採用担当経験者が語る履歴書について
就活や試験などで通ることになる履歴書。
場合によっては何枚も書かされて、
「もううんざり!」
「書くのめんどくさい!見たくもない!」
「落ちた時の事を思い出してトラウマがよみがえる!」
と散々な扱いをされる履歴書ですが、これを採用する側から見た時のお話をしたいと思います。
そもそも履歴書とは
まず履歴書とは、自身のプロフィールを書いて会社に提出するものです。
あなたの名前と生年月日、今まで通ってきた学校や職場、それと最低限度の自己アピール。それだけが求められるものです。
間違ってもあなたの崇高な理想をつらつらと書き上げる物でもないですし、盛りに盛ったプリクラ画像をアピールする場でもないですし、カラフルなペンでデコりまくってキラキラにするものでもないです。
そういうものが求められる場所で無いのならば、上にあげた三つのようなどう見ても一般常識から離れていると思われるような人を弾くために採用のための仕事をしている人からすると、とても便利なものが履歴書です。
採用側から見ると早ければ1分かけずにさっと見て、あからさまな地雷を避けることができる一つの便利なツールなのです。
履歴書の利点
上にあるようにさっと見て、判断をすることができる点から採用側としては一人当たりにかける時間を極力減らせる
あからさまな地雷を避けられる
生年月日と出身学校がすぐにわかる
という点が利点となります。
大企業での採用や学校などでは一度に選考する人数がとても多くなる為に、選考時間を削減できる点はとても大きいです。(本当に大きいところでは応募が100人以上ですべてに面接からスタートした場合、一回5分だとしても準備を含め、ある程度の時間が必要になります。)
では、中小企業やバイトでは?
選考する人数も少ないし面接からしてよ!
この場合の利点は時間ではなく履歴書を書けるかどうかにウェイトが置かれます。
言語を正しく使えてるか、一般常識は大丈夫そうか、
そしてなによりも、
(履歴書を書く)面倒くささ<ここに入りたい!かどうか。わりとこの点が見えます。
ええ、履歴書ってめんどくさい物なんです。
割と大多数の人が面倒くさがると思いますし、採用側だって書けと言われたら「やった!!書きます!!!」とは基本的にはならないものです。
そのめんどくさい物を書いてまでうちに来ます?
という確認でもありますし、だからこその最初の関門になるわけです。
さらに言えば、凄く筆の遅い人でもない限りはめんどくさくても履歴書くらいなら一日あれば書けます。
採用側としても(例外はあれど)年単位付き合うことになるわけですし、
極短期で見ても、数日~数週間は付き合うことになるわけで、
たった一日、紙に書くだけ、それがその後よりもめんどくささのウェイトが勝ってしまうレベルの人物であれば、採用側からもノーサンキューです!となるわけです。
手書きでの提出がどうたらプリントして提出するのがどうたらとありますが、まず第一にこの簡易めんどくささ耐久チェックがスタートラインなのだと理解するしかないのです……
とはいってももちろん履歴書だけで判断するな!という声もあると思います。
それはごもっともなのです。
現に履歴書で測れないものは数多くあります、人柄も声もその人が持つ多くの可能性も見えないままです。
しかしながら悲しいかな、そのあなたが求めている場所ではその履歴書を基準にしてしまっている時点であなたが対象外となるのです。
なんだよ履歴書の味方ばっかりしやがって!!と思うかもしれませんがむしろ私はこう思います。
そんな履歴書なんかであなたを判断する会社なんかにむしろ引っかからなくて良かったと。
履歴書での判断じゃない会社も今では増えてきています。
そしてそんな糞くらえ履歴書!で会社に入ってしまったらその後も価値観の違いなどで辛い物を味わうことになるかもしれません。
そこまでして履歴書を書きたくないという意思とそんなものも書けないのかという採用側との溝は何をどうしても埋まらないものなのです。
どうあがいてもこの件に関して、それを採用している会社が理解を示すことはまずありません。
それならば自分なりの表現方法で自分をまず見てくれるような就職先を見つけるほうが賢明であると私は思います。
履歴書の倒し方
ここから先はそんなめんどくさい履歴書との戦い方を書きます。
まず最初に、名前と住所は丁寧に書きましょう。
綺麗でなくてもいいです、丁寧に書きましょう。
もうそれだけでどちゃくそ印象が良くなります。
面接官も人間ですのでやはり印象はとても大きなポイントになります。
特に名前と住所は必ず目を通すところとなりますので、そこだけでも雑に書かれていればやはり良い印象は持たれません。
どんなに立派な学歴、職歴だとしても、うむむ……となります。
ここで大事なのは綺麗かどうかではなく、丁寧かどうかです。
文字がテキトーじゃないか、間違えた文字を線でぐしゃぐしゃにしてないか、そういう点です。
もちろん綺麗であることに越したことはありませんが、丁寧であればマイナスからのスタートにはなりにくいです。(人それぞれな部分でもありますが、少なくとも私があったことのある人はそうでした。)
次に一般的な常識の範疇を超えない。
写真をプリクラにはしてはいけません。
写真を!!プリクラに!!しては!!いけません!!
あと履歴書をデコるな!!!!いろんなもので盛るな!!!!キラキラした文字を書くな!!!!
最近では証明写真モードのあるプリクラもあるそうなので、それはいいのかもしれませんが、少なくともバチバチにキメたプリ写真はそういう企画か何かですら基本通らないので、あきらめて証明写真機を使ってください。
あとは文字ですが、七色とかはまず通りません。
一応履歴書は各所に回す書類の一つです。黒ボールペンでの記載をお願いします。
それと色々つけないでください、履歴書は懸賞ハガキではないです。
この二点は前提条件とさせてください。
その上で、ここからは皆さんが悩む自己アピールやら志望動機やらの書き方だと思いますが、それこそネットの広大な海にありますし、詳しいことであれば書き方の本などを買ったりして読んだほうが良いと思われますので、あくまで一人の採用担当からの目線での話をします。
自己アピールと志望動機ですが、当たり障りのないことで全然オーケーです。
むしろ当たり障りのない履歴書で採用されたであろう採用担当者がそこで仕事してます。
ある程度自己アピールと重ねてもよろしいですが、あまり重ねすぎてこの分野であれば大活躍できる!!!とすると相当な経歴でもない限りはあまり印象は良くなりません。
基本的にはその場所、その分野で経歴を積んでいる人たちの集まりに入るわけで、学生時代での経験だと(例外はもちろんあれど)通用しない事も多いので、プライドのある人が採用担当だった場合、生意気だなぁとらえられかねません。
ドラマや映画、あとはどこぞのクリエイティブな大企業でもない限りそれを「こいつおもしれえ奴だな」となることはまずないので、謙虚に自己分析をして、どの分野でこうしてきたので、こうですと書いてあれば大丈夫です。
むしろそうやって自分を表現する場は面接であって履歴書ではないと思ってください。
私からは以上です。
最後に
いろんな履歴書を書いたけどダメだった
当たり障りのない物を書いて丁寧に書いたけどダメだった
ここにある欠点が何一つないけどダメだった。
そういうことも全然あります。
採用担当の匙加減が大きくウェイトを占める履歴書。
よく読む人もいれば目を通すだけの人もいます。
相性が悪かっただけ、周りの人が才能の塊過ぎただけ
だからこそ、苦しんだからこそもっと違う採用方法も見えてくると思います。
もしもこれを読んだあなたが、履歴書よりももっと素晴らしい方法を思いついた時。
もしもこれを読んだあなたが、履歴書がなく価値観の合う新しい活動場所を見つけられた時。
履歴書を使う側の意見として、この拙い記事が頭の片隅にでも残っていただけたら幸いです。