洒落怖の「リアル」の恐ろしさを言語化してみた
こんにちは、SISです。
最近更新をサボっておりましたが
久しぶりに書来たいと思うネタができました。
最近知り合いに勧められて
アニメの「ダンダダン」を見始めました。
私が元々都市伝説が好きだと
知っていた知り合いから
「都市伝説好きなSISちゃんなら
元ネタがたくさんわかって面白いと思うよ」
と勧められたのでした。
確かにみてみると
私にとっては懐かしいと思うネタの
パロディの宝庫でした。
都市伝説に関してはYouTubeなどで
追ってはいたのですが
私が好きな都市伝説系YouTuberは
ここのところ陰謀論寄りになっていて
2ちゃんねるの洒落怖のような
「元祖都市伝説」のようなものには
久しく触れていなかったので
改めて都市伝説というものに出会った時の
あのワクワク感を思い出しました。
「都市伝説」というと狭い界隈の
エンタメのように思えますが
私は2ちゃんねるの洒落怖に関しては
みんなが知らないだけで
ある種万人受けするような
魅力があると思っています。
まず私は何度もあの洒落怖の中で
全くの作り話であったとしても
気にならないような
文章の精度の高さに驚きました。
その中で最も印象に残っているのが
「リアル」というストーリーです。
私は知る怪談の中で
最も怖いと感じた話で
本当にあったかどうかなど
全然気にならないほど
ストーリーとして完成度が高く
むしろ作り話であってほしいと思うくらい
怖い話でした。
もしこの話の内容が気になる方は
リンクを貼っておきますが
怖すぎて風呂キャンセルしてしまいますので
寝る準備を整えて観るのをおすすめします。笑
↓
いかがだったでしょうか?
最後の数分でゾッとさせられましたよね?
それと同時に最後の最後まで
読者を欺く文章力、
その才能にもゾッとしませんでしたか?
この語り部は
「より伝わるように」敢えてこの手法を
使ったとなると、とんでもない鬼才だと私は思いました。
ここで本題にある「リアル」が
怖い理由を言語化してみました。
①呪いの発動条件
私は最初にこの話を読む前に
お風呂に入って頂くことをお勧めしました。
なぜなら私自身がこれを観た後に
入れなくなったからです。
こんなに恐ろしい目に遭うための
トリガーとなった儀式
これが詳細は隠されていたものの
なんだか日常の中でうっかり
行ってしまいそうな手法でしたよね?
しかも私たちはお風呂に入るにしろ
髪を乾かすにしろ
洗顔するにしろ
歯を磨くにしろ
日常の動作の中で必ず
「鏡」というものが不可欠になります。
この日常にあるはずの「鏡」というものは
階段を見た後だとなぜだか
人は底知れぬ恐怖を感じるのです。
②理不尽さ
このうっかり行ってしまいそうな
簡単な発動条件を満たしたことで
主人公はそこから
後悔してもしきれぬような恐怖体験に
巻き込まれていきます。
よくあるエンタメのホラーなんかは
そもそも被害者自身にも
元々かなり問題があることもあり
悲惨な目に遭ったとしても
ある意味勧善懲悪のような
スッキリ展開も含んでいたりします。
主人公サイドで大して悪いことをしていないのに
巻き込まれるような完全被害者のような
ポジションの人間は
紆余曲折あっても結局救われたりするので
最後まで見れたりします。
ただそんなご都合展開ではない所に
この話の「リアル」な点があります。
歴史を振り返っても
凄惨なホロコーストがあったように
現実というのはそんな綺麗な因果応報などなく
理不尽な展開に巻き込まれることがあります。
これがフィクションとの大きな差と言っても
いいかもしれません。
まさに霊媒師の言葉にこれが集約されています。
③何度も読者を安心させて裏切る
そんな中でも何度か
呪いが落ち着いたかと思われる展開が
訪れます。
今まで私たちが見てきたホラーなんかは
割とそうやって大変だった中でも
大して悪いことをしていない主人公に対して
みんなが総動員で助けて
最後は助かるものなのです。
そもそも私たちは物語の最初に
この語り部の大きな罠にはまって
安心しきってこの話を見ています。
「まぁ、なんだかんだあっても
この人が今この話をしてるってことは
最終的にどうにかなるんだろ」と。
そんな安心すらも
最後の文章で打ち破られることになります。
④文章力
最後はなんといっても
そんな安心感を与えたところで
最後に絶望感を突き落としてくる
その巧みな文章力です。
これにより読者の不安が現実化し
救いのないものになっていきます。
以上によって
完璧なホラー話が出来上がっている、
そしてその完成度に
感動すら覚え、さらにゾクッとする
そんな伝説の物語となったのかと思います。
そしてその芸術性の高さに
考察までしてしまうほど
私はその文章力に魅了されています。
私もそんな伝説の文章を
書けるようになりたい、
そう思わせるような
ゾッとする洒落怖な話でした。