未だにROCKとは何なのかがわからない。
過去を振り返る事が苦手である。
だからよく忘れてしまう。
老い先も短くなってきた気がするし、突然独りで死ぬ前にここに残しておく。
私が音楽に目覚め始めたのはたぶん、家族旅行の車中で流れていた歌謡曲だと思う。
チェッカーズ、TMネットワーク、光GENJI。
当時ではありふれたものだった気がする。
小学校高学年になると6歳上の兄のCDや、今は亡きレンタルCD屋にて借りたものをテープにダビングし繰り返し聴く様になる。
今じゃ考えられない事だけど、音楽は当然の様に有料コンテンツであり課金制の嗜好品であった。
中学に上がる頃にギターが欲しくなった。
B'zの影響だ。
笑うんじゃない。
本当だ。
しかし買う金はない。
学校の音楽室にギターがある、と友達から聞いて、先生に相談をした。
放課後で音楽室なら弾いてもいい。
胸が躍った。
これでオレもロックスターに。
鍵付きのガラスケースを開け、先生がオレに手渡した。
時代の幕開けだ。
あのディストーションが効きまくったブリブリなサウンドを、やっと自らの手で鳴らせるのか・・・
ぽろん
ポロ、ポロ
ガットギターだった。
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