[タイ旅行記②]バンコク〜メーホンソン
22/11/2
北バスターミナルからメーホンソンへ
三半規管や自律神経がくたばっている俺は朝に軽くお菓子を食べて夕方からの長距離ドライブに備える為、ほぼ飲まず食わずでやりすごした。
時間が近づいたのでバス乗り場へ向かい、そこでパンを1つだけ食べ酔い止めの薬を飲みあとはひたすら耐えるだけだ。
座席は1番後ろしか空いてなく仕方なくそこを予約したが、いざ乗ってみると壁ギリギリまでシートを倒す事が出来て快適だ。、
道中、隣に座っていたタイ人の若者に話しかけられたが上手く答えれなく二言ほど交わしただけで終わってしまった。
彼にはステレオタイプの消極的な日本人と思われたことだろう…。
どんどん北上し田舎を走る。
完全に日は落ちて窓から見える風景は真っ暗な高速道路だけで、街灯すら無く明かりといえばこのバスと極稀にすれ違う車のライトだけだった。
なんだか異世界に行ってるみたいでとてもワクワクしていた。
(もう一度言っておくが俺は海外はもちろん国内でさえ旅行経験はない。東京へ2泊3日だけ、commonやbiz markieというラッパーのライブを観に行っただけだ。あとは修学旅行しかない。)
山道に入り揺れに起こされては寝てを繰り返したまに休憩があり、また走り続け気付くと空は少しだけ明るくなっていて霧深い山の中に突如出てくる集落や物凄い田舎な風景に感動した。腹痛や酔うこともなくようやく朝方「メーホンソン」へ辿り着いた。
ここはタイ北部の西側、ミャンマーの国境下にある町だ。
11/3
メーホンソン着地!
ここに来た理由はこの旅の1番の目的であるヒッピーの聖地「パーイ」への通過地点で途中休憩の為に2日滞在する予定。
(メーホンソンとパーイまでの道のりは、戦時中日本軍が無理矢理山を切り開き作った道らしくとてつもなく急カーブが連続していて4時間近くかかる。)
降ろされたバスターミナルでパーイ行きのミニバンを予約する為カウンターに向かうがここでも少し手間取ってしまった。
「2日後にパーイへ行きたい!」
こちらの言いたい事は何とか伝わるがリスニングスキルが無いので何を言われてるのかまるでわからない。
軽くヒソヒソ話で、
「何だこの変なジャパニーズは」みたいなことをカウンターの女性2人に言われてたがそれに怯まず、ボディランゲージとアプリを駆使しようやく予約することが出来た。
ずっと向こうから尋ねられてたのは「何時出発のバンに乗りたいの?」という簡単な事だった。
値段は150〜200バーツくらいでとても安い。(600円〜800円くらい)
強烈な腹痛
ほっとするのも束の間、緊張から解放され「おい!?嘘だろ?!」と言わんばかりの腹痛に襲われた。
タイでトイレをかりる事は難しいが一応ここはバスターミナル。
外の端っこのほうに多目的トイレがあったので一目散に駆け込むも虫の死骸やゴミなどが散乱し「トレインスポッティングにでてくる公衆便所か?!」(ユアン・マクレガーにpeace)と発狂しそうになった。
俺のshitをここにbombするのはとりあえず諦めてGoogle map上で2キロ近く先にあるホテルを目掛け歩いた。
とにかく歩いた。
あのカオスなバンコクから抜け出して、田舎道を走りようやく辿り着いたメーホンソン。県の市内だというのに素朴な町並みで観光客も人も少なく、とてものどかで素晴らしかったが俺の頭の中はうんこの事でいっぱいだった。
そして3日分の着替えなどちょっとした物だけ詰めた少ない荷物とはいえ6キロ近くあるバックパックを背負い、いつ暴発するかわからないお腹を心配しながら歩くのは怠惰に過ごしていた俺には試練でしかない…。
たった2キロなのにまるで地獄の蛇の道。
坂道を登り歩いてまたすこし登りようやくホテルに辿り着くことに成功した。
チェックインできる時間は14時からだったがこの時まだ10時。
ダメもとでか細く発した「アーリーチェックインOK??」は、「ここにサインしろ!」の一声で大丈夫だと確信し急いで鍵を受け取りトイレに直行し、この旅で遭遇した最初の難問は無事に通過することに成功した。
もう少しで俺の肛門から熱いマグマが流れ落ちるところだった。
(ありがとうおっちゃん🙏)
この日も混沌としたバンコクのトラウマから抜け出せずセブンイレブンでやり過ごし、ホテルにこもり「もう帰りたい…。」と思いながら野良犬の遠吠えとBob DylanをBGMに夜はゆっくりと更けていった。peace god...