ダッフィーという魔物

私はディズニーが好きだ。映画もグッズもキャラクターも好きで気がつけば部屋にはたくさんのディズニーグッズで埋め尽くされている。中でもとりわけ好きなのは東京ディズニーリゾートだ。年一回の頻度からある時点で火がつき足繁く通うようになった。年パスでもとを取れる回数じゃないにしろ、2ヶ月に一度くらいのペースで通うようになった。

それだけ頻繁に通うようになるとある変化が生まれてくる。グッズをたくさん買わなくなったのだ。

もちろん期間限定の新商品を買うことはあるが、特にお菓子類なんかはまた来るしいいや、と少ししか買わなくなった。ちなみにオススメはビーフジャーキーです。うまい。

グッズが少量で済むからお金もかからず身軽で帰れるし最高じゃん、と思っていたが甘かった。ある時期を境にそんな生易しい気分ではいられなくなった。

ダッフィーアンドフレンズ。

東京ディズニーシーでしかお目にかかれないテディベアたちの登場に、私の懐事情は大きく変わってしまった。

もともとぬいぐるみが好きな私はダッフィーの登場を知りその愛らしさに虜になったが、一匹買えばそれで満足できると思っていた。ところが予想を裏切り、新しい友達の登場、季節に合わせた衣装のリリースなど、彼らはあの手この手でファンを増やさんと画策し始めたのだ。そんなD社の思惑にまんまと絡め取られてしまったわけだが、それでもなけなしの理性が「これは買わなくてもいい」「諦めよう」と味方になってくれた。理性によって支えられていた私だったが、ところがどっこい。実際にパークのお店に陳列された彼らを見れば理性など呆気なく崩れさるのだ。

目と目があったらポケモン勝負!

とでも言いたくなるように、目があったら最後なのだ。それが見えたら終わり。某ピエロよりも恐ろしい力を秘めている。後は吸い寄せられてレジに向かって会計、ターンエンド。意識が戻った頃には見覚えのないふわふわもふもふのかわいこちゃんが腕の中にいる。世にも奇妙な物語だ。

彼らの何が魅力的か、切り出せば様々あるが、私の中でも一押しは手触りだ。一般のぬいぐるみも肌触りのよい生地があるが、彼らはやや割高な価格だけに、触った瞬間、

もっふ…(上質な音)

と触感から始まり五感すべてを楽しませる。匂いもいい、吸ってもいい、人をダメにするくまちゃんなのだ。このハニートラップに引っ掛かった被害者は全国に大勢いることだろう。

そして最近、かのクマに新たなメンバーが加わった。まず昨年末にやってきた犬の女の子、クッキー・アンだ。彼女は上海のディズニー限定のフレンズだったが、この度満を持して来日した。世間の盛り上がりに対して、私の反応は以外にも落ち着いていた。というのも、フレンズの中で特に好きなのがダッフィーやジェラトーニといった男の子たちだったのだ。可愛いと思うがぬいを買うほどではない、と安心してパークに来場したのだが、

目と目があったらポケモン勝負!!!

勝負が始まってしまった。何の心構えもしていない私は当然負け。大敗だった。負けたからには相手トレーナーにお金を支払わなければいけない。トレーナーの暗黙の了解に従い、ふわふわのわんちゃんを引き換えに現金を差し出した。

さらに今年の夏、新たなフレンズが登場した。カメの男の子、オル・メルだ。彼もハワイのディズニーにて限定キャラとして現れたが、クッキー・アン同様ついに来日を果たした。実はこのカメ、来日前から気になっており、どうにかして手に入れられないかと思っていたところ、某所の店で直輸入していたと知り手に入れていた。それくらい推せるカメだった。だから来日に両手を上げて喜び、

目と目があったら(以下略)

最早目を合わせる必要もなく支払っていた。推しに貢がせてくれ、その一心で。

そんなわけで、海に済む魔物にまんまと心と財布を握られてしまったオタクの末路でした。いや、まだ理性は残ってるはず。たぶん、メイビー。皆、ダッフィーアンドフレンズ買おうね。

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