彼氏が別れ話を切り出したはずなのに笑顔でバイバイした私「？？？」

別れました。
ちょっと前になんやかんやいざこざを起こしてしまい、そこから会うも話し合いせず普通のデートで終わり、いい加減ちゃんと話し合おうとなった日に別れを切り出されるっていうね。
いや、普通に話し合って解決していこうって気でいたから寝耳に水というか、動揺しないわけがない。喧嘩してても嫌いではなかったし、お互い通じ合ってると思ってたからね。
だからまあ、

「別れよう」
「？？？」

みたいな問答にもなるってもんですよ。

事の発端はよくある男女間のアレ。
それがうまいこといかずモヤモヤした彼氏が吐き出して、私は私で今までで調度いいくらいだったので希望には答えられないと意思表示。そこから着地点が見つからず。
なんというか、共感してくれる人も少なそうだけど、私は付き合いに関してフレンドライクな関係を好んでいる。勿論男女間のあれやこれやも嫌ではないが、毎回やらなくても全然問題ない。普通に出掛けてご飯食べて遊べればわりと満足なのだ。ただ、彼はそれでは物足りなかった。物足りなかったというより、焦りを感じていた。
だからちょっとしたいざこざを皮切りにそれらの問題が火種となった。

で。別れようといわれてきょとん顔を決め込んでいた私は、勿論別れるつもりもなかったので説得に走った。相手と喧嘩になるのはこれが初めてだし、お互い経験が少ないゆえに早計すぎると話せば話すほど、彼は私への不満を吐き出し続けた。
不満だけならどうにかなったと思うが、別れたいと思った理由まで話し出したので、さすがにどうにもならず沈黙。沈黙が続き、折れることにした。
まあ正直不満を並べられれば私とてやっていくのは難しいと思うもの。

「別れよっか」
「……」

今度は私が提案し、彼が沈黙した。
未練があったのだろう、色々と思いを吐き出し、自分の至らなさを責めはじめた彼に、なぜか逆に冷静になってしまった。
逆にね！
なんかもう他人事というか可哀想だな～という気持ちで宥めまくったとも。
で、ここが私の悪い癖なんだけど、こういう重い話でも茶化したりしちゃうのよね。変な例えとか出しまくって笑わせようとしてしまった。そしたら案の定彼も落ち着いてきたのか、笑い話に乗っかり始めたのだ。
そこからは不思議なことに、お互い笑顔で会話を続けていた。あれは楽しかったね～とか、あそこのお店は美味しかったとか。あれは行きたかったねなんて未来の話までも愉快に話しては「ま、別れたし次の人と行くしかないか～」なんて自虐した。
完全に付き合う前に戻っていた。そもそも彼と私はよく似た部分が多く、初期から気があっていたのだ。それが付き合いはじめてから恋人とはどうたらとか、将来に向けてだとかをお互い悩み、焦り、拗れたわけで、それがなければとても良好な関係だった。その日だって仲良くランチしたくらいだし。

で、時間もすぎて潮時となり、仲良く会話をしながらお別れをした。
彼はお互いいい人が見つかったら報告しようと言った。嫉妬もしないしお祝いしたいと。私は悩んだ。嫌いになれていないからこそ未練が生まれる気がした。ただ、悩んだのは初めてだ。今まで恋愛以外も含め距離が離れた相手とは連絡を絶ち切るのに躊躇などなかったからだ。だから了承した。
別れてからの方が仲良くなりそうだよねと言われて、まったくだと頷いた。

いや、まさか別れるとは微塵にも思ってなかったし、なんなら友達になるとも思ってなかった。
最後まで笑顔が耐えない、とてもいい人でした。