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'21年度前期 授業の反省 (3) 授業サイト

2020年度後期に引き続き,今学期も学習管理システム(LMS)として自作の授業サイトTanaClassを利用しました。昨年度前期は,オンライン授業をするだけで手一杯で,独自の授業サイト構築までは手が回らず,大学が用意しているWebClassを使いましたが,私が望む機能が実装されていないため,夏休みに授業サイトを自作し,昨年度後期から使い始めました。今学期のサイトはその改良版です。

TanaClassの構築

TanaClassを構築する際に利用した主要なソフトウェアは以下の通りです。

1. WordPress(無料)⋯サイトの土台となるContent Management System。マルチサイト化して,オンライン教材を掲載するメインサイトと,各クラスのクラスブログとなる6つのサブサイトを開設
2. BuddyBoss(有料)⋯会員制サイトを構築し,サイト全体に統一したデザインを適用
3. LearnDash(有料)⋯Learning Management Systemを構築
4. wpDiscuz*(有料)⋯コメント機能を強化
5. Elementor Pro*(有料)⋯トップページのデザインを調整
6. Content Views Pro(有料)⋯クラスブログの投稿表示デザインを調整
7. WP User Frontend(無料)⋯学生がウェブ画面上からブログに投稿できるように
8. WP Dark Mode*(無料)⋯サイト全体でダークモードを選択可能に
9. Tin Canny Reporting for LearnDash*(有料)⋯オンライン教材の利用状況を個人単位で把握

*を付けたものが今学期新たに導入したソフト(プラグイン)ですが,デザインや機能の面でより満足のいくものにできたと思います。特に,クラスブログでディスカッションをさせるので,コメント機能が向上したのは良かったと思います。具体的には,古い順・新しい順でのコメントの並べ替えや,コメントの検索,自分のコメントの管理,メールによる通知機能の設定・管理などです。また,学生から要望の多かったダークモードを全面的に利用可能にできたのも良かったと思います。

TanaClassの機能

授業サイトTanaClassの機能は,大きく分けると次の3つがあります。

1. メンバー管理機能(ソーシャルメディア機能を含む)
2. オンライン教材提供機能(進捗管理機能を含む)
3. ブログ機能

メンバー管理機能は,BuddyBossプラグインによって実現しています。メンバー登録は学生自身によってオンラインで行わせました。クラス毎にBuddyBossのグループを作り,そのグループが利用するオンライン教材とクラスブログをひも付けして,登録していない科目の教材や他クラスのクラスブログにはアクセスできないようにしました。今学期は,クラス内での交流は主にクラスブログで行うこととしましたので,クラス内交流のためBuddyBossのソーシャルメディア機能は利用せず,個人間で公開メッセージをやりとりする機能のみ利用しました。

オンライン教材提供機能は,LearnDashプラグインによって実現しています。コース・モジュール・トピックの3階層でコンテンツを整理し,毎週,1モジュール(10前後のトピックからなる)を公開していきました。各トピック(ウェブページ)には,講義ビデオを掲載し,視聴し終わると【「学習済み」とする】というボタンをクリックして,学生自身が進捗管理できるようにしました。各ビデオは15分前後,全体で毎週1時間程度のビデオを視聴するようにしました。なお,昨年度前期から今学期まで,講義ビデオには2017年度後期に録画していた講義ビデオを主に利用しています。昨年度,補足的なビデオをいくつか作成しました。今学期はそれも使っています。なお,昨年度後期は,2017年度後期に行った講義(1コマ90分授業)のほとんどをそのまま使ったため,1週当たりのビデオが90分近くなることもあり,ビデオが長すぎるという学生の苦情があったため,60分程度に厳選し,残りは視聴を任意とする補足ビデオの扱いにしました。今学期はビデオが長いという苦情はまだ出ていません。

ブログ機能は,WordPressの機能をベースとしつつ,コメント機能をwpDiscuzプラグインによって強化しました。毎週,講義ビデオを視聴した後,クラスブログにコメントシートを投稿をさせました。また,ディスカッションの回では,私が設定したいくつかの論点について,コメントを付け合う形でディスカッションさせました。そして,それが終わったら,ディスカッションを振り返るディスカッションレポートを投稿してもらいました。これも締切後は公開します。そして,期末には,期末レポートをこのブログに投稿し,締切が過ぎたらこれまでと同じように公開する予定です(ただし,公開を希望しない学生のものは非公開)。

TanaClassについての学生の評価

学生の多くは,TanaClassが使いやすいと言ってくれています。しかし,使いにくいと感じている学生もいるようです。その主な理由は使い方が良く分からないということだと思います。今回,マニュアルのようなものを作る余裕がなく,Zoomミーティングで実演しながら使い方を説明しただけですので,それだけではよく理解できなかった学生もいたと思われます。来学期は,チュートリアルビデオなどを用意して,この点を改善したいと思っています。

TanaClassの使い方

第1回Zoomミーティングの録画から一部抜粋します。わざと解像度を落としてあります。実際の録画ビデオは1080pの解像度です。