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伊藤家の2世帯住宅取得大作戦!

1 想いが叶う家づくり

伊藤家の2世帯住宅取得大作戦

 

岩宗:「住宅ローンに縛られずに、人生をエンジョイしたい!!」という思いから土地のリースを選んだ伊藤さんに住宅取得について伺います。

伊藤さん。よろしくお願いいたします。伊藤さんの年齢と職業と家族構成を教えて頂いてもよろしいですか?

 伊藤:私は、伊藤四郎と言います。職業は中学校教師で33歳、妻、知子は小学校教師で30歳。子供は3歳の博文です。
岩宗:ありがとうございます。住宅取得を考えるきっかけは何でしたか?

伊藤:私の両親が健康の不安から「同居してくれないか?」という相談があってからです。

私としては「今のままの生活をエンジョイしたい!」が本音でした。私は賃貸派で、一生賃貸暮らしで良いと考えていましたし、ライフステージに合わせて住み替えることが合理的であると、今でも思っています。今流行りのシェアハウスといった暮らし方にも共感しています。

岩宗:伊藤さんはその考えを両親に伝えたのですか?

伊藤:いいえ。伝えませんでした。私は一人息子ですから、親と同居する日が来ることは、何時も頭の片隅にありました。今思えば、その思いが、持家よりも気軽でいられる賃貸を選ばせていたようです。

しかし、私は良いとしても、妻と親との同居について話し合ったことがありませんでした。妻に拒否された場合は、両親に断るしかないと覚悟していました。

 その時は、最近はやりの「近居」を両親にも提案しようと考えていました。ここだけの話ですが、妻に拒否される事を望んでいる自分もいました。

同じマンションに住んで、両親は分譲、我々は賃貸なんて想像もしました。家を買ってからローンに縛られて、趣味も出来なくなり、同僚との飲み会に参加できなくなった同僚を見てきましたから。

 通勤時間が2時間という先輩もいました。その時間に勉強が出来るって言っていましたね。

飲み会も先に帰ってしまうのですが、酔うと往復4時間の痛勤で、人生の半分は電車の中なんて半泣きでしたよ。

 両親との同居について、恐る恐る、妻と話をしてみると。妻から意外な答えが返ってきました「2世帯住宅っていいよね」と。続けて「あなたはどちらかと言えば賃貸派だから言い出せなかったけれど、私はず~と持家に憧れているの」と。

沢山のパンフレットと本を見せてくれて、2世帯住宅は、玄関を別々にすると気兼ねなく暮らせるとお教えてくれました。

妻が住宅展示場に行って相談しているなんて驚きでした。

 妻も交えて、両親とも話し合い2世帯住宅の検討を始めることにしました。

 

実家を3階建てに建て替えるプラン


岩宗:伊藤さん。検討するにはどのように考えましたか?

伊藤:2世帯住宅を建築する場合には、選択肢が3つありました。

1つが実家を建て替える。2つ目が実家を売って買い替える、そして3つ目が

土地を買って、実家は人に貸す。

私は、両親とも相談して全てを検証してから結論を出すことにしました。

 岩宗:伊藤さんはまずどちらの検証から始めたのですか?

伊藤:最初に検討したのは実家を建て替えるという事です。

その場合も、妻が建築について情報を多く持っていているのは、両親との話し合いの時も好都合でした。

早速、実家を建て替えた場合のプランニングを、妻のお気に入りの住宅メーカーのSH社に依頼しました。

住宅メーカーは対応が速いですね。一週間で提案書を作成して、SH社の営業の方が説明に来てくれました。

30坪の土地にビルトインガレージ付きの3階建て、外観も気に入りました。

敷地の関係で建物を建築できる大きさは決まってきますので、私の夢の書斎と妻の希望の家事スペースやパントリー(食品庫)は採用できませんが、5人で住むには充分な広さです。

 妻の希望もあり玄関は各世帯別々になっています。流石に、一流の住宅メーカーの提案は素晴らしいと両親と感心したのを覚えています。

ホームエレベーターも太陽光発電搭載というのも気に入りました。

 不満な部分は駐車スペースが一台なので、不足分の2台を近くで借りることになる点です。

父が自分の車は処分しても良いと言ってくれていますが、小学校って交通の不便な場所が多いので妻の分はどうしても必要です。

調べてみると近くに月極め駐車場を借りる事は出来そうですので問題はクリアー出来ました。

 

建て替えの資金計画

そして、住宅メーカーから見積もりを提出してもらうと。建築費は、解体工事費・屋外給排水工事費に消費税を合わせて5,000万円でした。

営業の方から「建物解体後に、地盤の測定をさせて頂きますが、調査結果によっては、基礎の補強費用が必要となります」という説明を受けましたよ。

補強費用は、幾らぐらい掛かるのかと聞いてみると「補強工事には、基礎のベース幅を広げる、地盤を改良する、杭を打つといった方法があります。杭を打つ場合は、200万円ほどかかると思います」と、説明してくれました。

 2階建ての場合は、基礎の補強工事は必要になるのかと聞いたところ、この地域なら不要と言っていましたね。3階建てだと建物の総重量が増えるので基礎の補強工事は必要になる可能性が高いと言っていました。

 5,000万円の見積もりに関しては、妻の計算とほぼ合っていたので、両親と共にビックリ!しましたよ。

 資金計画は、自己資金が両親から1,000万円と自分の自己資金300万円と合わせて、1,300万円で、借り入れとしては3,700万円。

 返済計画書によると、借入先は住宅支援機構(旧住宅金融公庫)フラット35。

返済期間は30年の全期間固定型で月々の返済は、月々11万円とボーナスでの返済は年2回17万円。営業の方の「月極め駐車場の費用は、発電した電気を電力会社に売ったお金で賄えますよ」という言葉はインパクトがありました。

 この提案なら予算内に収まりそうです。しかし、建て替えとなると、両親の往復の引っ越し代と建築中の家賃もばかにならない。両親が愛犬ソックスと仮住まいする貸家が近くにあるのか?という疑問は解消されていませんでした。 

実家を売って、新たに土地を購入して建築するプラン

岩宗:伊藤さん次に検討したのは、どちらの方法ですか?

伊藤:実家を買い替えるというのを検討しました。

最初に、土地の購入について、地域の不動産業者に聞いてみました。業者は「駐車場3台と考えると敷地面積60坪は必要となります。このあたりの土地の価格は坪60万円なので3,600万円の予算は必要です。」と。説明してくれました。

合わせて、両親の土地建物が売却できる価格を聞いてみると。「家の価格はゼロとしても1,800万円位なら買い手がありますよ」と。にこやかに話してくれました。人のよさそうな不動産業者さんで助かりました。

 建物の費用を住宅メーカーに聞いてみると「2階建て二世帯住宅ですと、外構・造園工事費など付帯工事費用を含めると概算で3,500万円(税込)の予算は必要との説明ですから土地建物で7,100万円。

その他、土地を購入する為の不動産手数料、不動産取得税、登録免許税で200万円ほど必要となります。総額で7,300万円。

実家を売却した1,800万円から不動産業者の手数料65万ほどを引くと、1,735万円が手元に残ります。

 この金額から売ったことに対する税金を引いた残りが本当の手残りですが、調べてみて税金はかからないことが分かりました。

そして、幸いなことに、実家の住宅ローンは退職金で返済済みでしたから1,735万円が手残りとなります。

 この売却可能価格を告げると、両親は「共稼ぎで一生かけて趣味も我慢してローンを返済してきて残ったのは、30坪の土地と古くなった家だけ!返済に追われて海外旅行すらしたことがない!」と嘆いていましたが、買い替えを選択する場合は、自宅を売ることを了解してくれました。

 

買い替えでの資金計画


岩宗:買い替えでの資金計画はどうなりましたか?

伊藤:自分の自己資金300万円と、実家を売った手残り1,700万円と両親の自己資金1,000万円を合わせて、3,000万円を頭金として、4,300万円を住宅ローンで組む事になります。

 30年ローンを組むと、月々の返済は月々13万円でボーナス時20万円。この程度なら夫婦で働いて、両親が元気なうちはローン返済の応援もして貰えれば大丈夫です。

しかし、心残りは全体予算を抑えるために、エコ住宅をあきらめた事です。太陽光発電搭載も見送りました。それに、長期の返済計画と将来の親の介護も考えると、2人目の子供もあきらめようと、夫婦で決めました。

建物についは、私の夢だった書斎も妻の夢だった家事コーナーも我慢。延床面積を出来るだけ削って設備も最低限として設計打ち合わせも進んでいき、良い分譲地に土地も見つかって契約出来るところまできました。

 業者から、ご実家を売るなら是非欲しいという方がいるという報告も受けました。

しかし、親に自宅の売却したお金1,700万円と老後資金の1,000万円を使わせて、夫婦の家に対する夢もあきらめての2世帯住宅の計画に、疑問は残りました。

正直な話「近居」で、同じマンションに住むことも提案しようかとも考え始めていました。

両親は家を売って、分譲マンションに買い替え、我々夫婦は同じマンションの賃貸であれば、雨にもぬれずにお互いの家を行き来でき、必要に応じて助け合うことも出来ます。

いろんなものをあきらめてまで、そのうえ多額の借入金返済に縛られて、身動き出来ない生活は受け入れたくない。そんな思いを抱えていました。

近居という選択

 ※「近居」とは、車や電車、自転車、徒歩など交通手段を問わずに、比較的気軽に行き来ができる約30分以内の近さに「親世帯」と「子世帯」が暮らす形。お互いがサポートしあい、交流を楽しめる暮らし方です。
そして、働くむすめやむすこの子育てや生き方を支えよう、というのが「育孫」。3世代のよりよい暮らしのために提案する形です。

 

新たに土地を買って、両親の自宅は賃貸するプラン

岩宗:もう一つの選択肢はどうだったのですか?

伊藤:土地を買って、実家は人に貸すという考え方ですが、実家を売らずに貸家にするという計画は、両親の自己資金が幾らになるか?いくらで貸せるか?という2点を確認する事からスタートしました。

 両親に聞いてみると、自宅を売却しない場合は、建て替えと同じで自己資金として1,000万円が限界。それ以上のお金を使ってしまうと、自分達の老後資金が心配だから出すことが出来ない。という返事でした。

 資金計画の前に、貸家にした場合の賃料を不動産業者に聞いてみると「10万円位で貸せますが、リフォーム費用が掛かることと、入居者が途中で入らなくなる場合や賃料不払いなどの不安を理解したうえで、決めた方がいいですよ」。という説明を受け。リスクはとりたくないという両親の判断で、建て替えと買い替えで結論を出すことにしました。

しかし、私の「これで本当にいいのか?」という想いは、強くなっていました。

妻に話をしてみると「私も、返済計画など現実を知ってみると、プランも我慢ばかりだし疑問を感じている」と言っていました。

妻は、友人から「家を買って貰いなさよ」と助言を受けているそうです。理由を聞いてみると、妻の友人のご主人は、賃貸派で家を買うことなく他界。

 今後は「私が家賃を払い続けなくてはならない」し、高齢になった場合は、アパートに入るのも難しくなるからと、1LDKの分譲マンションを友人は探しているのだそうです。

「主人が生前に買っていれば、ローンの借り入れは、主人の死亡でゼロになり、家賃の心配も不要。どうしてもお金がいるときは売ることも出来たのに」。と言って、「あなたは家を買って貰いなさいよ」と、友人は強く言うのだそうです。

 なるほど。と、納得しました。妻は「奥様方の本音でしょうね」と言っていましたが、生命保険でカバーする方が有利と自分の考えを話してくれました。

そして、「あなたが納得いかないなら無理して、家を持つ必要はない」と、言ってくれた言葉は嬉しかったです。

 

同じマンションの別のフロアで暮らす

岩宗:それからどうされたのですか?

伊藤:実は、もう一つの選択肢について検討することにしました。

それは、「近居」という選択です。考えてみれば両親の望みは、一緒に暮らす事ではなくて、近くに住んで貰って安心したいという事でした。私達は、両親に思い切って、自分たちの想いをぶつけてみました。

 両親に話した内容は、建て替え計画も買い替え計画にも納得できない。そして、多額のローンを長期返済することになるなら家はいらない。という2点です。

 

「近居」について検討してみたいと告げると。

両親は、「お前の気がすむまで検討した方が良い」と、しぶしぶですが納得てくれました。

岩宗:ご両親はよく納得してくれましたね。近居に対して、ご両親の希望はお聞きしたのですか?

伊藤:はい。両親の条件は、夫々の家が歩いて5分までで、子供が一人で行き来しても安全な地域であることの2点でした。

 

私が考える「近居」の選択肢は、3つでした。

①実家を売って、我々の賃貸マンションの近くに分譲マンションを買う。

②実家を売って、我々と同じマンションに両親も部屋を借りる。

③実家を売らずに、我々と同じマンションに部屋を借りて、実家は貸す。

両親に3つの選択肢から選んで貰って、実家を売ってマンションを買う方向に決まりました。

岩宗:それで、物件は見つかったのですか?

伊藤:子供の安全を考慮すると、同じマンションに住むことがベストだと考えて、分譲マンションで賃貸部分もあるマンションを探してみました。

1LDKならば、予算内なのですが、両親は「最低でも70㎡で2LDK。それぐらいでないと今の家具も収まらない」と、言って首を縦に振りません。

 我々にとって都合のよい、駅徒歩圏の新築マンションは4,000万円台になってしまうので、新築はあきらめて中古マンションを探すことにしたのです。

 自宅の売却で手にできる1,700万円と自己資金の1,000万円で融資を組まずに買うことが出来る中古マンションの物件は、新築マンションを見た後では見劣りしてしまいますね。

価格も間取りも気に入って、リフォームの見積もりをお願いしたら予算オーバーで、購入をあきらめた事もありました。

 結局マンションを買って近居するという計画も断念しました。

 

実家の近くにアパートを借りる

岩宗:完全に振り出しに戻ったのですか?

伊藤:はい。両親は「我々は、家をバリアフリーにリフォームするので、お前たちは近くに引っ越してきてくれないか?」と、言ってくれました。

実家は、駅までバス便ですから、同じ地域にはファミリー向けアパートが沢山ありますから、物件探しは簡単そうです。

 不便な地域ですので、家賃も駐車料金も駅徒歩圏と比べると、割安で経済的には助かるのですが、通勤時間が長くなるのが問題でした。

私も妻も30分ぐらいは、今よりも余計にかかることを覚悟しなければなりません。

現在の住まいは、駅徒歩圏で何をするにも便利なのです。

それが、駅からバス便になるわけです。実家の建て替えで持家なら納得できますが。

不便な場所の賃貸アパートに引っ越すとなると、即決は出来ませんでした。

 

土地のリースって何?

 岩宗:どうすることになったのですか?

伊藤:このチラシに出会わなければ、実家の近くにアパートを借りていたでしょうね。

実は、休日の朝の新聞折り込みで「土地のリースで家を建てませんか?」というこのチラシを目にしました。土地のリースって何?という疑問を感じながら私達夫婦は説明会に参加しました。

 業者さんに聞いてみると、土地のリースとは、50年間土地を借りて家を建てるという事。地代は払い続けるが自分の物にはならない。という説明を聞き、参加者の多くは、所有権でなければ興味ないと、会場を後にしました。

しかし、私達夫婦は、引き続き残って話を聞くことにしたのです。

土地の面積は70坪で建物はフリープラン。保証金600万円と月々地代3万円。

土地の場所は、購入予定だった分譲地と同じ地域で、場所としては問題ありませんでした。

保証金についても説明を受け、アパートを借りる時の敷金と同じという事で納得できましたし、土地をリース出来る期間が終了したら家を壊して土地を返すのがルール。と、いう業者の説明も合理的だと感じましたね。

融資は、住宅支援機構(旧住宅金融公庫)のフラット35を借りることが出来るという事。フラット35については、全期間固定型、低金利、ローンを借りる時の保証料なども不要と、借りる側のメリットについて既に学習済みでしたので、好感が持てました。

 そして、途中で建物とリース期間の残りの期間を売る事も出来る事。建物を貸すことも可能と聞いて、益々、安心できたのです。

決め手は「期間内解約フリー」。50年の期間内は、建物を壊して更地にして土地を地主さんに返せば、リース契約を解除できるというものです。

勿論、その後の地代は支払う必要がなくなるという事でした。

50年というと長い期間となりますから、家が不要になることも考えられます。家を使ってないのに地代だけを払い続けるといった負担を、子供たちに掛けたくないという思いもあります。

 そして、自分たちが高齢になって施設に入所した場合も考えておく必要があります。

家を使う必要がなくなったら、解体してリース契約を解除が出来るオプションは、我々の不安に充分答えてくれました。それに、リース契約を解除すると、前述の保証金600万円が返して貰えることになることも魅力と感じました。

 チョット残った不安は、建物を地元の菊地工務店で建てなければならないという条件が付いていたことでした。建築コストがバカ高いとか? アフターサービスもないなんて事も心配しました。

住宅メーカー好きの妻は、特に心配していました。

 ※土地のリースで契約する場合は一般定期借地権設定契約です。

一般定期借地権とは

一般定期借地権は、平成4年8月1日に新しい借地借家法が施行され誕生しました。「貸した土地が必ず戻り、期間満了時の立退料も必要なくなり、地主が安心して土地を貸すことができる」という事で、注目をされ、多くの活用がされています。

このことを実現するために、法律は次の3つの特約を認めました。

①  契約の更新がない

 一般定期借地権は、旧法借地と違い契約の更新は一切なく、確実に契約関係が終了します。

②  建替による借地期間の延長がない

 旧法借地では、借地人が契約期間の途中で建物を建替えた場合、借地期間が建替えた時点から再度リセットされて契約期間が伸びてしまうという問題がありましたが、一般定期借地権は、契約期間中に建替えがあっても当初定めた契約期間が満了すれば土地が返ってくることとなりました。

③  借地人が建物の買い取を地主に請求する事が出来なくなりました

 旧法借地では、契約期間満了で土地を返す条件として、借地人が保有していた建物を地主に買い取ることを請求できましたが、一般定期借地権では建物の買い取を請求することができなくなりました。基本のルールは、借地人が建物を収去し土地を原状回復して返還することになります。

 

土地のリース契約 (一般定期借地権)

存続期間

利用目的

契約方法

借地関係の終了

契約終了時の建物

50年以上

用途制限なし

公正証書等の書面で行う

期間満了による

原則として借地人は建物を取り壊して土地を返還する

東京都が地主の土地のリース

東京都が所有する土地を72年で借りて、住友不動産が山手線品川駅近くに828戸の定期借地マンションを分譲しました。「シティタワー品川」は、抽選による販売で最高倍率378倍、平均17.6倍と大人気となりました。

同じく東京都の所有地、武蔵村山市駅徒歩圏の土地を「むさしのiタウン・四季の街」として280区画を70年で貸し付けました。

※フラット35とは

フラット35は、民間金融機関と住宅金融支援機構が提携して提供している長期固定金利住宅ローン。

融資条件 建築費用100%融資も可能

保証金の融資も可能(取扱い金融機関で、融資が可能なのは、SBIモーゲージと全宅住宅ローン) 

 

フラット35の特徴
最長35年の長期固定金利住宅ローン

資金のお受け取り時にご返済終了までのお借入金利、ご返済額が確定。

保証料はかかりません。

保証人も必要ありません。
繰上げ返済手数料は不要。

 土地の予算を建物にかけ

夫婦の夢を詰め込みました

岩宗:その後はどのように打ち合わせが進んだのですか?

伊藤:プランニングを菊地工務店に依頼しました。

プランニングには、妻のお気に入りのSH社のプランを基にして、夫婦の夢を詰め込んでもらいました。

白い部分が親世帯                  色付きが若夫婦

二世帯住宅プラン

 

土地を買わない分、最高に満足できる建物にしようという考え方です。

建物は長期優良住宅の認定を受ける事。そして、設備もプランも一切妥協なしです。オール電化で太陽光発電搭載、エコキュート、アイランドキッチン、妻のパントリー(食品庫)と家事室。私の書斎には、パソコンデスクと備え付け本棚。と。打ち合わせを重ねるごとに、SH社のプランとは全く違ってしまいました。勿論、床暖房にウオークインクロゼットも採用しました。

それに、屋根付きカーポートにウッドデッキ。

 そして、補助金や給付金も最大限利用することで、資金計画も作成して貰うことになりました。

菊地工務店の営業の菊地さんが「手続きは面倒ですが、私がお手伝いしますので、使える補助金や給付金は全部使いましょう」と言ってくれた言葉は頼もしかったです。

 書斎は、自分だけの空間で、外出する時も片付ける必要もない。帰宅すればすぐに続きが行えるのです。

趣味のゴルフの練習マットも床に引いたままにしておきたいです。

パットの名手になれるかもしれません。

夢は膨らんでゆきました。

 計画を実行に移すための最大の難関は、両親の説得でした。

 岩宗:そうですよね。土地のリースは借地権です。年配者の中には、借地は地主と借地人が争っているというマイナスのイメージを持っている方もいます。そういう方に、土地のリースで家を建てたユーザーと地主さんは仲が良いですよ。と、お話しても信じてもらえない場合が多いです。

伊藤:両親に分かって貰うまで、頑張りぬくと決意しました。

合理的な考え方をする父は、説明すれば分かってくれるけど、母の説得には時間がかかるだろうと考えていました。

 

まず、工事見積もりについてですが補助金と給付金を全て利用した場合に、我が家で用意する予算は3,300万円(税込)。

見積もりには、付帯設備も入っているのです。私の率直な感想は、「安いけど大丈夫か?」でした。

希望を沢山盛り込みましたので建物の床面積は50坪。

妻の予想では4,000万円でしたので、3,300万円の見積もりには驚きましたよ。

「安いけど大丈夫か?」と。後で聞いたら、妻も同じことを心でつぶやいたそうです。

 

総予算は、土地のリースの保証金600万円と建築費用あわせて3,900万円。自己資金は、私の300万円と実家を売った手残りの1,700万円。ローンは1,900万円で済むことになりましたので、当初両親が自己資金として予定していた1,000万円は老後資金や生活を楽しむ費用に充ててもらうことにして、資金計画をたてました。

 

前述のフラット35の全期間固定で計算してもらうと30年返済で月々7万円。ボーナス返済はなし。

ボーナス時期に、地代を半年払いで支払います。3万円×6カ月で18万円です。

所有権ですと土地の固定資産税が必要ですが、土地のリースですと土地の固定資産税は地主さんが支払ってくれます。

 

※「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」(2009年(平成21年)6月4日施行)は、住宅を長期にわたり使用することにより、住宅の解体や除却に伴う廃棄物の排出を抑制し、環境への負荷を低減するとともに、建替えに係る費用の削減によって国民の住宅に対する負担を軽減し、より豊かで、より優しい暮らしへの転換を図ることを目的としています。

 

長期優良住宅に必要な条件

·        耐震性 地震に強く、倒壊しにくい安心の家

·        耐久性能(劣化対策)構造や骨組みのしっかりした長く住める家

·        維持管理?更新の容易性 メンテナンスの容易な家

·        住戸面積 必要な広さが確保された、暮らしやすい家

·        省エネルギー性 地球にやさしく、家計にもやさしい家

·        居住環境 地域のまちなみと調和した家

·        維持保全(維持保全管理、住宅履歴情報の整備)「住まいの履歴書」付きの、長く快適に住み続けられる家

 

※長期優良住宅のメリット

1住宅ローン減税の拡充                        2投資減税型の特別控除 借り入れがない場合でも所得税控除
3登録免許税・不動産取得税・固定資産税の軽減

詳しくは、国土交通省のHPhttp://www.mlit.go.jp/common/001034544.pdfからご確認ください。

フラット35S(住宅ローン金利優遇)

【フラット35】S(優良住宅取得支援制度)とは、【フラット35】申込者が、省エネルギー性、耐震などの要件を満たす住宅を取得する際に、【フラット35】の借入金利の優遇を受けられる制度です。

フラット35の最新情報はhttps://www.sbim.jp/からご確認ください。

両親の反対!横山さんとの出逢い。

 父親が土地のリースを理解してくれるか?不安でしたが、案の定「所有権でないと財産価値がない」。母親も「あなたに何かあったら、家族はどうするのよ」と。

厳しい口調で言われましたが、これぐらいであきらめるわけにはいきません。

 営業の菊地さんに相談したら、ご両親に横山さんに会ってもらうのが一番です。と、いって、土地のリースで家を建てた横山さんを紹介してくれました。

早速、両親とお邪魔すると、横山さんは家庭菜園で作業中。

家庭菜園

我々が「こんにちは。

伊藤です。今日はよろしく願いします」と、ご挨拶をすると、手を休めて麦わら帽子をとって「こんにちは。横山です。こちらこそよろしく!」と笑顔で挨拶を返していただきました。

そして、ウッドデッキで2時間ほどお話をお伺いしました。

 伊藤:土地のリースで家を建てようと検討している伊藤です。両親と妻と息子の家族全員でお邪魔しました。今日は、よろしくお願いいたします。

それから菊地さんから、私は伺えませんがよろしくとの事でした。

 横山:そうですか。菊地君がいないなら、菊地工務店の工事についてもはっきり言っちゃいますよ。何でも聞いてください。

それに、妻もおりますので、我が家自慢の野菜を食べていってください。

伊藤:横山さん。早速お聞きしたいのですが、土地のリースで家を建てるという事に抵抗はなかったですか?

横山:それは、抵抗がありましたよ。この制度が始まったばかりでしたし、我が家は娘2人でしたから、先々のことも考えて悩みましたよ。

伊藤:現在はどのように考えていますか?

横山:大満足!

最初は、娘たちに土地という財産を残してあげたい。そういった思いは強かったですから、財産価値のない土地のリースを選択することには抵抗がありました。

しかし、色々悩んでいるときに、娘たちから「私たちに、資産を残さなくていいよ。その分夫婦で人生を楽しんでね」と、言われてすっきりしました。

 

土地を買ったつもり資金で人生を楽しむ

 

人生を楽しむ為にお金を使う。土地は買わない。そう決めた時から急に人生が楽しくなりました。

 早速、土地のリースで家を建てました。長年マンション暮らしでしたから、庭付き一戸建てに引っ越した夜は嬉しくて眠れませんでしたよ。

土地は70坪ですが、夢だった家庭菜園を造ることが出来ました。20年越しの夢でしたから本当にうれしかったです。

地主さんから、もともと畑だったから土は肥えていると聞いていましたが。確かに土を掘るとミミズがいっぱい出てきて本当にうれしくなりました。

 野菜作りは、市民農園を借りて10年ほど経験してきましたから引っ越してからすぐに家庭菜園を始めました。収穫したものは娘に届けています。孫は沢山食べて「おじいちゃんの畑の野菜は何でも美味しくて、なんでも食べられる」と、言ってくれます。うれしくなっちゃいます。今、孫のためにスイカも造っています。

この暮らしは、土地のリースで家を建てたから実現できたと満足しています。

伊藤:横山さん。2世帯住宅は検討しなかったんですか?

横山:2世帯住宅は、検討しませんでした。我が家の間取りは、老人同居型にしてあるんです。

82歳の義母が一人暮らしをしていますので、早めに、一緒に住みたいと考えています。

義母も家を売る準備をしてくれているので、もうすぐ我が家も二人暮らしから一人と1匹増えて、3人と1匹での生活になります。

伊藤:土地のリースで家を建てた事について、娘さんは何と言っていますか?

横山:土地を買ったつもり資金で、娘家族との旅行を楽しんでいます。二人の娘とも良い選択をしたと言ってくれます。

チャッカリ屋の次女は、土地を残してくれるより、お金の方が嬉しい。それよりもうれしいのは沢山の両親との思い出。なんて、上手いことをいいます。

その後、何を言うかと思ったら「お父さん、お母さん。この次はグアムね」って、隣で娘のだんなも申し訳なさそうに笑っています。その姿をみてみんなで大笑い。

そんなわけで土地のリースには、娘たちも大満足です。

 伊藤:大変失礼な質問で申し訳ないのですが、奥様は、ご主人にもしもの事があった時のことを心配されませんでしたか?

横山妻:心配しましたよ。主人に、もしものことがあると、遺族年金で地代の支払いをすることになりますから。

一年で3万円×12カ月=36万円。10年で360万円。

それでも、その分は保険で対応すればよいと気軽に考えることにしたのです。

土地のリースの場合は、中古で買う人がいるかしら。という疑問も頭に浮かびましたが、売ることが出来なければ、家を壊して地主さんに土地を返せばいいと考えたのです。

それよりも、主人が住宅ローンに縛られて、趣味も出来ないという方が私は嫌でした。

土地のリースで家を建てる事で、実現した、笑いの絶えない楽しい生活に満足しています。

 

父親の夢を知って母はビックリ!


横山:伊藤さんのご両親は、土地のリースについて、どのように思われていますか?

伊藤父:横山さんが考えられたように、我々夫婦も同じように土地を財産として息子に残してあげたい。その為に力を合わせて、ローンを返していくことは当たり前だという考えでした。

しかし、今日の横山さんのお話をお聞きして、息子夫婦が考えていることが理解できました。

私は家庭菜園で野菜を育ててみたいという夢を持っていますが、妻にも話したことがありませんでした。

それは、実現不可能だと思っていたからですが、土地のリースなら実現できるかもしれないと、今、ワクワクしています。

伊藤母:私もすっきりしました。土地を買わずに人生を楽しむっていいですね。残念ながら私は、これといった趣味はありませんが、これから探して行きたいです。それにしても、主人の夢が家庭菜園だったなんて初耳でした。土地のリースで主人の夢を叶えて貰います。

横山:お母様もこれからは人生を楽しむって決めてください。

土地という財産を残してあげなくてはという呪縛から解放されると、子供の頃やりたかった夢を思い出すこともあります。

 

良い工務店の見分け方

皆さんがよろしければ、我が家のリビングで、基礎工事や構造などを写真でご説明しますよ。

それを見ると菊地工務店の建築工事の内容が一目瞭然です。

 

伊藤:リビングは天井が高くて気持ちがいいですね。どれぐらいの高さがあるのですか?

横山:たぶん4メーターぐらいだとおもいます。古民家風にして貰ったので、気に入っています。天井を高くすると、冬は寒いと言われていますが、この建物は暖かいです。サッシも大きくしましたが断熱性能が高いのと電動シャッターを採用したので、寒い朝もサッシを開け閉めしないので助かっています。

夏は涼しくて快適です。

 菊地工務店は、大変評判も良いですよ。我が家の建築に関する写真集です。ご覧ください。

 菊地工務店の評判が良いのは、紹介客の工事しか請け負わない。特別の場合しか紹介客以外の工事はしないし、折込みチラシなどもしない。

そして、とにかく建築したお客を大事にする。相談するとすぐにやってくれる。例えば網戸が破れたといった事でも対応してくれる。

餅つきイベントなども招待してくれますので、客同士も知り合いになります。

そして、あの会社はとても変な会社なんです。伊藤さんは、菊地君のことを営業と思っているようですが、彼は営業ではなくて監督です。

そして、驚いたことにあの会社には、営業は一人もいません。

社長の信念は、仕事は頭を下げて貰うものじゃない。良い工事をすれば仕事は向こうからやってくる。なんです。

 文句がある時は、社長に直に言えるのも良いですが、1つ注意しないといけないのは、客が菊地工務店の営業マンにされてしまうことです。私はとっくにそうなっているかもしれませんが。

 我が家の工事中に、何度も友人の一級建築士が現場を見に来てくれましたが、工事をほめていました。

そして、素晴らしいと絶賛していたのが、職人さん達が暑い日でもヘルメットをかぶっている事。挨拶が出来ている事。と、現場の美化でした。工事中の近隣への配慮として、工事している職人さんのプロフィールと写真が掲載されている。前面道路の清掃が行き届いている。たばこを吸う場所がない。ラジオなどの音がしない静かな現場。現場を見れば、社長の方針が分かるそうです。この会社なら大丈夫と太鼓判を押していました。

 伊藤:横山さん、ありがとうございました。見積もりが安いので、工事の内容とアフターサービスが心配でしたが、写真を見せていただいて工事の内容も安心できました。

土地のリースについて両親も納得できたようです。

 私が、横山さんから受け取ったメッセージは「土地の取得に縛られずに人生をエンジョイする!」でしたがよろしいですか?

そこで、1つお願いがあります。それは父の夢が家庭菜園ということなので、指導していただけますか?

横山:あっはっはっは。指導料は高くつきますがよろしいですか?

伊藤父:よろしくお願いいたします。

伊藤:手作り野菜も沢山いただき、笑顔で手を振る横山さんご夫婦に見送られながら。すっきりした気分で帰宅した事は今でも両親と妻とで話題になります。

地主さんとのリース契約

岩宗:その後どの様に計画は進みましたか?

伊藤:実家の売却を菊地工務店さんに依頼しましたが、査定を依頼した不動産業者も菊地工務店のネットワークと知って、安心しました。

住宅ローンを申し込んで、補助金や給付金を申し込んでといったことですが、私たちは、印鑑登録証明書など指示された書類を渡すだけですから、実際のところ、任せっきりで分かりませんでしたね。

 土地を貸してくれる地主さんと初めてお会いしたのは、リース契約の時です。

その時初めて知ったのですが土地のリース契約は「一般定期借地権設定契約」というのだそうです。

 菊地工務店は、沢山の資料を作って宅地建物取引主任者の菊地さんが説明してくれました。一般定期借地権設定契約書・重要事項説明書など2時間位掛かり、聞いているだけでも大変でした。この契約に対する手数料を聞いてビックリ!

今回は、地主さん負担でしたが「1か月分の地代」と法律で決まっているのだそうですから、3万円です。これだから、どんなに良い制度でも普及しないのでしょうね。

 こんな報酬では、不動産業者は力を入れないですから、建物を受注できる工務店さんに頑張って貰わないと、土地のリースは普及が進まないはずだと感じました。

 2度目に地主さんに会ったのは、公証人役場でした。

契約期間が50年と長いので契約書を公正証書にする為です。

 公証人の方が契約条項を読んで説明してくれます。

重要な部分は、地主さんに預けた保証金は、地主さんの土地に抵当権を設定。地主さんに土地を借りていますが、お金を貸しているといった50対50の関係だという事です。

そして、地主さんの土地に一般定期借地権という登記をすることになります。契約期間も賃料も借主名も登記されるのです。

土地のリースですが、車庫証明に地主の承諾書が要らないという説明も腑に落ちました。

期間内解約自由という条項も説明していただきました。

地代の改定も計算式に基づいて、必要な数値を入れるだけで3年ごとに自動改定するというのも、わかりやすくって気に入りました。その数値ですが「消費者物価指数」と「固定資産税の変動分」となっていました。

 私は、仕事柄消費者物価指数が殆ど変動しないという知識はありましたので、好意的に受け止めることが出来ました。

土地の固定資産税の支払いは、地主さんですから土地の保有コストが上がればその分を負担するというのは合理的ですね。

 そして、強制執行認諾という聞きなれない言葉の説明をうけましたが、こちらが地代を払わないときと地主さんが保証金を返してくれないときは、法的な手続きにスムーズに移行させる為の条項だそうです。

非常にバランスの取れた契約内容に安心しました。

しかし、地主さんとお会いしてみて地主さんは、土地をリースすることでメリットがあるのか気になりだしました。

 

父が大変身!!


岩宗:最終プランニングは、どうなりましたか?

伊藤:定年退職した父は使用頻度の少ない割に維持費が高い車を処分する決断をして、父の夢だった家庭菜園と花の好きな母の為に花壇も造りました。

父は、土いじりを通して、健康も手に入れることが出来たと喜んでいます。

サラリーマン時代の父は、スーツ姿で真っ白な顔、腰痛を抱えて、腰をかばいながら傾いて歩いているという記憶でした。

事務職でしたので、パソコンは教えてくれましたが、どちらかと言えば父は暗い印象でした。

それが、今では、真っ黒に日焼けして、麦わら帽子と首に巻いたタオルがトレードマークで、シャキッと姿勢よく大股で歩いています。

父に聞いてみると、毎日体を動かしているので、腰痛は治ったそうで、最近は農家と間違われたと言って喜んでいます。

体が元気だから朝晩の愛犬ソックスとの散歩も楽しそうです。

そして、ソックスも素敵な庭に満足しています。

父の家庭菜園は家族に大人気で、息子も時々手伝っています。

妻は、新鮮な無農薬野菜は家族の健康に良いし、家計にも優しいって本当に満足しています。

そして、驚いたことに、オール電化と太陽光発電の売電分で、地代が払えてしまう!!という事実が、妻の計算で分かったのです。

 これも、リビングのHEMSというモニターで、何時でも電気の使用量や売電量をリアルタイムで見ることが出来る事で、家族の節電意識が高まった成果です。

しかし、天気の良い日は、妻から外出命令が出るのは勘弁してほしいです。

 妻は、売電しているデーターがモニターに映っているのを見るのが大好きなんです。

月末に、電力会社から振り込まれた売電金額を通帳で見る時の妻の目は、怖いぐらいです。冗談ですけど。

岩宗:外出命令って、楽しいですね。お父様は、横山さんに弟子入りしたのですか?

伊藤:そうなんです。 その後、本当に横山さんを師として、父は、家庭菜園の指導をして貰っています。指導料は、缶ビール2本だそうで、作業が終わると二人で美味しそうに飲んでいます。

そして、大師匠は地主さんで、二人で地主さんの畑を手伝うこともあるのです。

父は仕事でパソコンを使用していましたので、パソコンを横山さんに教えるときの缶ビールは、横山さん持ちだそうです。

 家庭菜園仲間もパソコン仲間も増えてきて、皆さんで旅行に行くときは母もご一緒させていただいています。地主さん夫婦も旅行に家庭菜園の大師匠として参加しています。

仲間の人たちは、人生経験が豊富。各々が得意分野を持っているそうで、英会話の先生は、海外勤務経験のある佐藤さん。孫を上手に取る写真の先生は、佐々木さん。と、皆で教えあっているそうです。

 やっぱり授業料は、缶ビールだそうだから面白いですね。

 最近、料理を教えてくれる先生が、土地のリースで家を建てたそうですから、その内父の手料理を食べられる日が来るかもしれません。

 皆で、楽器が出来る人で土地のリースで家を建てる人を探そうなんて、真顔で話しているというから笑っちゃいます。

 菊地さんに「伊藤さんも家に満足したら、お宅に、お客さんを案内させてください」と言われて、家が出来あたら何時でもどうぞ。と、約束してしまいました。

横山さんに注意されたのに、今ではすっかり、土地のリースと建築してくれた菊地工務店さんの営業活動を応援しています。

 妻も私も教員ですので、教え子の子供たちが家に訪ねてきますが、エコ住宅と家庭菜園の説明を父から聞くことによって、とても良い社会勉強をさせることが出来ています。

 家が出来てからすぐ、父が私とシェアするといってエコカーを購入しました。プラグインというタイプですので、家で充電が出来る事と長期停電の時は、車の電気で家に電気を送ることが出来るのです。

父が車を運転する事はありませんので実質的には私の車です。父は照れくさくて、車を買ってやるとは言えなかったようですが。

最高の形で二世帯住宅を手に入れることが出来た事への、父からのご褒美と考えてありがたく使っています。

 

家を建てたのに、海外旅行するってありえない!

 

岩宗:土地のリースで家を建てた事で何かが変わりましたか?

伊藤:両親は、手元に残せたお金で家族全員を初めての海外旅行に連れて行ってくれました。友人から「家を建てたのに、海外旅行するって、ありえない」って驚かれました。

勿論、土地のリース以外を選択していたら、家族で海外旅行なんてありえないですよ。

両親は、自己資金として使うはずだった1,000万円を「土地を買ったつもり資金」として、家族の為に使うと言っています。

どっかで聞いた気がしますが、横山さんの受け売りですね。

海外旅行に一緒に出掛けたことで、家族の絆が深まったことは言うまでもありません。

特にうれしいのは、両親と妻との距離が近くなったことです。

 家族旅行の時は、天候にも恵まれ、何を食べても美味しいので大満足。親日家が多く日本語も通じるので行く先々で楽しく過ごすことが出来ました。

宮崎駿監督が訪れたというレストランでの食事は、大変美味しかったです。千と千尋の神隠しの場面を話題にしながら家族での会話も弾みました。食べ過ぎましたが豚にならなくてよかったです。  

おかげですっかり家族全員、台湾ファンになってしまいました。

 

近居で両親と「安心」と「便利」をシェア!

 岩宗:土地のリースで家を建ててから変化はありましたか?

伊藤:この返済計画なら2人目の子供も可能と妻と話しています。

女の子の孫も欲しいと、両親が期待してくれていますが、我々夫婦は、どちらでも良いと考えています。

 工務店さんの提案で玄関が2つある完全分離型の二世帯住宅としたので、必要な時だけお互いに接点を持つことが出来ています。

 「近居といって、スープの冷めない抜群の距離感覚」が気に入っています。

子供の急な発熱で保育園を休むことになる場合も、同居する前は、妻が休むとか預け先を探すなど大変でしたが、今では、両親に預かってもらっています。

病院にも連れて行ってもらえるので助かっています。

母が友達とランチの時は、父の昼食は我々と一緒です。

我々の帰宅が遅くなるときは、子供の食事と入浴も頼んでいます。

 食事も月に何回かですが、お互いの家で楽しく食べています。チョットした外食気分を味わいながら、つもり貯金で次の家族旅行をすることが両親との目標となっています。妻と母は、次の旅行計画を密かに練っているらしいと、父からの情報が入っていますが、私は知らないふりです。

 妻が休みの日に、母親とスーパーのチラシをみて作戦会議をしているところを見ると、本当にうれしいです。

完全2世帯のプランですから、親の住宅部分が不要となれば、賃貸として貸すことも可能となっていてバッチリです。

岩宗:50年間地代を払っても土地は自分の物にはならず、最終的には建物を解体して更地にして地主さんに返さなくてはならない。その部分は、大変なデメリットですが、その分人生を豊かに出来たとおっしゃる、伊藤さんの話をお聴きして、土地のリースを推進してきて良かったと、こちらも満足感一杯で伊藤家を後にしました。

 

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