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夜のチャイティー

家にある一番小さな鍋で湯を沸かす。
100ミリを計って投入した水は、意外と少なく感じる。

今晩は、久々にチャイティーを湧かしていた。

キッチンの棚の中から箱を取り出す。友達のインド土産でもらった茶葉の箱には、大きなタージ・マハルの写真。

裏にはチャイティーの作り方が書いてある。お土産にもらったものだからすぐに飲んでしまうのは勿体ないと、たまにしか飲まないためにすぐに作り方を忘れる私でも、これを読めばちゃんと作ることができる。

「製造から1年以内に飲むことをおすすめします」とも書いてあったが、そんなことには気づかず数年経っていた。

普段はパックの紅茶やスティックタイプのカフェラテやカプチーノを飲んでいるから、チャイティーを作るときは、少し手間をかけている感覚があって気分が良くなる。

茶葉と三温糖は少し多めに入れて、茶葉が踊るのを眺める。一応パッケージ通りの時間配分で作ろうとするのだが、いつから時間を測っていたのかをいつも忘れてしまう。それでもちらちらと時計は見る。最後にはミルクも入れて湧かす。

できあがったものを、あらかじめ選んでおいた湯飲みに注ぐ。湯飲みは韓国か日本の焼き物で、結構厚みがあり、赤と黒で塗られている。それぞれ国は違えど、なんとなくアジアな雰囲気をまとったチャイと湯飲みを見て、私は満足した。

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