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番外:そこに義はあるのか

ウクライナ情勢に立ち上がった義勇兵は二万人に到達した。
そのほとんどが欧州からだという報道である。

欧州以外の国はロシアに対する経済制裁を始め、武器供与等の支援は行っているものの人的支援は消極的であるように見受けられる。

当然、世界を股にかけるアメリカは今の情勢に苛立ちを表しているもののウクライナ情勢を鎮火させるほどのパワーを持ち合わせていないのが現実だ。

そのような情勢下でも個人で出来ることを模索し、その選択肢として義勇兵としてロシアと闘うことを選択した人がいることは平和を希求する人類の願いなのだろう。

義勇兵として活動することは日本の法律である「私戦予備罪・私戦陰謀罪」にあたるのではないかという議論が出てきている。

 この法律は刑法93条で「外国に対して私的に戦闘行為する目的で、その予備又は陰謀をした者」を処罰するというもの。

政府・外務省は法律に係る説明はしないものの、国民へは渡航中止(危険情報レベル4)のお願いをしている。

過去、この法律で逮捕された事例がある。

イスラム国(通称:ダーウィシュ)の戦闘員として参加する意図でシリアに渡航しようとした者を逮捕した初めての事例である。

イスラム国は別としても他国のために闘うには当然、覚悟がなければできるものではない。

過去、日本人で義勇兵に近い形で台湾の独立に貢献した人物がいる。

大日本帝国陸軍の根本博中将は大東亜戦争終戦後の中国戦線において、侵略してきたソ連軍を撃退すべく最後まで戦闘に従事し、在留邦人を救出した。
その際に中華民国(現台湾)に助けられた恩義から、戦後台湾に密航して人民解放軍との闘いに従事した。

私は根本中将は義のために闘う軍人であると感じた。

先般のウクライナ情勢を憂慮して、日本でも約70名の方が義勇兵として名乗りを挙げたが国として認めなかった。

国家は国民を守る義務があることは理解できる。しかし、日本国のウクライナに対する支援には熱のこもった義を感じることができないのは私だけではないだろう。

湾岸戦争の時に人的支援をせず、金のみを投入し世界各国から冷たい扱いを受けたことを忘れてはならない。

少なくとも日本国民に義を持っている人は少なからずいるのである。

独立国家として言葉や物資の支援だけではなく、人的支援も必要であることを議論する時期にきている。

日本の未来のためにも真剣に議論していきたい。

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