還暦おやじのスタディアブロードWith ウクレレ ㉗
マニラでの初めての英会話レッスン、無駄なことはやりたくない!
まだ10時までには時間があるようなので、スマートフォンにOKグーグル。と話しかけて、「Please set the alarm to 9:50. 」9時50分前にアラームをセットして。と、グーグルにアラームをセットして貰ってベッドで少し横になっている。
スタディアブロードの目的を書いてある同じページに走り書きがある。そこには、試してみたい内容として、4項目書いてある。
※先生の話が聞き取れないときに、マギー審司の手品の耳を使って、パードンってやったら先生がどんなリアクションをするか?
そのために持っている手品の耳を持ってゆく。
※英語の授業で一初めて教わった「This is a pen.」を使う。 その為にペンに見えない物を購入して持ってゆく。
※英会話学習で良く聞く。発音が悪いと外国人から大笑いされるというライスをレストランで試してみる。
発音によっては「rice」が「lice」と誤解されて「ライスですかシラミですか?」と聞き替えされることがあるのか?
※英会話の本に書いてある。「call me a taxi, please.」タクシーを呼んでくださいという時に、間違って「a」ないと「call me taxi, please.」と言い間違えたら、私の事をタクシーと呼ぶのか?
※「a」がなくても英語ネイティブはちゃんと理解してくれるはずだ。
こんなくだらない事を考えている人間だから、昨夜のようなは変な夢を見たのだ。グーグルの使い過ぎが原因かもしれないが、魔法のランプでもあるまいし、OKマンゴウを桶まんごろうと聞き違えて、私のマイケルから出てくるなんてありえない。
その言葉が魔法使いを呼び出す暗号だとでもいうのか。あほらしい。「ヘイ!ダンナ。お呼びで?」
鍵:「えっ。おぬしは昨夜の狸?」
桶:「ヘイ!何か用でおますか?」
鍵:「何か用って、おぬしは何が出来るの?例えば、魔法の絨毯を出せるとか。」
桶:「いいえ。わては、魔法使いじゃありやせん。」
鍵:「そうかそれじゃつまらないな。何かできる事はないの。」
桶:「わてが出来るのは話し相手でおま。」
鍵:「それなら私には必要ないな。どうしたら元の所に戻ることができるの?」
てやんでぇ、べらぼうめ、しゃらくせいやい、とっとと失せやがれ!
桶:「いろんな風に言われやすが、だんなの前のだんなは、てやんでぇ、べらぼうめ、しゃらくせいやい、とっとと失せやがれって云ってやした。それってあっしのお気に入りでおま。」
鍵:「そんなに長いの?」
桶:「短縮バージョンは、とっと失せやがれこのやろうでおま。」
「そうか、とっとと失せやがれ。」と言おうとした時に、グーグルのアラームが鳴って目が覚めた。
短い時間だが少し眠ったらしい。もうすぐ10時、先生が訪ねてくる時間だ。ドアの内側のカギを開けて鉄格子のカギを外したら、犬の鳴き声と共に先生がやってきた。
J:「Hi! Shigeki. I’m Jam. It’s nice to meet you. It’s a beautiful day today, isn’t it.」はい、はじめまして、ジャムです。今日は良い天気ですね。と言いながら部屋の中に入ろうとした。
鍵:「Yes, it is.」はい良い天気ですね。
と言いながら部屋に招き入れながら
鍵:「It’s nice to meet you too. Watch your step.」よろしくお願いします。足元に気を付けてと、段差があることに注意を促した。
ジャムは20代後半の細身の女性で、ノンダメージの青いジーンズにスタッフTシャツを着ていて白の運動靴というラフな格好だった。
砂さんからの事前情報を受けて色眼鏡で見ているからか、一見、シンデレラのお姉さんに似ていると感じた。
眼鏡女子は嫌いではないが美人でない若い女性の黒縁眼鏡は頂けないと個人的には思う。それに何かぎすぎすした印象で、ぽっちゃり好きの私としては全く好みではないタイプだ。
砂さんからの事前情報ではジャムは母親と二人暮らしで彼氏はいないと言っていたが、ガリ勉タイプはフィリピンではモテないのだろうかなんて考えていた。
私は冷蔵庫からミネラルウオーターのペットボトルとキットカットを取り出しジャムに手渡した。
ジャムの左隣はミニキッチンで私の右隣は冷蔵庫だ。二人は長距離電車の最前列の座席の様に壁の方を向いて隣り合って座っている。
ジャムから初めに手渡されたのがテキストブックで、この本に沿ってレッスンを進めるらしい。
パラパラとめくって見ると最初が前置詞で後半部分が文法のようだ。
スタディアブロードの目的を先生に説明
しばらくの間世間話をしたあとに私はジャムに最初に準備ノートに書いてある“私のスタディアブロードの目的”を読んで貰った。
そして説明するのが難しいので互いに翻訳アプリを使いながら会話をした。
ジ:「私は8年間英語教師をしている。しかしこの様なノートを見たのは初めてです。」
鍵:「そうですか。私は先生に英語学習の目的を最初に知って貰う事が必要と思っています。」
ジ:「私のほとんどの生徒は英語の資格試験で高い点数を取ることを目的にしています。そして英語を活かして一流企業に就職する事を目標にしています。」
彼女は英語の発音にはスペルを覚える事が重要であること。そして彼女はライティングは英語のリズムと並びを覚えるうえで欠かせないと頑かたくなに主張したが、私には必要性がないとこちらも一歩も譲らなかった。
そして、ジャムも資格試験を受けることは自分の英語レベルの確認及びモチベーションの維持に絶対に必要だという自分の主張を譲らなかった。
ジャムは、砂さんの指摘通りにガンコであり、テキストに沿って授業を進める事に拘っていた。
それはともかく変な狸が住みついているなんて最悪だ!
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