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【リバース1999】第3~4章までのストーリー解説&考察
今回の動画では第3章から第4章までのストーリーの重要な点を掻い摘んで考察を加えて解説していきたいと思います。
序章から第2章までの解説は別にあげているのでそちらを御覧ください。
【第3章:物語は何処にもあらず】
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3章はヴェルティの12歳の頃の記憶を追体験します。
Part1のカルデア神託では神秘学家の性質や歴史について語られております。
まず神秘学家はグノーシスという個別に持つ特殊な経路から知識を得ていると説明されております。
そもそも『グノーシス』とは何かを説明すると、『グノーシス主義』に於いて『認知』を意味する言葉で”神(救世主)によって与えられた究極の知恵”と定義されております。
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ではここでリバース1999の世界観に於いて重要になってくるだろう『グノーシス主義』について解説していきます。
『グノーシス主義』とは初期キリスト教から派生した宗教思想運動で、私達の世界はソフィア(知恵)が産んだデミウルゴス/ヤルダバオート(偽の神)によって創られた物質世界であり、瑕疵のある『悪の宇宙』であると定義しております。
またこの思想の根底には”私達の世界は間違った世界であるから過酷で悲惨なものである”という仏教に似た考えがあり、ゲーム内に於いては財団やマヌス・ヴェンテッタの思想に通ずるところがあります。
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しかしながらこの考えはカトリックの考えに反するものだったため、キリスト教内から迫害を受け8世紀頃には衰退してしまいました。
数百年しか歴史がない謎めいた宗派ですが、しかしその神秘的な思想は魔術や錬金術に影響を与えたり、ズルワーン教やユング心理学、また第5章の題材となる新プラトン主義の『洞窟の寓意』とも関係性があります。
グノーシス主義/新プラトン主義を用いた考察――
グノーシス:”認知”を意味しており、”神(救世主)によって与えられた究極の知恵”
へノーシス:神と自己の同一=洞察2の姿?
テウルギア(神慟術):プラトン主義の文献であるカルデア神託には”人智に勝る力で神憑り業”と著されている=神秘術
テウルゴス(神働術者):”類似のものを以て類似のものを作用させる者”また魂の内なる神性との同一化した者と定義されている。=神秘学家
全校集会のシーンでは、最前線学校では数千年もの間、貧困層や収容所から神秘学家の子供を引き取り、”教育”した後、”人類社会の貢献のため”に財団や前線の兵として送られている事情が語られます。
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またヴェルティがこの時は12歳で生後1ヶ月にして学校に送られた事が語られます。
そしてヴェルティが校長に『ストーム』について訪ねると、彼女は罰則として監禁部屋へ連行されてしまいます。
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監禁部屋に行くとそこには同じくお仕置きを受けていたリングという少年と出会います。
ヴェルティは清掃員から「ストーム」という言葉を知ったことや、清掃員が精神病棟へ送られたことを教えます。
なおこの時点ではヴェルティは『ストーム』という名前を知っていただけで、どういう現象なのかまったく知っていない様子でした。
リングは職員室から持ってきた新聞をヴェルティに見せ、そこには「財団がストームの存在を隠蔽している」と書かれており、それを見たヴェルティ達は財団への疑念と好奇心に駆られ”ある計画”を立てるのでした。
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この新聞はマヌス・ヴェンテッタが空中からばら撒いたチラシでしたが、当然遡ってきた世界ではストームの存在を知る由もないので問題は軽微だとコンスタンティンは判断します。
寧ろマヌス・ヴェンテッタが財団の付近に潜伏している事や、彼らの拠点がストームの影響が及ばない場所にあると言い当てます。
また序章の1966年の時点では『ストーム』の発生タイミングを明確に予測出来ておりましたが、この時点の財団にはその能力がなかった事がわかります。
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一方ベルティとリングは外の世界に興味のある者を呼びかけていました。
すると20名ほどの生徒達が呼びかけに応じオークの木の元へと集いました。
ここで気になったのは「ペニー」という子と「リング」だけ名前に閉じカッコが付いていることです。
「リング」は劇中には多く登場していますが「ペニー」という子はこれ以降一切名前が出てきておりませんでした。
今のところ考察の余地もありませんが、覚えておいたほうが良いかもしれません。
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話を戻しますが、ヴェルティ達は互いの出自や外での記憶を語り合います。
次第に彼らは外に対する好奇心は増し、自分たちには自己があり個性があることを校長に主張しようと考えました。
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そしてイザベルが偶然マヌス・ヴェンテッタの詩が校歌のメロディに合致することに気付き、パレードの時に歌おうと提案しました。
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2週間後のパレードに計画は実行されてしまい、当然辺りは騒然とし生徒達は強制的に歌うのを止められ、ヴェルティはこのとき太ももに催涙弾が当たって気絶してしまいました。
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レディZはパレードの騒動をコンスタンティンに報告します。
コンスタンティンはヴェルティのことをずっと知っていたようで、ストームの雨に濡れても異変が生じなかった事や、ベルティの母親と面識があったような事をつぶやきます。
そしてコンスタンティンは猜疑心が芽生えてしまったヴェルティを自分の駒にしようと目論みます。
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パレードで校歌を変えて歌った子どもたちの半数以上は反省しましたが、残りの8人は大人達への猜疑心を膨らませ脱走しようと決意します。
ヴェルティは学校の見取図を確認しながら逃走経路を考えますが、メスメルに渡した地図がコンスタンティンに押収され、計画がバレてしまいます。
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コンスタンティンはヴェルティを手中に収めるため、敢えて生徒たちがストームに巻き込まれるように仕向け、恐怖心を与えてヴェルティを服従させようと画策します。
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脱走の日、ヴェルティ達は慎重に経路を選びながら進みますが、コンスタンティンによって誘導されていることは知る由もありませんでした。
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しかしながらリーリャはパトロールの配置などに違和感を覚え、財団が何かを企んでいることに気付きます。
リーリャは指導をしようと逃走する生徒達の前に立ちはだかり止めようとしますが、ソネットに石にされてしまいました。
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奇跡の芽は無垢な善意によって摘み取られ、見えざる手によって破滅へと向かっていきます。
生徒たちは希望に胸をときめかせながら雨の降る外の世界へと出て行きますが、生徒たちの身体はストームによって断片的になってしまいました。
この時はじめてヴェルティはストームの脅威を目のあたりにし、側に居合わせたZにタイムキーパーになるように提案されます。
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第3章の重要な点をピックアップ
・”しゃがれ声のおじさん”曰くヴェルティが見ていたのは記憶ではなくあくまでも夢である。
┗実際の記憶と齟齬があるかもしれない。
・「リング」と「ペニー」だけ名前に「」が付けられ強調されていた。
┗なんかしらの意図はあるはず。
・ヴェルティがストームの雨に打たれながらカエルを取っていたが、ヴェルティだけではなくカエルにも影響がなかった。
┗動物はストームの影響を受けないのか、はたまたカエルだから影響を受けなかったのか
・ヴェルティにタイムキーパーになるように提案したのはレディZ
【第4章:群虎黄金】
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3章で見たヴェルティの過去をドルーヴィスも夢で同じものを見ていたようなのですが、ユング心理学の基づいて考察すると色々と合致する部分があります。
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ユングの解釈では人の無意識は根底の部分で全人類と繋がっていると考えられており、コレを『集合的無意識』と言います。
そして人は『集合的無意識』を通じて他人と同じ夢を見ることがあると説明しています。(シンクロニシティ)
更に考察を深めると4章のラスボスである『夢境のヌシ』は、ユング心理学に於けるトラウマや抑圧された精神を意味する『シャドウ』が当て嵌まるかもしれません。
またストーリーの道中に出てくる『しゃがれ声のおじさん』ですが、彼はヴェルティの知らない事情を知っていたり、彼女の導き手となる存在ですが、これは人の精神の一つの性質(元型)である『老賢者』に該当します。
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ユング心理学はグノーシス主義に強く影響されているので、他にも関連性があるかもしれません。
話を戻しますが、第4章ではヴェルティを助けるため、Zやドルーヴィス達が奮闘する話となっております。
ヴェルティは強制的に眠らされる前にZと会話しており、『ストーム』が8年間続いていることや、その間に財団内では人類陣営による神秘学家達への抑圧が強くなっていることを指摘します。
そして”中立で安全な立場”を提供するようにZに交渉します。
Zは人類側の派閥ですが元より財団のやり方には疑念を懐いていたようで、ヴェルティの協力者になることを了承します。
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一方ドルーヴィスはスーツケースの中でヴェルティの帰りを待っていましたが、彼女が帰ってくることはなく、財団への不信感を持ちつつコンスタンティンとの面会へ向かいます。
ドルーヴィスはあくまでもヴェルティに助けてもらったから付いてきただけで財団へ協力する姿勢を見せませんでした。
しかしコンスタンティンは高圧的な態度で財団絶対主義の思想を押し付け、財団に所属しなければヴェルティは寝たままだと脅します。
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ドルーヴィスは財団への不信感をより強め、同じく財団へ不満を募らせていたZと意気投合し、Zはドルーヴィスにクーデターを起こすように発破をかけます。
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ドルーヴィスは自身の夢とヴェルティのために立ち上がり、サザビーやレグルスなど仲間を集め、財団側へ自分たちとヴェルティの自由の権利を訴えます。
ドルーヴィス達はスーツケースの回りを木々のバリケードで多い囲み、座り込み抗議の形でデモを起こします。
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一方、Zは委員会にストーム改革というヴェルティを中心とした組織を作れるように強力な権限を与える案を出します。
しかし議論の途中からコンスタンティンが参加し、ヴェルティの脱走の件を引き合いに出され委員会からは難色を示されます。
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更にヴェルティの忠義心を疑われた際、ソネットが参考人として召喚されますが、一時的にマヌス・ヴェンテッタに加入した件や独断でレグルスを仲間に加えたことを言及され動揺してしまい更に風向きは悪くなっていきます。
ですがコンスタンティンは対マヌス・ヴェンデッタの組織として一考の余地があると言い草案を可決します。
しかしながら草案が通ったのはコンスタンティンの計略で、公の場に引きずり出して否決することで草案を徹底的に潰すつもりでした。
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代表者は反対派がヴェルティの欠点を付いてくるだろうと読んで対策を練りますが、反対派からは予算を引き合いに出されてしまい後手に回ってしまいます。
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反対派の票が増加し劣勢になった推進派は、票を得るために協力者を探します。
選ばれたのは人類党の党首でバーナードという男でした。
彼は選区を拡大するためにシカゴ駐屯所の職務怠慢を訴えようとしていましたが、最高裁判所にもみ消しにされておりました。
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そこで一連の事情を知っているソネットを弁論者として召喚します。
ソネットはシカゴで起こったデモの際そこに居合わせており、職員達の怠慢な態度を知っておりました。
またシュナイダーが家族を保護してもらうように頼みに行ったにも関わらず、職員は庇護金を要求しただけではなく中傷を行っていた事が露呈します。
こうしてソネットが弁論デュエルに勝利したことで票を確保することが出来ました。
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一方同時刻ではZが2日間に渡って改革案議会を牛歩戦術で引き伸ばしておりました。
コンスタンティンは思惑通り推進派が負けるだろうと読んでいましたが、”鳩小屋”から伝言役として帰ってきた会長からの一言で、寧ろ改革を通さなければいけなくなりました。
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コンスタンティンは改革を通すために修正案を作ってきましたが、既にZが同じような修正案を提示していたり、ソネットの活躍によって票を獲得したことによって、コンスタンティンの権力を使わずとも改革案は優勢に傾きます。
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4週間ほぼほぼ放置されていたドルーヴィス達でしたが、なんの意味もなかったというわけではなく、忍耐力やヴェルティへの信頼心がリーリャの情を買い、結果として早急にヴェルティを開放することが出来ました。
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リーリャはヴェルティとの約束を果たすため、強制睡眠状態だったヴェルティを解放し、仲間の元へ連れて帰ります。
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リーリャはコンスタンティンにヴェルティを拘束していた理由を尋ねますが、はぐらかされ真相は分からずじまいのままでした。
そして最後にヴェルティが”鳩小屋”という財団の上の組織の目を引いた事を告げて去っていきました。
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第4章の重要な点をピックアップ
・財団では神秘学家と人類が共存しているが、人類党が大きな権限を持っており、神秘学家達は半ば隷属的な扱いを受けている。
・人類側の神秘学家達に対する偏見は、過去の行いによる恐怖心から来ていると思われる。
・財団に強い影響力を与える”鳩小屋”という組織が存在している。
┗白い鳩はキリスト教では平和の象徴やイエスの聖霊として扱われており、グノーシス主義では太母と崇められるソフィアの象徴である。
・ストーム改革の内容
┗タイムキーパーを中心とした対マヌス・ヴェンデッタ部隊。
┗タイムキーパーの判断で神秘学家を登録し、また所属する神秘学家は財団から直接的な命令は受けない。
┗所属した神秘学家はレベルに応じて財団の教育指導を受けなければならない。
また劇中の発言から時系列を組み立てると図のようになります。
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第5章では2007年のギリシアが舞台となるようですが、そもそも1999年のストームから8年が経過していると言うことなので、財団も2007年の時空に存在していると考えることが出来ます。
おそらく財団をはじめ神性が宿っている土地はストームの影響を受けておらず、時間は正しく経過していると思われます。