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「佐藤多持展」たましん美術館
2024.11.2
東京蚤の市に、友達と待ち合わせをした。早く到着したので、確かたましん美術館入館無料になってなかったかなって思って入ったけど、建て替えで無料になってるの、たましん歴史・美術館のほうだった。そっちは国立駅前にあるんですよ、って教えてもらった。完全にたましん歴史・美術館でやってる方の展示を見る気持ちで居たから、待ち合わせまで間に合わないんじゃないかって、一回はスルーした。でも、ちょっとでも見てみたいなって気持ちになっちゃったので見ることにした。300円だしな、普段のお昼ごはんを我慢すれば平気な額。電車使わないで近場を一往復したくらいの額。
結果として、そんなに広くない展示室だったし、見て良かったな〜ってなる展示だった。佐藤多持のことを全然知らない状態で見たってのもあるけど、はじめましてなものばかりだった。
・戦時下の絵日記。半分くらいまでは、確かに国民服で戦争の匂いがしてるんだけど、スケッチしてたり、鳥の雛みつけたり、桜を見たり、どこかほのぼのとしている。戦闘機が落ちてきたあたりの1945年に入ってからは一気に荒々しい感じになってる気がした。日常の延長としてスケッチを楽しむというよりかは、現実逃避的な方法になったのかも。とか、そう思うくらいに描くテーマがごろっと変わっていた。戦後しばらく公開していなかった(閉じ込めていた)のも、ちょっと分かる気がする。あまりにも重い経験。
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こんなにもやさしく
ふわふわに描いた人でも
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眠れぬ夜だったろう。
一億特攻の火の玉など。
・そのスケッチがガラスに反射しているのが、佐藤多持の代表シリーズの、水芭蕉の抽象化した作品。尾瀬の水芭蕉は一度っきりしか見てないらしい。その時の印象のリフレインで形を変えて、水芭蕉の純度を高めて抽象化している。1回きりの強烈な体験だったから、思い出の美化も含めて理想の水芭蕉を持つことができたから良かったのかもしれない。
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・抽象的な日本画をやると同時に、カラフルで筆触の荒い油絵などもあった。色の塗り重ねで、濃色は少ない。あかるい。色の効果について油絵で試行していたそうな。日本画、墨絵は少ない色数で色彩を感じさせるようにするってんで、色の効果の実験は油絵の方でやってたってことらしい。印象派的な画面。高尾山にちゃりんこで行くときにこの景色見たわ〜〜って分かるくらいに、ちゃんと伝わってる。早朝から漕いでたし、体感としてもうすこしモヤッとしてたと思うけど、確かにこんな感じだったわ。
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絵画教室もやっていたらしい。油絵にしろ抽象的な日本画にしろ、戦争の影はなく平和をかみしめているような絵だと思った。たぶん前半のスケッチが無ければそう思うことも無かっただろう。
水芭蕉の姿は祈りにも似ている。
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