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肺気胸で緊急入院した話①


大学4年の冬に
バイトでやっていたキャバクラで
とくに仲の良いお客様がいました。

現場で働いてる方で
見た目は怖いけど
意外とウブなところのある
かわいらしい一個上のお客様でした。

今思うと明らかに贔屓をしていて
夜中にもよく長電話していました。
当時遠距離恋愛をしていたので
彼氏から咎められることもありませんでした。

そんな長電話していたある日
背中に痛みが走りました。

「いったーーーー」
「大丈夫?」
と随分心配されましたが
「大丈夫、たぶん肺気胸」
と返していました。

なぜ私がすぐに肺気胸だとわかったのかと言うと
19歳の時に一度なったことがあったからです。

肺という器官は
寂しさという感情で悪くなりやすい
と聞いたことがあります。

初めて肺気胸の自覚症状を覚えたその日は
まだ実家から離れて数ヶ月
彼氏もおらず
遊ぶ友達も
たまたま誰ともタイミングが合わずに
一人泣いていた時でした。

胸の痛みとポコポコと空気が抜ける音が
自分の体から聞こえていました。

ポコポコは数日続いたので
バイト先の先輩に相談したら
「肺気胸なんじゃない?
 あなたみたいなスリムな若者が
 なりやすいのよ」
と言われました。

私はすぐに帰ってネットで調べて
症状を確認して
「まさにそれだ」
と自覚して
病院に行くことにしました。

「気胸ですよね?」
「よく知ってるね、そのとおりです」
お医者さんに言われました。

私はこの頃からよく
体がおかしくて病院に行く前に
ネットで自己診断をして
自分の病名を当てる
というのをやっていました。

私の自己診断はかなり高い
確率の命中率だったかと思います。

この時はそこまで深刻ではなく
様子見で終わりました。

ただ肺気胸とはクセになりがちな病気です。
何度かこの後も軽度な同じ症状には
なりました。

とくに私は
バイトを掛け持ちしていたので
忙しい日が続いて
睡眠不足になったりすると
この症状が出やすくなったりしていました。

だからこの時と
前回申し上げた大学4年の時以外も
何度かなったとしても
「ああ、またか」
というような感じでした。

ただこの大学4年の時のものは
今までのものより
痛みが激しかったのです。

ただ例えると
タンスに小指をぶつけるような
「いってーーーー」
みたいな痛みです。笑
一瞬悶える痛みだけれど
まだ日常の範囲内というか
会話が出来るレベルです。

気胸の痛みは私の中で
日常の範囲内だったので
その後もしばらく電話は
続けることができました。

ただ感覚的に思ったのが
次の日の朝の飲食店のバイトには行けないな
ということでした。

その飲食店は少々交通の便の悪いところにあり
私の家から自転車で30分ほどかかります。
しかもその日は雨が降っていて
バスなどもないので
傘をさして自転車で行くしかないのです。
それが出来る状態でないのは 
すぐに分かりました。

その日はもう夜中3時を回っていたので
朝起きてすぐ店長に連絡することにしました。

つづく


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