大塚家具のお家騒動から見る経営の難しさ
まず大塚家具のお家騒動をざっくりおさらいしますと
大塚家具はお金持ち相手の高級家具店でした
創業してしばらくはニトリと同じくらいの規模だったんですよ
しかしニトリは大衆路線でめちゃくちゃ売り上げを伸ばし
一方大塚家具はのんびり成長していきます
とはいえ富裕層相手に確実な売り上げを確保していってました
しかし大塚家具もある年売り上げが低迷していきます
保守的な経営をずっとしてきたものだから先細りしていくのも当然です
そこで社長の娘が登場です
娘は大塚家具を改革していきます
通販をはじめたり安い価格帯に設定して若者なども貧民層もターゲットにいれます
おかげで業績が一気に回復し大塚家具は娘のものとなりました
娘は古臭い人たちを粛清し新しい人を優遇していきます
まあ言うならば自分のまわりをイエスマンで固めたわけです
こうして大塚家具は生まれ変わったわけですが
激安路線ではニトリやIKEAがずいぶんリードしていってるので
大塚家具はみるみるうちに凋落していきます
そして娘の築いた大塚家具はヤマダ電機が買収して
そこからあっという間に黒字化していきました
そんなわけで娘はなぜ失敗したのか?ってことなんですが
まず娘が最初にやった改革は成功しているんですよ
これはなぜかってことですが
大塚家具という信用を売っていたからなんです
これまで高級路線で若い人は入店すらできなかった
けど若い人も気軽に利用できる店になった、若者は興味本位で買いたがります
これまで築いてきた大塚家具のブランドを切り売りしたんだから
そりゃ売り上げも伸びるし利益もでます
しかしそれこそが巨大な落とし穴のはじまりだったんです
最初の改革を成功させてイキった娘は
自分が正しいと勘違いします
そしてワンマンな経営をしてそれまで大塚家具を支えていた
凄腕職人を解雇していくんです
間違いのはじまりですね
ツヨシしっかりしなさいでも似たようなことをツヨシがやっていて
それは成功させたんですけどね、現実でやると失敗しますね
娘は小さいころからお金持ちで育てられて、家具の英才教育を受けて
まあ当然勉強も金の力でチートして大学もいいとこいってエリート街道を進んできたんです
そんな自分が間違っているわけがないと思い込むのも仕方ありません
実際昔の時点で大衆路線に進めばニトリみたく巨大に成長した可能性もあるでしょう
しかしもう敵は巨大になってしまっていて、その巨大な敵と同じ土俵で戦うのは
30年遅かったんですよ
こんな簡単なこともわからないもんなんです、エリートなのに
ボクは普段から若者信者で老害死すべしの改革論者なんですが
こういう例があると考えを改めないといけないなと思いました
保守的なものを悪と思い込むことが既に保守的だったという
謎のパラドックスが起きます
常に柔軟に考えなくてはいけないという考えが既に柔軟ではないという
結局なにが正解かなんてふたを開けてみないとわからんという話でした