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還暦おやじのスタディアブロードWith ウクレレ㉜

I'm not from around here.

  まさかフィリピン人に道を聞かれるなんて、咄嗟に「I'm not from around here. 」と答えたが伝わったかな?

 リュックを背負ってバスケットコートに向かう。今日も快晴だが気持ちは沈んでいる。

 何故かというと商店街を抜けて歩いている時に、高齢者のフィリピーナに声を掛けられた。

婦:「How can I get blah blah blah.」ブラブラにはどうやったらいけますか?

 ブラブラの部分は私には聞き取れなかったが。

鍵:「Sorry, I’m not from around here. You should ask someone else. Good luck.」すいません。私はこの土地の者ではないので。誰か違う人に訊いてください。良いことがありますように。

 と、言いながらボディランゲージでも申し訳ないという思いを伝えた。

 まさかマニラでフィリピン人に道を聞かれるとは思ってもみなかったのでビックリした。

このフレーズは友人から教えてもらって何度も練習していたが、英会話の勉強を始めてからは二度とつかわないと自分に誓ったフレーズだったので複雑な思いだった。

 しかし、いくら何でもフィリピン人の方から道を聞かれて、その方の為に私が他のフィリピン人に聞いてあげるなんて笑い話にはなるだろうけどありえない、と考えながら吹き出してしまった。

 それにしても一人で笑いながら歩いている怪しいおやじには他人は近づいてこないだろうし、親子ずれならさしずめ母親が子供にあのおじさんの近くに行ってはいけないよとたしなめるだろうと考えると、笑いをこらえられない。

公園

 そんなことを考えながら歩いて、幼稚園が併設されている教会の公園まで来てみたが昼過ぎなので親子ずれの姿はなく、生き物としてはすべり台の近くにいる野良犬とシーソーの近くにいる猫3匹、それに私の回りを飛び回っているハエと蚊達だけだ。

マニラでは猫達には気を許しても良いが野良犬には注意しないといけない。

それというものフィリピンで野犬に噛まれて狂犬病になるケースもあるとスクールから注意を受けていたし、マニラの観光ガイドでも野犬が多いので注意する様にという記事を読んでいたからだった。

その記事によると、飼い犬でも狂犬病注射を受けていないケースも多いし、放し飼いにしている飼い主も多いそうで、もし噛まれて狂犬病に感染すると1~2週間で発病しほぼ100%死亡するそうだ。

だから首輪をしていても安心できない。ましてや傍にいる犬は首輪もしていない。

体重は私の犬と同じぐらいで20キロほどありそうなので襲われたら逃げ切れないだろう。

可愛い顔をしているが用心に越したことはない。

 私は、2人乗りのブランコにまたがりウクレレと楽譜を取り出し、リュックもブランコに置いて、虫よけスプレーをリュックのポケットに手を突っ込んで取り、腕と足にスプレーした。

 小刻みに揺れるブランコのリズムを感じながら吉田拓郎の♪結婚しようよ♪を弾き語りし♪Take me home, country roads♪を8ビートで弾き語りをして楽しんだ。

 そして中島みゆきの♪地上の星♪や浜田省吾の♪悲しみは雪のように♪と、♪もう一つの土曜日♪を練習した。

 ここはとても静かだ。時折道路を歩いている人がいるだけで、午後1時を過ぎても公園にいる人間は私一人のままだ。

 日本でも感じていたことだが屋外でウクレレの弾き語りをすると気持ちがいいし、この解放感はたまらない。そうだ。明日の朝もここで練習する事にしよう。

 スマートフォンで時刻を確認すると1時30分。3時からのレッスンにはまだ時間があるので、モール内のスーパーマーケットに行ってみる事にした。

そうすれば、昨日はどうしてマンゴウは私に違うレジに並ばせたのかという疑問を解消する事が出来るはずだ。

 リュックにウクレレと楽譜を仕舞って歩き出したら公園にいた犬が私についてきた、いくらかわいい顔をしていても野良犬はやっぱり怖い。

マニラの野犬

 一定の距離を保つように目で犬を制しながら小走りで商店街までくると、何人かがその犬に声を掛けて頭を撫でながら名前を呼んでいるのでこの周辺で暮らしているのだろう。

 昨日、マンゴウに連れ行って貰った道を歩いてガードマンがいたゲートまで来ると、今日は女性のガードマンが椅子から立ち上がってゲートを開けてくれた。

 今日は英語の発音で「Thank you.」と言いながら私は頭をぶつけない様に注意しながら小さなゲートをくぐり抜けた。

 ショッピングモールの入り口に並びながら手荷物検査の為にリュックをおろして、手に持ち警備員から指示があればすぐに中を見せられるようにチャックを下げて順番を待った。

 さぁ私の番だと少し緊張したが、警備員はノーチェックで通してくれた。チェックする人としない人の見極めについて警備員に聞いてみたい衝動にかられた。

 警備員が暇そうな時に缶コーヒーでもご馳走し聞いてみる事にする。その時に使う英会話もジャムと練習するのも楽しいだろう。


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