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ジョブオファーを受け取る【日記2023/12/21】

・今日は午前中から仕事場の見学に行く。村の一角にある小綺麗なお家がそれだ。

・ハイダグワイ・コミュニティ・ピース協会という団体がやっているグループホームのケアワーカー職。ハイダ族の支援の必要な数名が入居しており、彼らがコミュニティのなかで自立できるようにサポートする仕事だ。

・マネージャーのダニエルが家の設備やスタッフルームを見せてくれる。2年前にリノベーションされたばかりで、とても状態がいい。ちゃんとしたシャワールームもベッドルームもある。

・「まだ正式なものではないけれど、君にジョブオファーを出したいと思ってる。仕事、受けてくれるかい?」もちろんイエスだ。レファレンスの協力をしてくれたシェフのアーモンド、村のデラヴィーナおばちゃん、そして遠野醸造の袴田さんに大感謝だ。紹介がものを言うカナダの田舎のジョブハンティングにおいて、多様な人からのポジティブな推薦は相当な決め手になったと言う。労働ビザや永住権の支援も全面的にサポートしてくれる。

・もしオファーを受けた場合、来年四月はスウェーデンに行く用事があって休みが必要だということも事前に了承してもらう。こういうことは早めにシェアしておいた方がいい。

・とにかく人手がすぐにでも必要なようで、今日中に最高責任者に話を通して正式なオファーを出した上、その場でオリエンテーションを始めたい、ということ。握手をして一度別れる。

・家に帰って電話を待っている間、なかなかにそわそわする。ある意味でひとつのターニング・ポイントになりえるものだ。

・もちろんこの仕事を受けたからといって自分のカナダでの、ハイダグワイでの滞在が自動で伸びるわけではない。きっとビザ関係は時間も労力もかかるものになるだろう。伸ばしたいかどうかもまだわからない。

・これまで、いつも1年、2年というスパンで考えなければならないものを無意識に避けてきた。なにかひとつのものにコミットすることは、他の選択肢を無くしてしまうのと同じ意味だと思っていた。

・ただ、こうしてハイダグワイにいて更に滞在を延ばせる、ひいてはライフワークのようなものとできるチャンスが転がり込んできた今。ちょっとこれからの時間を真面目に賭けてみてもいいかもしれない、と思いつつある。

・一時間半後に電話がかかってきて、オファーが決まる。午後からオフィスで書類のサインとオリエンテーションを始めることにする。やった。

・協会のオフィスはいつもの図書館の向かい側。ダニエルが団体のスタッフを紹介してくれる。ハイダグワイの地において、マネージャーのダニエルはドイツ人、JJはクロアチア人、そしてバンクラデッシュ人のスタッフもいた。不思議なほどのコスモポリタンさ。

・ビデオの研修が三日間、実地研修が四日間、そして年明け早々から実戦投入される予定になる。なかなかの強行スケジュールだけれど、これがカナダスタンダードなのだろうか。

・ただ、フードセーフ認証やファーストエイド、先住民コミュニティにおける脱植民地主義化などのレクチャーをお金をもらって受けられるのは嬉しい。

・契約書にサインし、協会の倫理規範などを読み合わせる。パーマネントの週3.5日の仕事だ。自分の時間も十分にある。いいチョイスのはず。

・全ての作業が済んだらとっくに日が暮れていた。また来週のトレーニングで会おう、とダニエルと挨拶をして別れる。うまく事が運んでよかった。

・家に帰ってのんびりしていると、僕がオファーをゲットしたことを聞きつけたJJが遊びにきた。「うちがハイダグワイに来た時はちょうどコロナの時で、ビザ失効ぎりぎりでこの仕事を見つけたんよ。それまで3年カナダのビザで頭を悩ませてた。あんたはうちの屍を超えてゆきなさいよ」英語は母語ではないはずなのに鬼の断末魔の如く喋り散らかす女である。タロンと笑いながら聞いていた。


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上村幸平|kohei uemura
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