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【リバース1999】エターニティの元ネタが叡智すぎた【元ネタ徹底解説&考察】
今回は素晴しき美貌を持ち、数々の男を籠絡させたであろうエターニティについて考察を交えて解説していきます。
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まずは【ミディアム】の”青い血”についてですが、これはカブトガニが関連していると考えられます。
彼女のウルト”エクセターの奇談”に出てくる節足動物は、おそらくガブトガニだと思われます。
ガブトガニの青い血で作られたリムルス試験薬は、結核などの病原菌の検査薬として用いられております。
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そしてその結核の罹患者の吐く血が青い(静脈の血)ことから、結核にも関連性がでてきます。
文化1ではアメリカのエクセター町で、結核の症状を吸血鬼の仕業と勘違いした人々がとある女性に疑いを向けるという話になっているのですが、これは『マーシ―ブラウン吸血鬼事件』が元になっております。
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この事件は1892年に起こった話で、当時は結核という病気は十分に理解されておらず、地域によっては吸血鬼の仕業と思われておりました。
そしてエクセター町で結核が蔓延した時、感染して亡くなった”マーシ・ブラウン”という少女の遺体から肝臓や心臓を抜き取り、それらを灰にしたものを生き残った彼女の兄に飲ませるという奇談があり、この事件を元に多くの吸血鬼の物語が誕生しました。
”文化2”ではエターニティが”マーサ”と呼ばれていることから、似た名前であるマーシ―・ブラウンに関係性があるといえるでしょう。
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ちなみによく見ると彼女の八重歯が吸血鬼のように長いことがわかります。
(ガチ恋不可避)
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しかしながら”文化1”の文章には謎が多く、彼女がまるで売春婦のように描かれていたり、特に疑問なのが”青い血の上に大きな貝が覆っている”という部分です。
この文章から想像できるのは『ヴィーナスの誕生』を描いた絵画でしょう。
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『ヴィーナスの誕生』では海の飛沫をクロノスによって去勢されたウラノスの男性器として表現されており、ホタテの貝殻は女性器、その上に立つ女性がギリシア神話一の美女であり売春婦の女神とされているアプロディーテ(=ヴィーナス)が描かれております。
しかしながら吸血鬼とアプロディーテが何故関係してくるか突飛過ぎてわからないでしょう。
これらを結びつける接点はいくつかあり、まず吸血鬼と結核のルーツを辿ると古代エジプトの女神セクメトに繋がります。セクメトは癒やしの力を持つ女神でありながら、伝染病を齎す者とも言われており、人間を虐殺して血の海を飲み干した逸話から吸血鬼のルーツともされております。
このセクメトですが、激怒したバステトと同一と考えられており、バステトとアプロディーテが同一神と考えられていることから接点があります。
そして極め付きにファウストで知られるゲーテが書いた『コリントの花嫁』という本があり、これは現存している最古の吸血鬼の物語と言われています。
この話は修道院に閉じ込められた吸血鬼とされる少女が、神に髪の一房を捧げ、病で死んだ後、冥界神ヴィーナスの呪いor恩寵によって蘇ったという物語です。
このことから文化1は『マーシ―ブラウン吸血鬼事件』と『コリントの花嫁』がミキシングされた文章だと考えられます。
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・本源について
続いて【本源】の”神秘学道具の押し売り”ですが、これは文化3に出てくる”透明マント”が関係してくると思われます。彼女が財団に売りつけた透明マントですが、着た者を透明にするのではなく”マント自体が透明”という代物です。
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これはインチキな商人に透明なマントなどを押し売りされた『裸の王様』が該当するでしょう。
『裸の王様』と彼女の接点を探すのは難しいですが、作者であるハンス・クリスチャン・アンデルセンの童謡に『人魚姫』があるのでそれと関係しているのではないかと考えました。
人魚姫は惚れた人間の王子と結ばれるために、魔女に頼み人間に変われる薬を貰い彼に会いにいきますが、失恋していまい人魚に戻ることもできず泡になって死んでしまいます。
この童謡は『アプロディーテの誕生』を元にして書かれており、また人魚は長寿でその肉を食べれば不老不死を得られると言われているので、関連性はあるのではないかと考えました。
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・補足説明
ここから彼女の文化やスキルについて補足説明していきます。
彼女の印象的な台詞に、海鮮を食べる話題をしている時にまるでセンシティブな事を話しているように頬を赤らめるものがあります(かわいい)
これは『アプロディーテの饗宴』が元になっていると考えられます。
ローマではアプロディーテが金曜日に宴を催して魚を食べて、その後に色事を楽しんだという逸話があります。
この事からヨーロッパでは金曜日はヴィーナスディと呼ばれ、恋愛の日になりました。
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アプロディーテを祝した祭りに売春婦を呼び込み楽しんでいる様子。
彼女の趣味である『ローンボウルズ』ですが、これはイギリス発祥のスポーツで、芝生の上で行うボーリングのようなゲームです。
起源は古代エジプトに遡り、厄祓いの儀式として行われておりました。古代エジプト時代から結核が流行っていたので、それを払うために儀式が行われていた可能性があります。
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【アンティークシェルファン】ですが、これは”扇子”の事で、ホタテの貝殻ような形からそう呼ばれております。
アプロディーテがホタテ貝の上に立っていることから関連性があるでしょう。
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『ヴィガンハンドバッグ』は彼女の象徴でもあるクラゲの事ですが、これは不死のクラゲとして知られるチチュウカイベニクラゲ(T. dohrnii)が該当するでしょう。
ベニクラゲは1880年に発見されておりましたが、1991年12月に地中海にて発見された種類が、死に直面するとポリプという幼年形態に戻る能力を持っていることから不老不死のクラゲという異名で知られるようになりました。
テロメアが劣化しない特性から京都大学では、不老の研究に用いられております。
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文化2についてですが、これは文化3と同じく童謡に纏わるもので『カエルの王子様』をモチーフにしていると考えられます。
『カエルの王子様』の著者であるグリム兄弟の作品に『命の水』という作品があり――
瀕死の王を助けようとした王子が、飲むと不老不死になる水を女神から貰うが、海の水と入れ替えられるというお話になっております。
『命の水』は賢者の石と同一の物とされており、別名では『処女のミルク』と呼ばれていることから、彼女の好物であるミルクに関連性があるのではないかと考えました。
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彼女の好きな『ザ・トゥナイトショー』に関連してそうな元ネタは、イギリスの王女エリザベス2世なのではないかと考えました。
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まず白人貴族であることから【ミディアム】の青い血と関連性があり、エターニティのドレスや帽子が、イギリス王室の象徴であるロイヤルブルーという点で合致します。
更にダイアナ妃やエリザベス2世は最初の吸血鬼うウラド3世の子孫です。
そしてエリザベス2世は『ザ・トゥナイトショー』にオファーされていた逸話があるので関係性があります。
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ユーディモは神話や星座に関連しているものと推測しており、彼女のユーディモはカニ座に関連していると考えられます。
カニ座は12世紀ではガブトガニとされており、古代エジプト時代では復活と不死を象徴するスカラベ(フンコロガシ)だったことがあるので、関連があると思われます。
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エターニティにはまだ謎があり、中国ではウィンフレッド(温妮弗雷德)という名前になっております。
これはもしかするとですがクトゥルフ神話の生みの親であるH.P.ラブクラフの元カノ疑惑があり、『クトゥルフの呼び声』を共同制作したウィニフレッド・バージニア・ジョーダンと関連があるのではないかと考えました。
『未知の恐怖』というワードや、何処かおどろおどろしい台詞などクトゥルフ神話に通じているようにも思えます。
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関連性のありそうな情報としては、ラブクラフトが『マーシブラウン吸血鬼事件』を元ネタにして『忌まれた家』を執筆してます。
またクトゥルフ神話にはエジプト神話から多くの神が出演しており、ロバート・ブロックのクトゥルフ神話には『セクメトの星』という重要アイテムが有り、これは賢者の石として用いられておりました。
クトゥルフ神話との関連性を上げては見ましたが、断定できそうな情報がないため信憑性が高いとは言い難いです。
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・まとめ
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【本源】
シャコガイの不変=不変の美を持ち真珠を象徴とするアプロディーテ
神秘学道具の押し売り=裸の王様→童話
【ミディアム】
青い血=カブトガニ/白人貴族/結核
【展示開始日】
20世紀90年代=チチュウカイベニクラゲの不死のメカニズム発見時期
【展示場】
エクセター町から米州各地で活躍=結核によるサイコパニック
『不治』の病とされた結核や、『不変』の美を持つアプロディーテ
『不老不死』に纏わる童話や逸話または生き物といった、『永遠に変わらないもの』をルーツにした存在だと思わます。
彼女の出自の物語を仕立てるなら、結核にかかったマーシブラウンorコリントの花嫁がアプロディーテの神性を宿して再誕した存在と言えるでしょう。
今回の元ネタ解説は謎が多く断定出来ないものもありましたが、女性というのはミステリアスな方が惹かれるものですよね。
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