鍵:「なるほど。その通りかもね。実を言うとさっき、私は不器用だけど誰でも簡単に組み立てられますか?と言いたかったんだけどフレーズが思い浮かばなかったのであきらめたんだ。」

マ:「その言葉を分解すると、私は器用ではない。『I’m not dexterous.』誰でも簡単に組み立てられますか『Can anyone easily assemble it?』英作文だとこうなりますね。」

鍵:「そうそう『dexterous』なんて単語知らないので『I’m not good at doing.』って使ってみたけど通じたのかなぁ。」

マ:「通じたと思いますよ。それにしても咄嗟にそのフレーズが頭に浮かぶって素晴らしいよ。」

鍵:「僕は何時も『I’m not good at cooking.』や『I’m not go at pronouncing.』を英会話レッスンで使っているのでそのフレーズの単語を入れ替えて使いまわしているのですよ。なにせ苦手なことが沢山あるから。このフレーズには随分助けられていますよ。」

マ:「フレーズを使いまわすっていいなぁ。」

鍵:「僕が使っている英会話アプリでそんな練習をしているんだよ。」

マ:「どういうアプリなの?」

鍵:「このアプリといってスアホのアプリを見せた。」

マ:「僕もそのアプリで練習してみるよ。」

鍵:「マサシには必要ないんじゃない?」

マ:「シゲのように英語を喋れるようになりたいんだ。」

鍵:「何を言っているんだよ。マサシはTOEICで高スコアーを持っていると聞いたよ。」

マ:「そうなんだ。満点の990点を目標に頑張っていたころもあったんだけど、あと一歩のところで届かなかった。」

鍵:「あと一歩で満点なんて、凄いじゃないか。」

マ:「まぁそうだけど。その為に英会話が喋れなくなってしまったんだよ。」

鍵:「どうして?」

マ:「英会話で間違いをすることが恐怖になってしまったんだ。シゲみたいに間違ってもどうにか通じれば良いって思えないんだ。」

鍵:「そんなことがあるの?僕なんかは英語の資格なんて持ってないから気楽でいられるってことか。そう考えると少しは分かる気がするなぁ。僕だって自分の専門分野である不動産の事や相続に関して間違う事は許されないと思っているからそういう時の緊張感はマックスになりますよ。」

マサシはTOEICほぼ満点!

マ:「それと同じような感覚です。サラリーマン時代TOEICで900点台の公式認定証を持っているという事で僕の英語力は評価されていたしそれが自慢だったんだけど、会議で英会話の初心者並みのミスを犯してしまい、パニックになってしまったんだ。

それがトラウマで英会話恐怖症になってしまったんだ。英文なら何度も提出する前にチェックして訂正ができるけど、会話はその都度訂正が効かないから怖いんだ。それで会話を楽しむよりも文法上や発音のミスをしないように細心の注意を払うようになって、英語を話しているだけでまるで試験を受けている気になるんだ。」

鍵:「なるほど。」

マ:「TOEICの試験で高スコアを取るには、リスニングとリーディングだけやればいいんですよ。スピーキングはないですから。だから満点を取っても英語は喋れないんですけど、英会話が出来ると勘違いしてる人が多いんです。

雇う方の企業もこれでは採用しても戦力にならないという事で、最近では『VERSANT』というスピーキングテストの点数を重視する傾向になってきているようですよ。」

鍵:「そういえば楽天や武田薬品工業やヒルトンなんかも『VERSANT』を導入しているって言う記事を読んだことがあるなぁ。英語を武器にするって大変なことなんだな。」

マ:「しかし、まだまだブランド価値はTOEICなんですよ。日本人は実質価値よりもブランド価値を優先する傾向がありますから。」

鍵:「そうですね。入社面接で『VERSANT』何点と言われてもピンとこないですよね。それに面接官が英会話を話せれば面接を英語で出来るのですがそういう事は出来ないから、履歴書に書かれているTOEICの公式認定証のスコアで判断するしかないわけだよね。」

マ:「その通りですよ。」

 部屋に戻ってダンボールのカホンを組み立てたが意外に簡単だった。

 スマホでカホンの叩き方の動画を探して、練習してみたが想像よりも良い音がするし使いやすい。カホンにまたがって演奏するスタイルも気に入った。東京音頭の動画に合わせて練習してみたがとても良い感じだった。

 二人でイベントの準備をしてスクールの食堂に向かった。




 

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