見出し画像

休息

休日午前6時家を出る高校生時代。夏場はまだ涼しいこの時間。冬はまだ暗いこの時間。辺りは静かに、時々カラスの鳴き声が、猫の唸り声が、犬の吠える声が鼓膜を揺らす。

電車に乗って歩いておよそ30分。高校がある。学校の正門を開けて弓道場に向かう。
今どき南京錠というガバガバセキュリティを開いて中に入り深呼吸、そして一礼。

湿っている木材の香りが私たちを出迎えてくれる。シャッターを開けて的を立て着替える。さぁ、始めるか。

正午に部活が終わる。午後は自主練だ。その前に昼食を食べて一休み。至福の時間だ。

今日はどこで昼寝をしよう。上着を着て外へ出る。部室で寝る?は、笑わせるな。あんな臭い暑苦しいところで寝れるか。

体育館裏は日光が当たって気持ちが良い。さわやかな風が吹いて絶好の昼寝スペースだ。少々移動すれば日影がある。ポイントが高い。

体育館前に少し広いスペースがあり、そこで左右に分かれている廊下がある。そのスペースでは後輩が型を覚えたり、バトン部が踊っていたり柔軟をしている。そこを少し外れた廊下。寝っ転がっても座ってもよい。床材特有の少し冷えた温度が体を包み込む。夏の火照った体を沈めてくれる。しかも誰も来ない。いいところだ。

意識を落とす。

日によって異なるがそのあたりで一眠りしてから自主練する。いつものルーティン。たまに寝過ごして自主練すっぽかすそんな休日の日常。

保健室の先生めっちゃ可愛かったから会えるとラッキー。保健室に行くためによくケガしたそんな高校生。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?