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『林芙美子邸』山口文象

2024.6.15

初夏とか、随分前のことを思い出してんなぁ。このときの振り返りが足りなかったし、ちょうどいいや。こないだ行った「秋の日記」が良かったし。林邸はめちゃくちゃお気に入りだし、たぶんこれからの時期、秋に行っても良さそう。案内してくれた方も、このお家は四季折々、何遍来たってえぇですからねって言ってた気がする。

生活棟の、離れの小部屋みたいなお部屋。
小部屋だけど庭を見るに良い部屋。
風鈴もかかっていて涼しげ(6月の写真だから!)
この家の本来の玄関はこの部屋の奥。
入口も写真右側の、塀も通路に面している方から。
今の来館者入口はアトリエ棟と生活棟の間だから
今の入口はもともとは勝手口だったはず。

まだ、放浪記は読んだことが無いけど、見学の時にもらった「昔の家」ってエッセイ良かった。森光子がでんぐり返しする話の原作者という知識しかなかったから、実際の林芙美子の文章を初めて読んだのが、このとき。見学開始時間までの間、お庭のベンチでざっと読んだ。林芙美子って、でんぐり返しして手をたたくようなほほえましい雰囲気というよりかは、バク宙キメてさっさと歩くみたいな、威勢のいい粋な姉御って感じがした。きちんと芯がある、しゃっきりした方だったんだろうな。

後ろの山も含めて林芙美子の私有地だったみたいだけど、戦時下の建坪制限によって、ひとりあたり30坪までしか建てられなかったそう。だから、アトリエ棟は夫名義で30坪、生活棟は芙美子名義で30坪分ということで作っているらしい。アトリエ棟と生活棟の間の申し訳程度の通路って、そういうことだったのね。分棟型って言われればそうだし、似た者同士、仲良く寄り添ってるあたり、家自体が夫婦だなって思う。

・アトリエ棟

あかるい……!
Theアトリエ。
足元に収納もある。
入り口近くにある。

ここまでは普通の日でも入ることができる。ここから奥は抽選に勝った人間のみ……!ありがとう新宿区!!!いざお宅拝見。部屋の中については中に入れないまでも、家の外(庭)から室内を覗き見ることは開館してれば、できる。ぐるっとパス対象だった気がする。この見学は別枠なのでぐるっとパスは使用できなかった。

インド更紗の。とってもおしゃれ。
引手付近が擦れているから使用してたんだな。
寝室の、隣の部屋にあった。
お気に入りのものを使用する日々って良いな。
書斎。書きもの部屋。
書斎として使用しているが納戸だったらしい。
寝室が最初は書斎として使う予定だったが、
明るすぎて納戸を書斎にしたそうな。
雪見障子から見える庭の様子とかも良い。
天気が良かったから樹木の影と日光がちらちら。
手になじみ、しっかりとした品々。
丸ゴシックみたいな可愛らしさ。
窓辺にべろっともたれかかって、
風を浴びて涼むのとか、とても良いなと。
一応寝室だけど南面で、日中の居心地も良い。
居心地が良すぎたから仕事にならなかったのかも...…
窓付近の天井が他と違うのも良い。
室内だけど、もうこの部分が縁側みたい。
向かいの生活棟、左端が台所。
アトリエ棟にいてもご飯の気配がしそう。
風の通りが良いからね。

・生活棟

ここに林芙美子がよく立って、
お料理してたんだってな。
真ん中は水をためておく深型シンク。
トマトとかスイカとか冷やしたんだろうな。
果物や野菜がぷかぷか浮いてただろうな。
上が元気な千鳥。
下は少し、くたびれた千鳥。
ちょうど波に千鳥の模様になる場所で
グッと堪えられるのが元気な千鳥。
ここ以外にも持ち手にこだわってるところは多くて
ペン先のがあったり、扇子のがあったりする。
正しい玄関を小部屋から見るとこんな感じ。
写真奥の座敷に待たせておく編集者もいれば
この玄関で待たされる編集者もいたとか。
いろんな待たせ方ができるね。

・外から見ても良い。

北側斜面から。
アトリエ棟の天窓や太鼓障子が見える。
あの障子、太鼓障子なんですよ。
北側からの、安定した光を求めて。
アトリエだもんね。
書斎のすぐ裏の庭。いいお庭じゃ。
左側の出っ張り部分が一応書庫だったかな。
あんまり本を持っているタイプじゃなかったっぽい。
でも、書庫あるじゃん!いいな!!

次の建物内公開いつだっけな。この秋もやるかな。抽選や申し込みっていつだったっけな。新宿区〜〜〜!!!

10月はそうね、建築文化週間もあるし、イケフェスもあるし、建築メインの振り返りをしようかね。覚えていたい建築がいっぱいあるんだ。

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ささき
おいしいごはんたべます。