バカバカしい小説に最後までお付き合いいただきありがとうございやした。
あとがき
マニラの英会話スクール落語会。
♪梅は 咲いたか 桜は まだかいな♪ スチャラカ チャンチャン。立川志の輔師匠の出囃子「梅は咲いたか」。
鍵:「えー、まいどバカバカしい噺に最後までお付き合いいただきありがとうございやした。えーと、お題は『ウクレレ抱えた還暦おやじ語学留学でマニラに行く』でございやしたがあほらしいとあきれていただけやしたか?
」
桶:「ご隠居違いまっせ。『還暦おやじのスタディアブロードWith ウクレレ』でござんす。」
鍵:「助さん。ごちゃごちゃうるさいですな。細かい事なんか気にするんじゃありません。そんなことでは、うっかり八兵衛になれませんぞ。」
桶:「ご隠居。よしておくんなせいやし。八兵衛にはなりたくござんせん。」
鍵:「この話は、令和の前の平成という年号の時の物語でございまして、ウクレレ好きの還暦過ぎのおやじが英会話も出来やしないのに、ふと、語学留学を思い立ってしまい。
よせばいいのに本当にマニラで一ヶ月間過ごしちゃったという噺でございました。
落語には、皆さんご存じよりのように、八っつぁん、熊さん、与太郎がレギュラーメンバーですが、ご隠居さんが登場する噺もいくつかあります。
この物語の主人公のおやじは、定年の3年前に早期退職して起業。
60歳から企業年金を貰いながらコンサルタントとしてどうにかこうにか食いつないできて、いよいよ老齢年金が貰えることになったことで、働かなくても暮らしていけると考え隠居して悠々自適に生きて行くことを決めます。
そして、これまで頑張ってきた自分へのご褒美にと、マニラへの一人旅を決意しました。
しかし、フィリピンをただ旅行しながら観光スポットを歩くだけではつまらないので、いっそのこと語学留学をしちゃおうとのんきに考えたわけです。
万国共通の様ですがアホな奴ほど行動力に優れているのでございます。
こういった輩は色々悩んだりしないのだから始末に負えない。
普通に考えて語学留学する方の目的は、TOEICのスコアーアップや英語を必要とする企業への就職といったことでしょ。
隠居は、ハナから英語を勉強する気のないおやじが、英語に人生を掛けている若者たちに混ざることで迷惑をかけてはならない様にと考えて、スクール形式の授業をしている学校ではなくマン・ツウ・マンで授業をしているスクールを探しだしました。
そのようなところには神経が行き届くのです。アホは!
それに一ヶ月間寝泊まりするのは語学スクールの寮であって、部屋の選択肢は、4人部屋、二人部屋に個室でしたが、隠居は若者との同部屋は避けたいからと一人部屋に決めたのでした。
しかし、その部屋には窓がなく鬼平犯科帳などの時代劇に出来てくる千両箱がぎっしり詰まっている土蔵のようなつくりでした。
そのイメージを増幅させたのが、入口の二重扉と一段下がった床でした。
今にも盗人が入口をこじあけて入ってきそうな雰囲気で、
元来怖がりな隠居は、初日から誰かに見られている感じがしてなりません。
多分その正体は悪戯好きな狸なのか?はたして妖怪なのか?こわいのでスクールに相談して部屋を替えて貰うように頼みたかったのですが、事務局の女性が魔女の宅急便のおソノさんに似の隠居の好みのタイプだったので、弱虫と思われたくないのでやせ我慢したのです。
しかし、後日その物の正体が分かったのです。それは自分の魂だったから隠居はビックリ仰天!
しかも魂と会話してみると何百年も魂家業をしていて、有名な浮世絵師の担当したことがあるというのを聞いて、俄然彼に興味を持ちました。
しかし、そんなはずはない、きっと狸に化かされているのだと思いましたが
このことはスクールのフィリピーナの先生にも、スクールで知り合った同年代の方々にも相談出来ずにいました。
類は友を呼ぶの格言通り、隠居はスクールの生徒で英語を勉強する気がない不良老人達と仲良くなり、スクール内では日本語禁止の場所もあるので、そういったところでは筆談を楽しんだり、隣に座ってLINEで会話をしていました。
そんな不良老人達4名にウクレレ初心者レッスンをしていましたが、ある日フィリピン人のウクレレグループから誘われて、マニラの高齢者施設での慰問に協力することになりウクレレ戦隊ゴレンジャーを結成。
日本人が多く入所している高齢者施設の慰問に学園祭気分で参加して大いに楽しみました。
そして、驚くことにその高齢者施設の経営者はなんと日本人でしかも有名人だったのです。
隠居は、授業のない日曜日にスクールのあるケゾンから一人でジプニーに乗ってコバオのウクレレカフェで弾き語りをする計画を実行し、危険な目にも出会ってしまいますがその都度強面のおやじに助けられます。
人波に苦労して生きてきたと思っていた隠居は、スクールで出会った高齢者たちや若者たちのスクールに参加した目的や夫々の人の生き辛さや苦悩を知ることで自分がどれほど恵まれて生きてきたのかを思い知らされました。
そして、隠居は自分自身が賞味期限切れの人間だと思っていましたが、まだまだ誰かの役に立てるのだという事を気づかされて帰国したのでした。
この小説は自分の夢を実現する為に「勝手な想像をし都合の良いように捏造するなどやりたい放題。挙句の果て誤字や脱字もあるでしょう。
そのところは、まともなおやじでないと思召して、平に平にご容赦願います。
最後になぞかけを
スタディアブロードと掛けて「時代遅れの男になりたい」と解く、その心は英語の勉強より河島英五の歌がいい。
おあとがよろしいようで!ポロン♪
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