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白うさぎに導かれ、いにしえの神々に会いにゆく 序文と目次(暫定)

これまでの神社巡りを基にした紀行『白うさぎに導かれ、いにしえの神々に会いにゆく』の連載をスタートします。
参拝した神社すべてではありませんし、まだ最後まで書き上げていませんので、できあがった順に公開します。

2018年から、あるきっかけで寺社巡りを始めて今年で七年目。
たいていの神社巡りエッセイは、「神社が好きで行っている」「なんとなく呼ばれて行ったら良いことがあった」「この記事を読むと御利益が!」的な「神様に感謝しましょう」の視点から書かれたものがほとんど。
すみません、私の紀行文はありがたくもないし、読んだからといって御利益があるのかどうか。
もちろん自分から進んでお詣りに行った神社もありますが、ほとんどの場合「どうして呼んだ!この忙しい、お金無い、疲れている時に呼ばないでよ」と、さすがに参道には人がいるので声には出さないものの心の中で思いっきり不満をぶつけ怒りながらの参拝がほとんどでした。
なぜ罰が当たらず、おまけにしょっちゅう呼ばれるのかと、素朴な疑問を抱いております。
詳しくは本文に記しますが、2018年に初めて白兎神社と出雲大社にお礼詣りして以来、なぜか頭にホワーンと神社名が浮かぶようになり、「そのうち機会があれば」と先延ばしにしていれば、思いがけない怪我や普段の薬が全く効かない持病の発作に襲われ、痛い苦しい思いを延々とする羽目に。
小康状態でなんとか旅に出られるようになって、ホワーンと浮かんだ神社へお参りするとあら不思議、まだ残っていた痛みや症状がケロリンと治っているというありがたくない体験が続いたのです。
そのためホワーンが来ると文句を言いつつその神社へ。
行かなきゃ痛い目に遭いますからね。
そんなこんなで主に山陰、山陽、奈良の寺社を巡り、そのうちなんとなく「書いた方がいいのかな~」という気持ちに。
念押ししますが、本当にこれを読んでもパワースポットからの御利益だの運勢が良くなるだのは無いと思います。
開運を望むなら、「ここにたどりついたあなたは選ばれた人です」的な寺社巡りサイトへ行ってくださいな。
そしてここに記す神様の姿は、従来の神々のイメージとはかけ離れていることもあるかと思います。
私が個人的に受け取ったイメージにすぎませんので、そのおつもりで。


5月の末から構想を起こして、ようやく形になったのは9月の末。
とにかく時間がかかったのは、全体の構成がうまくまとまらなかったからです。
参拝した順番や思いつくままに並べるのなら簡単でした。
なかなか書き出せなかった理由は、私自身の不満に由来しています。
最近はずいぶん改善されたものの、神社のサイトを見てみると起源や由来や御利益はずらずらと並んでいるのに、肝心な点がわかりにくいことが多かったのです。
それは「この神社にお祀りされている神様はどなた?」ということ。
いつできて、どんな歴史的有名人が関わって、歴史上どんな影響を与えたかということも大事でしょうが、最重要項目は「この神社はこの神様がいらっしゃる」「この神様はこういうお方です」ということだと思うんです。
興味ないんでしょうか、皆様?
私はあります。
「どんな神様がこっちが忙しい最中に呼んだのよ!」という気持ちもありましたが、それとは別に神社は神様のおいでになる聖なる場所、どなたのお住まいですかというのは気になります。
私に限らず有名な神社の名前は知っていても、「では御祭神は?」となると「はて?」ということが多いのではないでしょうか。
このような事情から、行った順番ではなく、神話伝承の中の神々についてご紹介しながら神社巡り紀行を編集しようと考え、あまりにもたいへんで後悔し、それでもなんとか作ってはやり直し、再構築してはまた壊しでようやく編成したのがこの紀行文。
不細工な構成ですが、現在のところ一番読み手にわかりやすいのはこうかな~と、とりあえず進めることにしました。


すべての始まりは因幡の白兎から。
というわけで、白兎と助けたオオナムチノカミ(オオクニヌシノミコト)の出会いから国造りと国譲りまでを第一部、遡って日本誕生から三貴神までを第二部としてまとめてみました。
「どうして伊勢神宮が最後なんだ?」という問いには、「きっかけが白兎とオオナムチノカミですから、因幡と出雲からスタートして大トリが伊勢神宮です」とお答えしましょう。
ものすご~く苦労して、できるだけわかりやすく神々の物語と参拝した神社のエッセイをまとめたのです。
これ以上は動かしようがありません!


初めて白兎神社と出雲大社に参拝した翌年に、なぜか生きている白兎を知人が保護して我が家にやってくるという珍事が。
この白兎ましろおもちは、今も元気に大きなお顔と態度で我が家に住み着いています。
周囲の人たちは「神の遣いだ」とおっしゃいますが、飼い主には無精女子ウサギにしか見えません。
唯一のもふもふ家族となったこの白兎をモデルにナビゲーター的な見出し画像を作成していただきました。
どうもこの白兎に導かれてあちこちの寺社にご縁ができたとしか思えません。
ありがたいのか迷惑なのか、出歩くのが好きではない飼い主が五十代半ばから還暦過ぎた現在まで、はるばる飛行機やら新幹線の距離を移動し、さらに奥地の神社へせっせと行く羽目に。
還暦を超えて足腰が弱っているし、おまけに左股関節は変形性股関節症になり始め、右股関節は先天的な異常持ち。
食物に複数のアレルギーがあるため食べ物は制限されますし、一人旅なので泊めてくれない宿も多く宿泊施設はかなり限定され、車の免許は持っていないので公共交通機関とやむを得ない場合はタクシー利用。
そんな状態で山道を登るわ、長い石段を上がるわ、数少ない汽車やバスの時刻表をにらんでスケジュールを組むわの過酷な作業の連続。
この白兎は神の遣いじゃなくて神の刺客なんじゃないかと疑う飼い主でございます。

頭にホワーンと浮かび、なんとなく後ろからささやかれているような会話が出てきますが、正直なところ「これってただの妄想なんじゃないか?」という疑いが常に頭の片隅にございます。
寺社巡りをしている方々が「神様が現れました」「こうおっしゃっています」と堂々と述べておられるほど、私は自分を信じておりません。
神仏や精霊などの人を超える存在はいると思っています。
ただ、自分がそういう存在からのメッセージ的なホワ~ンを受け取るに値する人間かどうかという点については疑問をもっているんですね。
幸い高価な本や壺を他人様に売りつけたり、反社会的な行動に出るような内容は浮かんでこないので、被害は私の体力財力時間の喪失だけ。
付け加えれば、旅に出ている間にイタズラ白うさぎを預かってくださる知人にご迷惑をおかけして申し訳ないです。
すみません、苦情は痛めつけてでもお呼びになる神様へどうぞ。
などなど、さらっと読み流していただければと思います。


見出し画像は三種類。
うちで飼っている白うさぎ、ましろおもちをモデルに、ウサギ神シリーズの見出し絵を描いてくださったキュウトグラフィックスさんにお願いしました。
「神話・伝承編」「紀行編」「解説編」によって見出し画像が変わります。
この記事の画像は「紀行編」の絵です。

目次は暫定ですが以下の通りです。

白うさぎに導かれ、いにしえの神々に会いにゆく 

第一章 白兎と心優しい神の物語

神話・伝承編 1 因幡の白兎とオオナムチノカミ(後のオオクニヌシノミコト)の物語  八十神やそがみによる殺害と復活、そして黄泉の国へ避難

紀行編 1-1 白兎はくと神社

紀行編 1-2 賣沼めぬま神社

紀行編 1-3 赤猪岩あかいいわ神社

紀行編 1-4 大神山おおがみやま神社 本社と奥宮 


神話・伝承編 2 オオナムチノカミが頼ったスサノオノミコトとは?

紀行編 2-1 八重垣やえがき神社

紀行編 2-2 須我すが神社

紀行編 2-3 須佐すさ神社

紀行編 2-4 熱田あつた神宮

  

神話・伝承編 3 試練と帰還そしてオオクニヌシノミコトの国造りの協力者たち

紀行編 3-1 粟島あわしま神社

紀行編 3-2 大神おおみわ神社



神話・伝承編 4 その使者って……国譲りに至るまでのすったもんだ

紀行編 4-1 天穂日命あめのほひのみこと神社

紀行編 4-2 勝田かんだ神社


5 神話・伝承編 国譲り成立と神々の首都・出雲

紀行編5-1 出雲大社いずものおおやしろ

紀行編5-2 美保みほ神社

紀行編5-3 諏訪すわ大社

紀行編5-4 鹿島かしま神宮 

紀行編5-5 万九千まんくせん神社

紀行編5-6 長浜ながはま神社

  

第二章 遡って神々の誕生と国生み神生み

  
神話・伝承編 1 別天津神ことあまつかみの系図

紀行編 1 サムハラ神社奥宮


神話・伝承編 2 イザナギノミコトとイザナミノミコトの国生み神生み

紀行編 2-1 自凝島おのころじま神社

紀行編2-2 佐太さだ神社

紀行編 2-3 神魂かもす神社

紀行編 2-4 揖屋いや神社と黄泉比良坂よもつひらさか

紀行編 2-5 伊弉諾いざなぎ神宮

紀行編 2-6 白山比咩しらやまひめ神社


神話・伝承編 3 日本史上最大の姉弟喧嘩 アマテラスオオミカミとスサノオノミコト

紀行編 3-1 厳島いつくしま神社

紀行編 3-2 天河大弁財天社てんかわだいべんざいてんしゃ

紀行編 3-3 福本白兎ふくもとはくと神社と成田山青龍寺なりたさんせいりゅうじ

紀行編 3-4 伊勢いせ神宮



解説・感想編

1 神と仏の違い 

2 神仏習合と修験道 

3 神の魂について

4 スサノオノミコトは荒ぶる神か文化神か

5 海の二面性 なぜスサノオノミコトは海の支配を命じられたか?


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