一万円レガシー構築記
はじめに
この記事はクリストファー・脳乱さんの一万円レガシーガイドライン
を元に身内で一万円レガシーを組んだ際の備忘録です。
一万円レガシーって何?という方は脳乱さんの
を読んでください。
身内で遊ぶ用に組んだためリアルなレガシーのメタゲームは意識していません。
だいたいこんなものが作れますよという参考程度にしてください。
使用カードは2024/3/16、フォールアウトコラボ発売までのカードです。
レガシーらしさとは?
そもそもレガシーらしさとは何なのか?
それが一万円レガシーをやると決まったときに最初に考えたことでした。
モダンで許されないようなパワフルカード?英語版しか存在しないような古代のカード?意志の力前提の超速コンボ?
たどり着いたのは、本来想定していない挙動のカードを使うということでした。
レガシーは二人のプレイヤーが雌雄を決するゲームですが、MTGにはもっと多くのプレイヤーが参加するフォーマットがあります。
統率者戦、双頭巨人戦、コンスピラシーのような変則多人数戦です。
これらのゲームのために作られたカードは、3人の相手を倒すために通常エキスパンションのカードよりも明らかに強力にデザインされています。
そんなカードを一人相手に使う…これこそがレガシーだと自分はたどり着きました。
そんなわけで、今回紹介するデッキは統率者出身のカードを主軸として据えたものとなっています。
デッキリスト
ソプター忍者
指輪物語共闘ドラン
紹介
1.ソプター忍者
まずはソプター忍者から、と言ってもこちらはレガシー既存デッキのデチューン版となりますので、全体の動きとしてはつばささんのこちら
の記事を読んでいただければと思います。
大まかにまとめると、変わり身ののけ者と羽ばたき飛行機械を各種忍者と改良式鋳造所でバックアップしビートダウンするデッキです。
今回は一万円レガシーにデチューンするにあたっての難所、デチューンされた部分を紹介していきます。
2.一万円レガシー化の難所
まずは難所から。
文字通り一万円で組むことがこのフォーマットの醍醐味ですが、こちらをご覧ください。
デッキのキーカードである改良式鋳造所ですが、2000↑します。
自分は組んだ当時の最安値2000円で計算しましたが、それでも4枚で8000円になります。
難所とはここで、残り予算2000円で56枚のカードのカードを用立てないと行けないことです。
3.適応
では具体的に妥協点を上げていきます。まずはクリーチャー。
ということで悪意の大梟がコー追われの物あさりになっています。
役割としてはブロックされづらい潤滑油です。接死ブロッカーとしての役割や相手の小型フライヤーと相打ちになり羽ばたき飛行機械の道を開ける役割は失われました。
次はスペルです。
このあたりはわかりやすいのではないでしょうか。
基本的には純粋に下位互換になっています。
思案4枚ではなく、血清の幻視と2:2になっているところに哀愁を感じていただければ…
次は土地です。
基本的にまともな土地は高いのでこのようなチョイスになります。
1ターン目に思案or変わり身ののけもの両方を出すことに対応できる2色土地は詰まった河口のみのため、本当に弱いのですが採用しています。
ペインランドもスタンダードから落ちれば採用できるようになるかもしれません。
4.ソプター忍者まとめ
以上のように脇を固めるカードは弱体化著しいですが、本質である忍者軽量展開によるアドバンテージ獲得、高クロックの脅威は落ちていません。
そのため、同じ1万円レガシー同士なら基本的には問題なく戦えていました。
今回の身内環境ではクリーチャーデッキが多かったため、もう少し除去を足しても良かったかもしれません。
5.指輪物語共闘ドラン
突然ですが、皆さんは遊戯王OCGのガジェットモンスターをご存知でしょうか?
2010年になるからならないか頃の遊戯王OCGではよく使われていたカードです。
手札を減らさず展開でき、デッキ圧縮もできる…そんな夢のようなカードですが、MTGにも同様の効果を持ったカード達が存在します。
それが「◯◯との共闘」です。
二人セットで統率者に指定でき、デッキに入れた時はお互いをサーチしあう強力な能力です。
しかし、統率者戦では一枚ずつしか入れることができず、本領を発揮出ません。
この能力を十全に活かすべく組まれたのが、今回の指輪物語共闘ドランとなります。
6.共闘紹介
では今回のメイン、共闘コンビの紹介です。
まずはこちら。
指輪物語統率者デッキのパッケージカード、サム、フロドの共闘です。
サムが作った食物を食べ、指輪の誘惑を受けたフロドがライフを削る…そんなコンセプトです。
お次のコンビはこちらです。
こちらの二人も食物を作って食べるコンビとなっています。
サムフロドよりは一人ひとりが完結した能力を持っていますが、お互いのシナジーが薄いとも言えます。
今回この二組を採用したのはマナカーブが2→3なことと、そもそものマナ総量が低いことが理由です。
こちらが〇〇との共闘の一覧となりますが
ほとんどのカードが3マナ以上同士の共闘だったり他のカードとのシナジーを求めてきます。
そしてジュラシック・パーク組はお値段の都合上構築が著しく制限されます。
必然的に安くて軽いこの二組を採用することになりました。
7.共闘を活かすには
採用する共闘が決まったところで活かし方です。
遊戯王OCGのガジェットデッキは、ガジェットを展開しつつ相手の場は除去、ダイレクトアタックでライフを奪うという戦術を取っていました。
しかし、マナと召喚酔いの縛りがあるMTGでは上記戦術は困難です。
ではどうするか?
初めに思いついたのは、各クリーチャーを強化し続けることで相手のライフを圧迫する戦術です。
いくら除去しても後続が現れ、強化カードも消えない…相手からすれば悪夢そのものです。
理論上は強いはず…でした。
8.指輪の誘惑とパワー不足
突然ですが、皆さんは指輪の誘惑を第四段階まで覚えていますか?
肝心なのは第一段階、潜伏の付与の部分です。
パワーが低いほどよい潜伏とパワーを上げる怨恨…明らかなディスシナジーです。
そもそもの話として、共闘4人衆は素のパワーが低すぎます。
怨恨が引ければいいのですが、引けなかった時はアタックのおぼつかない生物を延々と出し続けることになります。
攻撃に回っても、怨恨込みで3点4点ではダメージレースにも優位が取れず、思ったほどの圧がかかりません。
怨恨での強化は困難かも…そんな予感をひしひしと感じていました。
9.ドランとの出会い
怨恨ではクロック不足、でも怨恨以上の取り回しの強化カードはいくらレガシープールでも…
まずは怨恨で…半分諦めながら土地を詰めていた時のことでした。
つぶやき林を使うのであればツリーフォークの先触れも使いたいな…他にいい感じのツリーフォークは…ドラン!
そう、包囲の塔、ドランです!
マナシンボル、軽さ、サーチ対応による再現性、求めていたピースです。
ここで共闘四人衆のP/Tを思い出してください。
ピピン以外はタフネスに偏っています。
しかも指輪の誘惑第一段階の潜伏はタフネスアタックと組み合わせると、低パワーでないとブロックできないのに実打点が高いという理不尽な状況を生み出します。
ここに気付ければ、後はデッキとしてまとめるだけです。
ということで、ここからは共闘とドラン以外の採用カードを紹介していきます。
まずはクリーチャーから。
ラサード・イン・バシール
統率者マスターズバルダーズゲートで登場した、第二のタフネスパンチ付与マン。
ドランは敵味方含めて全体をタフネスパンチャーにしますが、こちらは自軍のみ。
実質3/3/3として振る舞います。
ドランが伝説のため分散採用して伝説性ルールに引っかかるリスクを減らしています。
イニシアチブがあると打点を倍加する能力を持っていて、グダった戦況に風穴を開けてくれます。
物騒なバトルレイジャー
パウパー界隈だと有名らしいドワーフ・バーバリアン。
4/1/5のボディにETBでイニシアチブを獲得します。
注目すべきは下の効果、ブロックされた際ブロッククリーチャー一体ごとに誘発する5点ルーズです。
通常の状況でもイニシアチブの取り合いで優位に立てる能力ですが、タフネスアタック状況ではブロックしようがしまいが5点持っていく悪質クリーチャーに進化します。
子馬のビル
ホビット達の旅の仲間の馬。
ETBで食物2つを出し、食物を生贄にすることでクリーチャー単体にタフネスアタックを付与します。
3種目のタフネスアタック要員で、ドラン、ラサードが売り切れたあとの3の矢です。
ETBでピピンの起動を早めることもしばしば。
次はスペルです。
剣を鋤に
語るまでもない最強の除去カード。
追放なので再利用も許しません。
レガシーらしさを感じるために4枚。
王のもてなし
緑1マナ呪禁付与族の最新カード。
王族役割は+1/+1と護法1を永続的に付与するので、これ系では最も強いと言っていいでしょう。
怨恨スタック除去を警戒して入れていたカードです。
共闘で後続が持って来れる都合上、個別の除去を弾く必要性はそこまでありません。
怨恨を抜いた以上別のカードでもいいかも。
四肢切断
剣鋤では足りないときに。
5枚目以降の剣鋤といえば流刑への道ですが、色が違うためプロテクションで詰みにくくなります。
ストレージにあったから入れましたが、別の除去でもいいと思います。
強迫
対コンボ用ハンデス。
値段的には余裕があるので思考囲いにできなくもないです。
10.回し方
基本的には生物を展開していくタイプのビートダウンです。
マリガン基準には2t目にフロドorピピンが出せるかどうかになります。
どちらかが出せさえすれば後続を持ってこられるので、多少強気にマリガンしても構いません。
ある程度ホビットを並べたら、ドラン、ラサードなどのタフネスアタッカーを出して一気に攻め込みましょう。
共闘のメンバーですが、サム&フロドorサム&メリーが並ぶことを意識しましょう。
食物を生成しながら指輪の誘惑と兵士トークンの生成を行ってくれます。
ピピン&フロドはまあ及第点です。
逆にメリー&フロドは揃っても何も生まれないので、この二枚だけが揃うような出し方は避けましょう。
実戦の感想
身内一万円レガシーの対戦相手は、青赤アトラクション、赤白装備品、青緑探査、セファリッドブレックファスト、無色門構築物、マナレスドレッジ、ホガーク、ウィノータでした。
基本的には生物デッキには悪くない立ち回りができます。
指輪共闘では、青緑探査から出てきたマンドリルや、門デッキから出てきた門の巨像にタフネスパンチが通じずボコボコにされる場面もあったので弱者の石などのデカブツ対策をいれるのもありかと思いました。
ウィノータのポン出しした極楽鳥に羽ばたき飛行機械がもじもじするなど想定外の展開も多くありました。
ドレッジとホガークはサイドから安らかなる眠りか黒力戦を入れてわからせたり貫通されたりしたのでまあ…という感じです。次回集まる時はメインから墓地対策できるカード入れていってもいいかもしれませんね。
終わりに
一万円レガシーで実際にデッキを組んでみましたが、普段はできないプレイ体験ができました。
イニシアチブでの圧力や統率者前提のガバガバ設定など普段とは違うゲームができるので、この記事を読んで興味を持ってくれるプレインズウォーカーが増えると幸いです。
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