神韻(シェンユイ)見に行きました③
続きです。
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※いきなり内容に触れたネタバレになるので
ご注意ください。
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前半の休憩中
隣の席に私たちと同じような年齢の
女性二人組の話し声が
聞こえてきました。
「普通にエンタメだと思って観にきたけど
衝撃的だったよね。」
「なんだかちょっと泣きそうだったもん。」
「こんなメッセージ性の強いものだって
知らなかったよね。
でも拡散すべきよね、これ。」
私と後輩はその会話を聞きながら
心の中で何度も頷いていました。
私たちはたまたまネット上で
事前に知っていたけど
そうじゃなければそういう反応よね、と。
そして今なお中国の人たちを
苦しめている政治の圧力に
何か訴えかけているものを感じました。
演目と演目の間にアナウンサーが
説明を添えてくれるのですが
その説明の中で言われていました。
「私たち神韻はニューヨークを拠点にして
全国を飛び回っていますが
中国本土では講演できません」と。
怪しいと感じたものも
彼らの受けている迫害や言論統制で
ストレートにメッセージを送れない
そういった背景を
平和な場所に住んで知ることのなかった
私たちが汲み取れなかったからだと
いろんなことが繋がった気がしました。
そもそもあの国土の広さに
様々な民族がいる中で
「中国」と一括りにしちゃいけないよね
と反省しながら
少し違った視点で後半は
始まります。
同じような感想を抱いたのか
会場の人たちも前半より
気持ち真剣に観ているように
感じました。
そして後半一発めの
ドライアイスの雲海に包まれた
天女の舞は
私がその日いち
美しいと感じました。
その後ウイグルやチベットなどの
伝統的な衣装と舞が繰り広げられ
あくまで民族主義的な立場を
主張しているように
感じられました。
同じように様々な時代背景や
時折前半と同じような
中国語の歌もありながら
最後にもう一度
舞台は現代に飛びました。
「また政治的なメッセージを
投げかけてくるな」
とわたしは思いました。
するとスマホを片手に
歩きスマホする人たち
なにやらYouTube撮影のような
ことをする人たち
その後情報統制や
ゼロコロナ政策を思わせる描写
悪役として出てくる自警団は
中国共産党を思わせる赤の服
たしかにこれは本国では
講演できないわ
と思いながら
舞台は様々な民族の衣装を
見に纏った団員さんが
全員挨拶をして終了に向かいます。
観客全員に強いメッセージを
投げ掛けたこの講演は
その後やはりグッズのコーナーでも
より客足が集まっていました。
感動したのも確かなのですが
「ビジネスというのはやはり
心を動かせたものの勝ちなんだな」
と冷静な思考も持ちつつ
後輩と意見交換をしました。
私は所々で原寛太さんのYouTubeを
思い出していて
家に帰ってまったりする間に
ぜひ後輩にも伝わりやすいように
それを見て欲しいと思って
原寛太さんの動画を薦めていました。
原さんは主にアフリカを
取り扱っているのですが
民族主義を国家に否定されたことによる
悲劇が今も続いている現状は
近いものを感じました。
後輩も原さんに「かっこいい」と
好感を持っていて
今後も観てくれそうな雰囲気を感じました。
先程の女性たちではないですが
私たちも「エンタメ」として
観に行っていたはずなのですが
いつのまにか国際社会について
考える場になっていました。
たしかに私たちも力になりたいと
思ってしまう凄まじいエンタメだと
思いました。
それとともに島国の日本では
考えることのない
隣の国での民族主義の話
まだまだ考えてもいいんじゃないかと
思わせられました。