トンネルの出口、その先
治療再開から1ヶ月が経った。
結論話すと、3回目の移植にして、初めて妊娠をした。
移植後からほぼ無症状に近かったため、判定日前のメンタルはズタボロ。
9割9部9厘、諦めの気持ちでクリニックへと向かった。
陽性判定を受けた時は、もちろん嬉しかった。
けれどそれ以上に、とてつもない不安が襲いかかってきた。
あれだけ待ち望んでいた、長い長いトンネルの出口。
過去の自分がそう思っていたこの場所は出口ではなく、「切れ目」だった。
新たな、長い長いトンネルをその先に見てしまった。
「陽性判定を受けたのだから、素直に喜べばいいのに」
そう思う人もいるかもしれない。実際、今まで見送ってきた陽性判定を受けた仲間達に対してはそう思っていた。
でも、彼女たちはみんな口を揃えて「不安しかない」と言った。
今その立場になるとわかる。喜び以上に不安な気持ちが大きくて、素直に喜ぶことが難しいのだ。
2回目の移植、化学流産だった。その記憶がどうしても頭から離れない。
その時は胎嚢も確認できなかったまま流れてしまったし、正直実感はなかった。
けれど、自分の体でも着床はできたんだと、強い喜びがあった。
それとともに、喪失感もまああった。
今回はBT14で胎嚢を確認できている。それだけで前よりは進んでいるけれど、
「次の検診で急に成長が止まってしまったらどうしよう」
そんな考えがずっと頭の中を駆け巡り、検索魔になる。
というのも、現在5w4dにしてほぼ無症状。悪阻もなければ、眠気や胸の張りも一切ない。それどころか、4日前に生理1日目くらいの大量出血もした。
血の気が引いた。
その時はすぐクリニックで診てもらって、問題ないと言われたものの・・・
帰宅中すでに、「さっきは大丈夫と言われたけど、今はもうダメかもしれない」
と考えている始末。
実際昨日も、便座にポタポタと垂れるような鮮血が出た。
止血剤や子宮収縮抑制剤をもらったものの、やはり気が気じゃない。
1日1日を祈るように過ごしている。
悪阻があったってなくたって、出血があったってなくたって
お腹の子の命に関わるかどうかなんて誰もわからない。
妊娠初期は、医療でどうにかできることがないという。
本当に、祈るしかできない。お腹の子を、信じるしかできない。
でも、その信じることすら難しい。
なぜなら、実感がないから。
昔は、幸せな気持ちで満たされると思っていた妊娠初期。
現実は正反対だった。不妊治療しているからということが大きいのだけれども。
次の検診は明後日。出血がありませんように。無事成長していますように。
これから、出産まで、その先も不安は続く。
耐えるしかない。
やっとここまで来られたんだ。この奇跡を絶対に手放したくない。
神様なんて信じてないから、誰に祈ればいいかもわからないけど
どうか、どうか無事に育ってくれますように。
この奇跡を、失いませんように。
see ya