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三つ編みをモデリングするには?(法則だけなので実用性低い話)

前からちょっと気になっていることがある。
キャラクターのデザインで”三つ編み”ってちょくちょく使われるけど、いざそれをモデリングする、となった場合、果たしてどの様に対処してきただろうか?

デザイン画ありきなので、なんかもう見たまんまの印象で、それっぽくなってればいいや、という感じの、その場凌ぎ的なことで対処してたような気がする。
だいたい、ひし形が互い違いに並んでれば、なんかそれっぽいものにはなるのだから。あとはゴリ押し…そんな。

だけどそれでは、本来の意味で”三つ編み”を理解しているわけではない。ちょっと暇だし、この機会に研究してみるか、と。

今回の話はそういう趣旨。

三つ編みってどうなっているの?

そうと決まれば、まずは資料を見てみよう。
幸い、三つ編みについて検索すれば、イラストレーターさんが丁寧に解説したものなどがヒットする。
そこで参照したのがこちら。

ここの最初の方に、実際にどの様な構造になっているか、図解があった。
フムフムこうなっているのか…
3本にわけたひも状の毛束を、あっちいってこっちいって…ぐぬぬ、結構複雑だ。理解が難しいなあ。

が、しかし。僕はここで、ひとつの発見をした。

必殺!三相交流正弦波形!

1本の毛束の流れをよーく見てみると、右に行って、次に左に行って、また右に行って。これを繰り返している。単純な動きだ。
そして、他の2本も、同じ動き。ただちょっと上下がずれているだけで、同じだ。

これは…ひょっとして、”三相交流正弦波”ではないか?

聞きなれない言葉かもしれない。電気関係の用語。
そもそも交流の電気というのは、一定の期間の間に、+と-が常に入れ替わり続けている。
+まで行って、その後-に行って、そしてまた+へ、単純な動作の繰り返しなんだ。
その電圧の変化をグラフとか観測機器で表したものが”波形”というもの(だとおもう)
更には、ご家庭のコンセントのように、2本(+アース線)で伝達されるものとは別に、工作機械などでは3本(+アース線)で伝達される電気がある。
+と-を繰り返すものを、三つ巴状態で延々と追っかけっこするようなもの。
これを”三相”という。
本題から離れすぎた…とりま参考になりそうなリンクだけはっておくね。

それが三つ編みとどう関係あるの?

三つ編みの図解から、三相交流の波形と同じ法則性を見つけたので、試しにメタセコで再現して検証してみた。

右から左へ、一定間隔で繰り返す波型をつくる。
そしてその間隔を、三分割した位置を割り出して、波型のメッシュをコピーしたものを、三分割した位置にあわせてずらしてみる。
そうしてみると…

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あれ?もうなんかそれっぽくね?
僕はなんだかとても意義のある発見をした気分になって、ツイートとかしたりした。
結局繰り返しに過ぎないのであれば、これはひょっとして自動でもなんでもできてしまうのではないか?などと期待が膨らむ。

でもこれは、ほんの入り口に過ぎないのだ。
実のところ、これまではかなりいい加減な検証だったので、もっときちんとした検討をしなおさないといけない気がした。
どなたかが、引用ツイートでご指摘された通り、これだけでは2次元平面的なことに過ぎず、3次元的な組み合わせである三つ編みの再現はできない。
それに、間隔と横幅の比率や、肝心な曲線の求め方なども、ぜんぜんなのだ。
そんなことを、日曜の午前中、ラジコンで遊んだ帰りに車を運転しながら考えていた…

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再度法則性を考えてみる

次に、より法則性をきちんとするために、CAD系ソフトであるMoiを使って再検証してみる。
間隔や角度の管理、そしてパス曲線に沿って形状を配置する機能など、こちらのほうがラクにできそうだったから。

しかし、やはり僕は適当なので、正弦波を再現することなどせずに、90度ずつの円弧を直線でつないで再現してみることに。
正弦波の曲線をきちんと再現する方法が思いつかなかったからだ…

言い訳だけどこれにも意味があって、正弦波を再現しようとすると、全体が曲線になってしまうので、メッシュにしたときにそれだけ沢山のトポロジーが分けられてしまい、ポリゴン数が増えて管理がめんどくさいから、直線に近い部分はほんとに直線にしてしまえばいいのだ。それが現実的というもの。言い訳だけどね!

そうして、ちょっと試行錯誤しながら、こんな法則性を編み出した。
(これが今回のミソで核心。前置きが長すぎたかも…)

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なんか急に1.41倍とか2/3とか出てくる。
実のところこのへんは、理論的な前提があったわけでなくて、勘と計測に基づくもの。酷い法則である…

真上から見た状態の波形はともかく、高低の部分はカクっとなってしまった。面倒なので、法則に則って導き出した点を、パスのアンカーポイントにして、パスに沿って毛束の円筒を作成すると、こうなる。

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上の方がなんかイマイチなのは、アンカーポイントの設定を間違えたかもしれない。
いいんだ、法則が見つけられればそれで…

キャラモデル用ツールでの再現性

ここで再度メタセコに戻って検証を続けよう。
キャラを作るツールだから結局これでできるかどうかが肝心ってのと、メッシュにしてトポロジーを減らす、っていうこともどのへんまで可能なのか、確認しておく必要がある。

経過はすっ飛ばすけど、編み出した法則に則り、メタセコ上でも寸法数値を使って同じ形状を再現して、パスに沿って6角形の断面で作成してみた。

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Moiで検証したのと同じものができた。成功だ。
ご指摘のあった側面、それから裏面なんかも問題ない(と思いたい)

法則性はこれで出来た、というところだけど、このままでは実用にならないよなあ。

実用するには?

実際にキャラをつくる過程では、この様な悠長なことをしている暇はない。
だから、ここで記述すことだけでは、実用に耐えない。
ここから更に、太さや軌跡に沿って自動再現させるまで可能になって、初めて使えるものだと思う。

例えば適当なところでぶった切って、メッシュ形状をパターンとして登録して、パスに沿って配置、というのは簡単かもだけど、もっとこう、太さの変化量などパラメータ入れた上でパスに沿って曲面的に生成とか、うまーくツール化できるひとがいたら、やってほしいな…

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