【リバース1999】37が見てる世界【元ネタ徹底解説&考察】
今回は数学を愛し数学に愛された天才少女37について考察を交えて解説をしていきます。
まずはじめに『本源』の『数学演算』ですが、正直この文章だけで考察するの不可能でしょう。
そこで着目したのは洞察2のイラストで37の後ろに映っている”幾何学図形を手にした女性”が関係していると考え、”幾何学に関連性のある女性の数学者”に絞り込むことにしました。
その条件に当てはまった人物は古代エジプトの数学者【ヒュパティア】という女性でした。
彼女は世界でも最初期の女性数学者で『プラトンの精神とアフロディーテの美貌を持つ』と称賛されておりました。
主に幾何学や占星術の分野で活躍し「私は真理と結婚します」と宣言するほど数学を愛しておりました。
また彼女は新プラトン主義者でありましたが、関係が良好ではないキリスト教徒にも教師として教えており、多くの人に尊敬されておりました。
しかしながら宗教に盲信的な教徒達を批判したり、キリスト教がプラトン主義を異端と認定していたりと彼女の立ち位置は危ういものでした。
そして415年悲劇が起こります。
キリスト教徒のテオドシウス1世が異端者の追放や施設の破壊の方針を決めたことで、一部の教徒が暴徒化し、ヒュパティアは全裸で市中を引き回され、牡蠣の殻で肌を削ぎ落とされ命を落としました。
彼女の死と彼女が勉学に励んだ図書館の破壊により、キリスト教の腐敗が問題となり、これを境にローマは暗黒時代へと落ちていきます。
ではここからヒュパティアと37との関連性を説明していきます。
4世紀頃といえば女性が社会に進出することが認められない時代で、ヒュパティアはキリスト教から改心を迫られていましたが徹底的に反発し、彼女は男社会の抑圧に屈することなく勇敢に真理の探求に励みました。
そんな彼女は現在ではジェンダー問題の象徴として扱われています。
そしてこの逸話は『三角の正論』の説明文に当て嵌まります。
『曲線の投影』は彼女の一番の功績と言える『円錐曲線論』が当て嵌まると考えました。
これらに踏まえ幾何学や真理への探求心が37と関係していること、そして歴史的重要人物である事を踏まえヒュパティアが37の原型だと考えました。
では続いて【ミディアム】の【数字】について考察していきます。
【数字】とはつまり彼女の魂の数字【37】が関係してくると思います。
正しい解釈ではないかもしれませんが、劇中で「秘密を口外してはならない」など「落ちたものを拾ってはいけない」などの禁忌がありましたが、これは『ピタゴラス教団』の『シンボル』という禁忌の条例が元になっております。
そして【37】がよく「豆を食べてはならない」と発言していますが、奇しくもこれはシンボルの【37】番目に該当する禁忌です。
ちなみにピタゴラスが豆を食べる事を禁忌にした理由は、豆が神聖的な物だったからという説が有力のようです。
他にも豆に関する逸話があり、政治の権力を持っていたピタゴラスは憲法を強制的に変えたりしていたので政権や民衆から嫌われており、教団がオリンピックの合宿で集まっていた時に暴徒に襲われ、逃げた先が豆畑だったようです。
豆が嫌いだったから彼女の魂の数字が【37】になったとは思えませんが、しかし他にも彼女とピタゴラスの共通点は多く存在します。
まず彼女がつけているアームレッドはピタゴラス教団の神聖的な象徴となる『テトラクティス』という正三角形の幾何学図形です。
頂点は宇宙の根源を表し、2列目は無限と有限(アペイロン/ペラス)、3つ目は調和で、4つ目は地球の四元素を表現しており、宇宙の構造を表しております。
ピタゴラスは三角形から宇宙の法則や自然原理や音楽理論を見出し、”万物は数で出来ている”と考え数字を信仰しました。
そしてピタゴラスは物体が持つ本質の抽象概念は、丸や三角などの幾何学図形であると唱え、それを『イデア』と呼びました。
これがピタゴラスが辿り着いた真理で、『イデア』の思想はプラトンによって『イデア論』として確立されていくのでした。
次に彼女が付けている冠ですが、これはオリンピックの優勝者に送られるゴールデンローレルというものです。
『ピタゴラス教団』では肉体の研鑽も重要と考えられていたため、教徒達は皆オリンピックに参加しており、ピタゴラスも出場した際、彼の太ももが黄金であったという目撃談が存在しております。
余談ではありますがピタゴラスの思想を受け継ぐプラトンはレスリング部門で何度も優勝していたようです。
ピタゴラスには神話が幾つか存在しており、黄金に輝く冠を付けていたり、アポロンの使いだったり、前前前世はヘルメスの息子だったと言われておりました。
つづいてユーディモについては星座が関連していると考えております。
イルカ座の神話にはアリオンという少年が海賊に攫われ、時間を稼ぐためにアポロンへの賛美の歌をうたい、それに感化したイルカに救われるというお話でアポロンは彼の演奏を評価し、彼とイルカを星座にしたという神話があります。
ピタゴラスにとってアポロンは至高の神で、彼が最も重要視する【3】と同一のものとされていたり、彼自身アポロンの使いという神話があったりとアポロンが接点となっているのではないかと考えました。
では最後に37のルーツをまとめていきますが――
【本源】数学演算=ヒュパティア
【本源】明けの明星=ピタゴラスの金星の発見
【ミディアム】数学=ピタゴラス
【展示場所】エーゲ海=ピタゴラスの出身地サモス島
【展示開始】90年代7月27日=???
要約すると彼女は”真理”を求めた数学者が習合した存在だと思われます。
37が人の本質である『イデア』を見ることが出来るのも、ピタゴラスがグノーシスのルーツになっているからだと考えると頷けるものがあります。
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