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猛暑で汗がドバドバ ワキのニオイも気になる

真夏の朝、いつもの通勤電車に乗り込んだ瞬間、私は思わず息を飲んだ。車内は既に人で溢れ、そこかしこから漂う汗の匂いが鼻をつく。狭い空間に詰め込まれた人々の体温と、冷房の効きが悪い車内の蒸し暑さが相まって、まるで蒸し風呂のようだ。

そんな中、ふと自分の脇の下が気になり始めた。昨晩しっかりと入浴し、制汗剤もつけたはずなのに、この暑さではどうなるかわからない。「もしかして、私も臭くなっているかも...」という不安が頭をよぎる。

オフィスに到着し、席に着くまでの間、同僚たちと軽く挨拶を交わす。皆、暑さを物ともせず颯爽としている。私だけが汗と匂いを気にしているのだろうか。そう思いながらも、デスクに向かい仕事を始める。

昼食時、同僚の美咲さんと社員食堂に向かう途中、彼女が「あ、いい香り!」と言った。一瞬ドキッとしたが、どうやら新しくできた花屋の前を通りかかったらしい。安堵のため息をつきながら、「そうだね、素敵」と返事をする。

午後の会議。上司や取引先の方々を前に、プレゼンテーションをする機会を得た。緊張と暑さで、背中に汗が流れるのを感じる。発表中、突然自分の体臭が気になり始め、集中力が途切れそうになる。「今、皆は私の話を聞いているのか、それとも匂いが気になっているのか...」そんな余計な心配が頭をよぎる。なんとか最後まで話し終え、ほっとする間もなく、上司から「よくやった」と声をかけられる。その言葉に安堵しつつも、まだ匂いの不安は消えない。

帰宅後、鏡の前に立つ。ブラウスの脇の下には、汗じみができている。思わずため息が出る。「こんなに気を使っているのに、なぜ...」と落ち込みそうになるが、ふと気づく。「そうか、これって私だけの悩みじゃないんだ」

翌日、勇気を出して同僚たちに聞いてみることにした。すると意外なことに、皆も同じような悩みを抱えていたのだ。むしろ、私が気にしすぎているくらいだと言われ、少し肩の力が抜けた気がした。

それからは、対策を共有し合うようになった。制汗剤の種類や使い方、衣類の素材選び、オフィスに備えておくと便利なアイテムなど、様々な情報交換をするようになった。中には、ランチタイムに近くのジムに行って軽く汗を流すという人もいて、驚いた。

また、会社全体でも夏場の対策として、「クールビズ」の範囲を広げたり、オフィス内の温度設定を見直したりと、様々な取り組みが行われるようになった。それまで一人で抱え込んでいた悩みが、みんなで解決していく問題に変わっていった。

そんな中、ある日気づいたことがある。汗をかくことは、人間の自然な生理現象だということだ。確かに、過度の体臭は気をつける必要があるが、適度な汗は体温調節には欠かせない。むしろ、汗をかかないことのほうが健康上問題があるかもしれない。

この気づきは、私の考え方を少し変えてくれた。もちろん、清潔感を保つことは大切だ。しかし、完璧を求めすぎて自分を縛るのではなく、自然体でいることの大切さも学んだ。

今では、朝の通勤電車で汗の匂いを感じても、以前ほど神経質にはならなくなった。むしろ、「みんな一生懸命生きているんだな」と思えるようになった。そして、自分自身に対しても、少し優しくなれた気がする。

暑い夏は、確かに大変だ。汗も匂いも気になる。でも、それは生きていることの証でもある。完璧を求めるのではなく、自分なりのベストを尽くし、時には周りの人と悩みを共有することで、この暑い季節も乗り越えられる。そう信じている。

汗をかくことを恐れず、でも周りへの配慮は忘れず。これが、私が見つけた夏を乗り切る方法だ。そして、この経験は仕事や人間関係においても、大切なことを教えてくれた。完璧を求めすぎず、ありのままの自分を受け入れること。そして、一人で抱え込まず、周りと協力することの大切さ。

猛暑の季節は、まだまだ続く。でも今の私には、それを乗り越える自信がある。汗と向き合いながら、今日もまた、颯爽とオフィスに向かう。かつての不安は、今や自信に変わっている。

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