TGS2024出展レポート
初めてnoteに記事書きます。
2024年9月26日~29日の間、東京ゲームショウ2024に自分のゲームを出展していました。
とても疲れたのですが、貴重な経験で得たものも多かったなと思うし、今後TGSへの出展を検討している人にも役立つかなと思ったので、記してみようと思いました。たぶん長くなります。
まず最初に
TGSでブースに来ていただいた全ての皆様にお礼申し上げます。
ありがとうございました!とても楽しく、有意義な4日間でした!
自己紹介
初記事ってこともあり簡単に自己紹介を。
本業はゲームプランナーですが、趣味で作曲もしています。最近は太鼓の達人向けの楽曲「Irregular Clock」がプレイヤーの皆さんからも好評をいただいています。
それとは別に個人でゲームを制作しており、この度TGS2024に出展しました。ゲーム制作は初です。
ちなみに本業ゲームプランナーではありつつも、本業で得た知識は個人制作ゲームには一切役立ってはおらず(逆はあるかも)、Unity知識ゼロの入門書スタートしています。その辺りの苦労とかはゲームがリリースされてからいろいろまとめて発信等したいですね…。
自分が出したゲーム
「Rebirth Clock」というゲームを制作しています。
こんな感じのゲームなんですが↓
端的にまとめると、
時間が止まった世界で、時間を進めたり戻したりしながら、2人のキャラクターをゴールへ導く2Dアクションパズルゲームです。
制作メンバーに関しては、
イラストレーターは未早さん
キャラクタードット絵はアミガサタケさん
それ以外は全て自分です。グラフィック周りはかなり販売アセットに頼っていますが。
ブースについて
公開されてる公式資料からの引用画像ですが、サイズ感はこんな感じです。
下は引き戸になっていて、中は空洞なので荷物を置けます。
そこに電源もあります。PC充電器のケーブルの長さによっては届かない可能性あるので、延長コードの類は用意しておいたほうが良さそうです。
あとデフォルトで2口分の電源しか用意されていないので、あらかじめ必要なものは精査しておき、事前に追加の申請を出しておかないといけません。
でこんな感じになりました。
注意点
ポスターはガムテープ等、粘着性のもの(剥がした際に粘着部分が残るもの)で貼るのは原則NGです。これは当日到着してから知りました。
どうするかというと、施工カウンターなるところに行ってお願いすると、それ用のシートでこちらの指示通りスタッフさんが貼ってくれます。
そもそも高さ的に脚立等無しに自分で貼るのは容易ではないので、最初から依頼する前提なのかもしれません。
出展に伴う準備とか
ゲーム一式
当然必要なものですが、自分のゲームはパズルゲームゆえに一人あたりのプレイ時間が長くなる想定をしていたので、普通のゲーミングノートPCと、AYANEO AIR 1S(コントローラー付きの小型Windows PC)を2台用意しました。一般公開日には行列ができたので、2台準備して良かったと思います。
そうそう、ポータブルマシンを用意するならそれを立てて置く台のようなものは用意したほうが良いかと思います。
あと音はPCのスピーカーからそのまま出しても大丈夫ですが、ヘッドフォン希望者もいるので添えてあると良いかも。僕は2台とも用意しておきました。
ポスター
未早さんにお願いして、A1サイズで2つ用意しました。
片方はキービジュアル、もう片方はブースに居る人が見られるように、ゲーム内容とか操作方法を記載したものです。
ブースのサイズ的にはもう少し大きくてもよかったように思いますが(たぶん縦A0を2つでちょうど良い?)、A1サイズだと丸まった状態で自分のキャリーバッグにギリ入ったので、それはそれで結果的には良かったかも。
チラシ
同じく未早さんにお願いして、A4サイズで用意しました。
500枚刷ったのですが、もっと刷っても良かったと思いました。
ビジネスデイ2日が終わった段階では「あ、これ余るな…」って思っていたのですが、一般公開日のチラシの捌け方が全然違ってて、最終日には途中で無くなりました。
全日程、前を通りすがった人に積極的に配る前提なら、1000枚くらいはいけるかも。
名刺
いろんな方と挨拶する可能性があるので、それなりに用意しておいたほうが良いかと思います。僕は所属会社名刺とsiromaru名刺両方持っていきましたが、結局出しているのはsiromaruとしてのゲームなので、そっちばかり渡したように思います。
なんとsiromaru名刺、メールアドレスが書いてないというやらかしをしておりました。このご時世SNSアカウントあればなんとかなるやろの精神でいましたが、ビジネス的な連絡はメールが普通なので、そりゃ載せるべきですね。反省し、作り直します…。
グッズ化の話、ローカライズの話、パブリッシュの話等々、期間中に何かと挨拶・営業に来る方もいます。僕の場合は制作進行状況的にまだそれを考える段階にないので「考えておきます!」で済みますが、どんな人が来るかもわからないので、変な話に乗せられないようゲーム開発者の皆様は自衛を!
※別に今回変な人が来たわけではないです
椅子
無いと耐えきれないです。
あってもかなり大変でした。
これは有料ながら事前申請でレンタルできるので、ずっとブースに居る場合は自分用に1つレンタルしておくと良いかと思います。普通のパイプ椅子です。
お値段は少し高くなりますが、レンタル用品の中に「カウンターチェア」というのもあって、これはブースに設置したゲームをプレイヤーが座りながら遊べそうな高さの椅子になってるので、僕のゲームのようにプレイ時間がちょっと長くなりそうなものを出展する場合は、用意しといたほうが親切かもしれませんね。
<※椅子で思い出した余談>
以前JAEPOに遊びに行った際に、朝から夕方まで全く座らずにいろいろ見て回って、いざ帰りに海浜幕張駅のホームベンチに勢いよく座ったらぎっくり腰になったことがあるので、ぎっくり腰というのは別に重いものを持った時にだけなるものではない、ということを覚えておいていただけると嬉しいです。ぎっくり腰の辛さを背負う人が1人でも減る世の中になることを願ってます。マジでマジで本当にヤバイので。
食べ物・飲み物
会場の階段上がればコンビニなり自販機がありますが、一人でブースに居る場合は離れづらいこともあるので、開場前に飲み物はしっかり用意しておいた方が良いかと思います。
食べ物も先におにぎりとかサクっと食べられるものを用意しておいた方がいいかもです。僕は手伝ってくれた方におにぎり等を買ってきていただきつつ、ブースが空いている時に食べていました。
今回は使いませんでしたが、一応事前申請しておけば、ブースにお弁当用意してもらうこともできるみたいです(当然有料です)。
その他
コントローラを拭くシートは用意したほうが気持ちよく回せるかなと思いました。
また、人がいない内はいいのですが、混んでくると一定時間で次の方と交代していただく必要があるので、タイマーの類はあった方が良いかと思います。
あと会場に持って行くものではないのですが、マッサージガンの類があると、家に帰った後に足腰周りをだいぶ癒せます。これのために買ったわけではないのですが、家にあってよかったと思いました。
そもそも更に前段階の準備
出展申込みをすると「Event Management System」というのに登録させられ、膨大な量の書類を確認・必要に応じて記入・提出する必要があります。
前述の電気追加とか椅子、弁当なども、ここから申請できます。
回答に期日の余裕がある項目も多いのですが、ナメてるといつの間にか〆切直前になってるので注意が必要です。夏休みの宿題かな??
膨大な量の書類とはいえども、僕のような当日朝来て準備すればいいような個人レベルから、前日前々日から大人数で大掛かりな準備するような超大手企業まで対応するのだから、仕方ないことだしむしろよくできてるなと思いました。
企業や出展規模によって、車での搬入搬出が要るとか、ネットワークが要るとか、ステージ装飾が要るとか等々、千差万別ですからね。
僕は回答任意のものはほとんど提出してませんし、回答必須のものもただチェック入れて素通しも多かったです。
レンタル用品と電気追加だけは、もっとちゃんと考えておけばよかったかもと思っています。(後述)
良かったこと
幅広いプレイヤー層
過去に「デジゲー博」「東京ゲームダンジョン」といったイベントに出展したことがありますが、そういったイベントは "個人制作ゲームを出展するイベントにわざわざ足を運ぶ人たち" が多いので、良い意味でゲーム慣れしている人が多いです。
それと比べるとTGSはなんというか「TGSだから来た」「お祭りだから来た」「友達と来た」くらいの人も多く、ゲームに慣れていない人もたくさんいるし、場合によっては年端もいかぬ子どもが来ることもあります。
そういった人たちに実際にプレイしてもらって、どこはスムーズに進むのか、どういった所で躓くのかを間近でずっと見れたのはとても良い体験でした。
友人、けっこう来る
他のゲーム出展イベントと比べると、前述のように全然違う目的でTGSに足を運んでいる人も多いので、「たまたまツイッター見て参加してるようだったから来たよ」みたいな友人が多く来てくれて嬉しかったです。
4日間あるからできる反省ビルド
そもそもこのゲームむずくね??ってのは以前出展していたイベントからもわからされていたのですが、時間が経つと危機意識が薄れ、気づけば今回のも不親切さが目立つ始末。
プレイを見ていて「理不尽だな…」「わかりづらいな…」「やっぱそこ詰まるよな…」と感じた部分を帰宅後翌日までに調整、というのを、友人宅に泊まった2日目を除き都度してました。
短時間修正では限度もあるし、最終日のもまだまだ改善余地は多々ありますが、初日と比べると実際みんな変な躓きは少なく進めているように思えました。
シンプルに「面白い」と多くの人に言ってもらえた
制作続けてると「これ本当に面白いの??」ってなることは多々あるのですが、実際たくさんの人に遊んでもらい、めちゃくちゃ面白かったですって言ってもらえるととても嬉しいしモチベーションに繋がります。
パズルゲームで面白さを感じる瞬間、とりあえず代表的な部分の1つは解けた時などに「あ~~」ってなる瞬間だと思うんですが、その直後に「え、え、これすごいですね!面白い!」って言ってもらえると、素の感想を貰ってるなぁと感じるし、ああ間違ってなかったんだ…という気持ちになります。
反省点
ゲーム難しい問題
操作が少しばかり複雑なもので、それだけでも大変なのに、そこにあまり普通じゃない謎解きっぽい部分が入ると序盤で完全に手が止まる人もいました。
ただ一方で、スラスラ理解してトントン拍子で最後までノンストップクリアする方もそれなりに居たし、自分のゲーム内容的にメインターゲットを考えるとそっちだよなと思う部分もあるので、あまりにもゲーム初心者向けにおもねった作品にするのも違うよな、という気持ちも。
とはいえ今のままではあかんなと思う所は多々あるので、やはり序盤については丁寧に1つずつ説明を補強し、迷いがほぼ無くなるような構成にして、難易度の上げ方を緩やかにすれば、ゲームルール自体はそのままでもだいぶ印象変わるかなとは思っています。
遠くから見てもわかる工夫ができてない問題
遠目からでもゲーム内容がわかるデモや、少し高い位置に大きめのモニターを設置してプレイ画面を見せる工夫が必要だったと感じました。次回はこういった準備を整えたいです。
TGS初参加ということもあって「現地に行ったらどういう状態になっていて、実際何が必要になり、どう準備するべきか」みたいなことをあまり解像度を上げて想像できていませんでしたね。
もし次出るなら、モニターレンタルと電気追加はしておくべきかなと。
この辺はMaroruさんのこちらのBitSummit出展レポが一番参考になるので、次の何らかの出展イベントまでにはちゃんとコレ熟読してがんばろうね自分って思っています。
Q. コレ過去に読んでるのにあんな準備しかできなかったんですか??
A. すみません……
他のゲーム全然見られなかった問題
実際見たものについては少しは後述しますが、必要に応じた説明とかもある都合で基本的に自ブースにこもりっぱなしだったし、4日間大変すぎて体力的な意味でもあまり他のゲームを見て回れませんでした…。
本当は他のゲームを見たり、知人に挨拶をしたかったのですが。
この辺の話、M3やコミケといった他のイベントでも、出展側に回ると往々にしてあることなんですよね。
4日間という長さ
マジでキツイっす。
しかも家から海浜幕張駅まではそれなりに距離もあり、毎朝早い。
ブースではなるべく座っていましたが、それでも日に日に足が辛かったですね。最終日に遊びに来た友人から「めっちゃ疲れた顔してるww」って笑われてました笑
とりあえず毎日のようにソーセージエッグマフィンを食べて耐えました。
手伝ってくださった方々へのお礼
1日目:THIQXISさん
2日目:THIQXISさん、BerryVerrineさん、佐藤塩さん
3日目:黒星さん
4日目:黒星さん
に手伝っていただきました。
僕が大体座ってるので、主に立ってチラシ配っていただいたり、飲食物買ってきていただいたり、自分がトイレ等行くのにブースにいてもらったりなど。
あと2日目におうち泊めてくださった緑風マルトさん。
皆様本当にありがとうございました!とても助かりました!
この場を借りてお礼申し上げます。
他のゲームについて
自分がTGS出展するツイートをしたあたりから「ゆきくらげさん」という方が反応をくださりまして。
どうも「Selected Indie 80」枠でTGS出展される上に、音ゲーもされるどころか作曲までしている(その上イラストも描かれる。多才!)方で、こちらもフォローの上でTGSで出展されていたゲームを遊ばせていただきました。
※Selected Indie 80とは、事前審査の上で通ると無料で出展できるという、特別枠です。選ばれし80作品のみが出展できる一種の公募みたいなものですね。
こちらの「Stellagate」なんですが、詳しくは下記リンクから動画見てもらえればと思いますが、空間移動を駆使した良作なパズルアクションゲームで大変面白く、さすがSelected枠入るだけあるなと思わされました。
リリースが楽しみです!
その他のゲームは前述の通りあまり見られず…。
自分の周りというかインディーコーナーは軽めながら回ったのですが、眺めてて気になったのは「Telebbit」でした。ほんとパズルアクション好きね自分。これはアクション寄りだなとは思いますが。
これはもうすぐリリースみたいです!
今後について
イベント出展について
とりあえずイベントに出る利点として
ユーザーの生の反応が見られる
〆切駆動開発ができる(〆切があることで、そこまでにはなんとかせねばならない、という気持ちでパワー駆動する開発)
という点があるのですが、前者はこれまでのイベントと今回のTGSで大体掴めた実感があるのと、後者は逆に言うと「イベントのための体験版に間に合わせる開発」になってしまい、「ゲームのリリースに向けた開発」にならないなという実感もあるので、しばらくはやめておこうかなと思っています。
とは言っても急にふらりと何かに出展する可能性はあります。
ゲームのリリースについて
毎年「今年中には…」と言いながらズルズル進んでませんでしたが、来年早い内には出したいですね…。
今の内容なら別にSteamに形だけ登録してウィッシュリスト追加してくれ~って宣伝して回るのもありなんですが、Steamに開発中状態で出してそのまま音沙汰無いゲームも多々見てきており、今のままだと自分のもそうなりかねないので、もう少し出せる見込みがついてからSteamに登録し、そこから3ヶ月以内で出したいなとは思っています。
〆切決めないといつまでも延びるし、とりあえずで〆切を決めて追い込むやり方も無くはないのですが、本業も作曲もあるのと年度末がけっこう大変なことになるのがすでに見えているので、安易に定めた所で守れる自信がないというのもあります。
今月はちょっとTGSで置いてきていた作曲周り案件がけっこう詰まっているのでそっちに全力投球し、来月から勢い付けてガンガンステージ作っていきたい所です。
長文になってしまいましたが、読んでくださりありがとうございました…!