俺的Vocal Mix(備忘録)
はじめに
作業の間隔が空くとエフェクトの設定や、設定の意味、知識が抜けていってしまうので、メモ的な意味で備忘録として書きました。
ど素人が独学で集めた知識や、勘、感覚で行なっている部分が多いので万が一にでも誰かの参考になればいいな程度の文章です。
メモなのでおそらく頻繁に追記や変更していきます。
1. ノイズ除去
RX7で下記の通り色々削っていく。
Voice De-noiseでノイズ除去
↓
De-reverbで軽くリバーブ成分を除去
↓
Mouth De-click、De-plosiveでクリックノイズや破裂音を除去
(ディエッサーはDAWでやるのでなし)
のチェインを作成。各種設定は基本プリセットを使用。
正直順番はよくわからんので適当。
ボーカルが音割れしてたらこのチェインの前にDe-clipを単体で挿して調整することもある。
ノーマライズは必要に応じてON。
2. ピッチ、タイミング補正
大正義Melodyne
DAW内でプラグインとして使用。
画像は、ボカロ曲なのでピッチ、タイミングもバチバチに合わせて、ブレスも削除した状態(それでもかなり雑なんだろうけど)。
ここが一番時間かかる。マジで一日が終わる。
今はAssistantだけど、Studioまでアップグレードしたら他のトラックのノートも映せるから、コーラスのタイミング補正や、一本のボーカルからコーラスを作る時とかかなり楽になりそう。欲しい。
3.マイクプリアンプ
IK MultimediaのEQ-73。NEVE 1073のモデリング。
割れない程度にINを突っ込んで、同じ分だけOUTを下げる。
高域に倍音が付加されてなんとなく滑らかな音になる。
4. EQ①(カット)
プラグインは何でもいいと思う。僕はNeutronのEQを使用。
(自動ミックスで楽したろ!と思って大金はたいて買ったはいいが、ダンスミュージックには向いてなくて泣いたので供養のため使ってる。
でも他のトラックにiZotopeのプラグイン挿せばマスキング表示できたり、単体でEQとダイナミックEQを併用できるのはめっちゃ便利。
外部サイドチェインも使えるし。)
ここではカットのみ
・ローカット(120Hz以下をハイパス)
・モッサリした感じがあれば200〜600Hzくらいの間を下げる
・基音が集まってるあたりを少しカット
・耳に痛い帯域を探してQを狭めてカット
高域を持ち上げると音像が前に出る(後述)ので、コーラスでは逆にこの段階で高域をシェルビングで少しカット。
5. コンプ①
これもTotal Studio 2 MAXはT-Racks 5 MAXに収録されてたLA-2Aのモデリング、White 2A。
リダクションを-4dBくらいになるよう設定。ざっくりと均すイメージ。
コーラスの場合はここを1176系のコンプ、僕はT-Racks 5 MAXに収録されてるBlack 76に置き換え。アタック最速、リリース最遅、レシオは20に設定して奥に引っ込めるイメージ。
6. コンプ②
これもwavesのRenaissance Vox。
スレッショルドを調整するだけでアタック、リリース、レシオは自動で設定してくれるボーカル用コンプ。
リダクションはジャンルによるけど、画像では大体-6dBになるよう設定。
7. ディエッサー
wavesのSibilanceというディエッサー。
よくわからんけど使いやすい。去年の5月に無料配布してた。
GUIがわかりやすいのがすごく助かる。
RX7、Nectarも使ったけど、個人的にはこれが一番使いやすくてわかりやすかった。
ディエッサーはコンプ前派とコンプ後派の派閥があるらしい。
コンプ後派としてはダイナミクスを整えた後に挿したほうが均一に引っかるでしょと。なのでコンプ後に挿入。
8. EQ②(ブースト)
ダイナミクス整えた後でブースト用EQ。
・2倍音の辺りはブースト(人間の耳は2倍音でメロディーを聴いてるらしい)
・5倍音の辺りもブースト(厚みが出るらしい)
・4kHz周辺の滑舌の音(画像では3.7kHz辺り)をブースト
・8kHzを細くしたQで4dB程ブースト(オケと混ぜた時ボーカルが前に出てくる)
・8kHz以上をシェルビングでほんの少しブースト(抜け感)
コーラスでは音を前に出したくないのでブーストはなし。
9. EQ③(ブースト)
API 550AをモデリングしたIK MultimediaのEQ-PAという3バンドEQ。
tofubeats先生がYouTubeで紹介してたのでモロパクり。
15kHz以上をシェルビングでブースト。マジで音が変わる。
買っててよかったTotal Studio 2 MAX。
10. 味付け
これまたwavesのScheps Parallel Particles。
ワンノブ系の集まりみたいなプラグイン。
THICKでボディ、BITEで滑舌、AIRで抜け感を補強。
ちなみにサブベースにSUBをかけてやると自然な倍音付加で結構良いらしい。
11. イメージャー
iZotopeのOzone 9 Imager。
基本センター固定のボーカルだけど、上の帯域はスペースがあるから、そこに音を撒いていくと存在感が出る。
って上記動画でtofubeats先生が言ってたので真似した。
12. ダブラー(コーラス)
sonnoxのVoxDoubler。
モノ用のThickenとステレオ用のWidenで分かれてるプラグイン。
コーラスを左右に広げる目的でWidenを使用。
13. センドリバーブ
メインボーカル用にルームとプレート、コーラス用にホールリバーブをセンドで立ち上げ。
使用プラグインはT-Racks収録のCSR Room、CSR Plate、CSR Hall。
設定は基本ボーカル用プリセット。メインボーカル用だけモノラルに。
ソロで聴くとわかるけど、オケと混ぜるとわからない程度に。これは後述するディレイも同様。
センドトラック内でイコライジング、センド元のトラックをトリガーにダッキングしていい感じに残響音だけ残るように。大体はトラックごとにセンド量を設定して、トリガーはボーカルやコーラスのバス単位。コーラスも同様。
14. センドディレイ
wavesのH-Delay。wavesのプラグインは大抵セール+1個買ったら1個無料みたいなやつで買ってる。3,000円2個買えるのでお得。
これもメインボーカル用とコーラス用に立ち上げて、メイン用はモノ。別途1/8のピンポンディレイも立ち上げてそれは共用。
専用のディレイは、「「150ms周辺でディレイをかけるといいよ」って海外の音楽系YouTuberが言ってた」って日本の音楽系YouTuberが言ってたので真似した。画像では150msから探っていって、ちょうどよかったのが142ms。確かに良い。
H-DelayはLo-Fiスイッチがロー/ハイカットしてくれて、アナログ感もあって良い。
15. バスコンプ
コーラスもまとめたボーカルバスに、T-Racks収録のSSLモデリングのBuss Compressorを挿す。
レシオは最小の1.5、アタック最遅、リリース最速、リダクションは-3程度。
一応AbletonにもエフェクトでGlue Compressorが入ってるけど、そっちはレシオが最低で "2" なので、プラグインの方を選択。
16. オケの処理
wavesfactoryのTRACKSPACERとかいう神プラグイン。
サイドチェイン入力専用のマルチバンドコンプ。
これでいい感じにスペース空けつつ、要所要所をダイナミックEQで更に削る。
おわりに
あとは必要に応じてボリュームやフィルターのオートメーションを書いたり、リファレンス聴きながら丁度いい音量バランスを探る作業。
糸冬豦刂
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