2021年の最高の買い物は「妻の上機嫌」
妻は「家事の負担を軽くしてくれる家電」が好きだ。妻がスーパーのチラシをチェックしている時には、とても声を掛けられる雰囲気ではないが、それにもまして家電品のカタログをチェックしている時の妻の気迫は凄まじいものがある。
普段は細かい文字を読むことを嫌っているのに、拡大鏡を使ってカタログに書いてある製品の説明文の隅々まで読み込んでいるようだ。
その時ばかりは、12歳になった我が家の甘えん坊の犬も心得たもので妻にチョッカイを出そうとはしない。
妻とは連れ添って40年になる私もそういう時は、なるべく距離を置くように心がけている。
しかし、あの日は考え事をしていて、うっかり近づいた為に「お父さん!これいいわよ。30年以上使ったから我が家のビルトイン食洗器は最近調子悪いのよ!」と声を掛けられてしまった。
私が「3人の子供たちが育って家を出てしまい3人家族になったからいらないんじゃないか」という言葉を言う前に、妻から「これなら水道代も節約できるし、3人暮らしだから夕食後に食洗器に入れて、朝食の時にそこから取り出せば私も楽が出来るわ」といわれ、言いたかった言葉を飲み込むしかなく購入するハメになってしまった。
購入することが決まると妻は早速、いつもお世話になっているパナソニックのお店にお願いして、我が家の食洗器を取りはずして、新しい食洗器をキッチンに組み込む日の段取りを行い設置して貰う事になった。
工事は午前中だけで完了、今年の夏に購入したのだが最近もキッチンで料理をしながら鼻唄を歌っている。当然のことだが妻が上機嫌だと家庭は円満だ。
12月に入り妻が「電器屋さんで10万円以上買った人には、クリスマスケーキが貰えるので、毎年はチョコレートケーキじゃなくフルーツケーキにしたと」上機嫌である。
2021年に買って良かったものは、妻の機嫌だった。