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レクチャーコンサート「ピアノ三重奏の歴史」第1回:弦楽器が歌いだすとき

最近、謎解きの投稿ばかりでしたので今回は本業の話。

『レクチャーコンサート「ピアノ三重奏の歴史」第1回:弦楽器が歌いだすとき』が無事終了しました。

このコンサートは、あいおいニッセイ同和損保ザ・フェニックスホールが開催するフェニックスエヴォリューションシリーズに採用されて実現しました。エヴォリューションシリーズとは企画を公募し、審査を経て、採用された公演はホール代が無料となる他、広報など公演制作の面でザ・フェニックスホールのスタッフが協力し、共にコンサートを実現するというプロジェクトです。

今回の企画は、ピアノ三重奏にスポットを当て、その様式の成立から発展についてレクチャーと歴史的名曲の演奏とでひも解くというコンセプトです。このピアノ三重奏という様式に目を付けた点、そして演奏曲も楽章全部を演奏するのではなく、必要な楽章だけを抜粋して演奏するという構成がとてもユニークで、私自身も本番を楽しみにしていました。

レクチャーはクラシック音楽には非常に相性の良い組み合わせだと思います。そもそもクラシック音楽を好きな人は知的好奇心が旺盛な人が多く、自ら音楽の背景を勉強する人もたくさんいます。という理由から、このようなレクチャーには名の知れた大御所の先生が登場することが多いのですが、今回はそうでなく、音楽学を専門に研究する若い大学院生のレクチャーという事が新鮮で面白かったです。

また、演奏面に関しても、全楽章演奏しないという構成がとても効果的でした。大抵の曲には箸休め的な退屈な楽章があったりするのですが、それを演奏しないことで結果的に良いところ取りになり、退屈しないばかりか集中して聴けるという側面もあったように思います。もちろんクラシック音楽が好きな人ほど物足りなさはあったと思いますが、全体の時間やバランスなどを考えるとこの選択はありだと思いました。演奏するのは若手の中でも数々のコンクールを制した実力派。演奏は本当に素晴らしく、とても贅沢なコンサートになったと思います。

というわけで、とても意欲的でフレッシュな感じのコンサートでした。私はこのコンサートに対し、NHKの教養バラエティのような面白さを感じ、刺激を受けました。レクチャーコンサートと銘打つと、クラシック音楽に興味のない人にとっては要らぬ勉強をさせられそうだと構えられそうですが、知らないことをちょっと体験したいなと思わせることができれば、このようなコンサートももっと需要が増すように思います。

第2回以降はどうなるのか?

これからも追いかけたいと思います。

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