「うさのわ」応援特別編 山の白兎伝説
「白うさぎに導かれ、いにしえの神々に会いにゆく」本編に入る前に、11月9日(土曜日)に鳥取県八頭町で開催されるウサギイベント「うさのわ」応援として、山の白兎神伝説をダイジェスト版でご紹介しましょう。
本編ではかなり後半部になるので、イベントに間に合うように簡単にまとめてみました。
ウサギを神使とする神社はあちこちにあるが、神として祀る神社は非常に少なく、その数少ないウサギ神の神社が鳥取県に二社あります。
一つは因幡の白兎とオオナムチノカミ(オオクニヌシノミコト)のエピソードで知られる、日本海に近い場所にある鳥取市の白兎神社。
もう一つが内陸部の八頭町にある山の白兎神社、福本白兎神社。
『古事記』でおなじみの因幡の白兎はご存じの方が多いでしょうが、福本白兎神社の白兎エピソードはまだあまり知られていないのでは?
簡単にご紹介しましょう。
遠い昔のこと。
アマテラスオオミカミが天から降りてこられ、仮の住まいにふさわしい場所を探しておられた。
そこへ一匹の白兎が現れて、アマテラスオオミカミの衣の裾をくわえて引っ張り道案内をした。
やがて大きな二つの石がある山に着き、女神はその場所が気に入られ仮の住まいとなされた。
しばらく住まわれた後、そこにあった大きな石の上に冠を残して立ち去られたのだった。
この白兎はツクヨミノミコトの化身だったと伝えられている。
海の白兎神社の白兎神がオオクニヌシノミコト、山の白兎神社の白兎神がアマテラスオオミカミ、なぜか現代日本の神々ツートップと深い関わりを持つのがたいへん興味深いです。
ところで現在の福本白兎神社の拝殿は近年に作られたもので、古来の社殿は同じ八頭町の成田山青龍寺に保存されています。
アマテラスオオミカミをご案内した白兎神の神社はもともと三社ありましたが、国からの命令で賀茂神社に合祀されました。
そのうちの一つが福本白兎神社で、地元民のとりこわすのがしのびないという気持ちをくみ取り、大正時代に青龍寺本堂内に移築され、江戸時代の作とされる見事な波兎の彫刻などが昔のまま大切に守られています。
一度合祀された白兎神をもう一度地元へ呼び戻した人々に、白兎神はとても大切にされているんですよ。
郡家駅の中には八頭町観光協会と白兎伝説を紹介した展示コーナーがあり、とても見応えがあります。
うさぎのお土産コーナーもあり、工芸品やお菓子、「神兎」米など、あれもこれも欲しくなるものがたくさんあります。
昨年秋に第一回うさのわが開催され、短い準備期間で周知があまりできなかったにも関わらず盛況だったそうです。
そして今年は第二回うさのわが、11月9日土曜日に八頭町、船岡竹林公園で行われます。
昨年以上に出店やイベントが増え、ウサギ好きだけでなく、可愛い物好き、おいしい物好きが喜ぶ楽しい催し計画がなされています。
鉄のウサギと言えるラパンも集まるなど、詳細はXやインスタの「やずうさぎプロジェクト」でご覧いただきたいかと。
八頭町は日本の田園風景の原点とも呼べるようなのどかで豊かな自然が広がる場所。
山の白兎伝説や普段なかなか接点のない美味しいお店の味、可愛いオリジナルのウサギグッズなどに興味がある人に是非お勧めです。