映画「スーパーマリオブラザーズムービー」の感想
アメリカで公開されて、あっという間に興行収入が1000億円を突破したと話題になった「スーパーマリオブラザーズムービー」の感想です。
日本でも大人気で、この記事を書いている時点で全世界での興行収入が1700億円を突破したとのことです、なんとも凄いですねえ。
日本での公開から1ヶ月経ったので、そろそろ客席にも空きがあるだろうと今日観に行ってきたのです、家族連れの客がそこそこいましたがゆったりと鑑賞できました。
前評判が高すぎたのでハードルが上がってしまい、不安もありましたが90分間マリオの世界にいるような、とても楽しい時間を過ごすことができました。
ネタバレがあるかもしれませんから未視聴の人は気をつけてください。
あらすじ
ブルックリンで配管工サービスを始めたマリオとルイージ、ある日大水害のために出動した2人は地下で謎の土管に吸い込まれ、別世界にワープしてしまう。
別々の場所に飛ばされた2人。マリオは出会ったキノピオの話から、ルイージがこの世界の征服を目論むクッパ大魔王の支配するダークランドにいることを知る。
ルイージを救うため、きのこ王国のピーチ姫に謁見するマリオ、ピーチ姫はコング王国と同盟を結んでクッパに対抗すると語るのだった。
話はとてもシンプルです、助ける対象がピーチ姫からルイージに代わっているだけで、いつものマリオですね。
キャスト
この映画には字幕版と吹き替え版がありますが、私は吹き替え版を観ましたので日本語キャストを紹介します。
まずは主人公のマリオ、世界一有名な配管工です。
CVは宮野真守さん、デスノートの夜神月、シュタインズゲートの岡部倫太郎、ガンダムOOの刹那など主人公役をいくつもやっている実力派ですね。
私もよく知っている声優さんだったのですが、正直マリオのイメージと合うのかなあと不安もありました、でも観てみると驚くほど違和感がなくピッタリという印象でした、実力のある声優さんとは凄いものです。
マリオは主人公ですから出番は多いです、最初から最後まで見せ場だらけでしたね、アイテムを使った変身などで大活躍でした。
当然セリフも多くなるのですが、普通の会話シーンというのは少なくアクションシーンでのセリフがほとんどでしたから吹き替えは大変だったでしょうね。
マリオの弟、ルイージ役は畠中祐さん。
エスケーエイトの喜屋武暦、僕のヒーローアカデミアの上鳴電気などをやっています。
私は両作品を観たことが無いですから畠中祐さんのことも知らなかったのですが、ルイージの気弱だけど兄思いなキャラが良く出ていました。
今作のルイージは1人ダークランドに飛ばされてしまうので出番は少ないんです、そしてずっと怯えているというかわいそうな役回りなんですが、最後に兄を助けるために勇気を振り絞って大活躍を見せるんです、あのシーンには少しウルっと来てしまいましたね。
キノピオ役は関智一さん。
Gガンダムのドモン、フェイトのギルガメッシュなど主人公から脇役まで、熱血キャラからクールな役まで何でもこなすベテランですね。
キノコ王国に飛ばされたマリオが最初に出会うのがこのキノピオです、脇役ではありますがマリオをピーチ姫の所まで案内したり、カートに乗ってカーチェイスをしたりと見せ場は多いです。
「可愛いだけに飽きた」という小生意気なキャラを好演していましたね。
ピーチ姫役は志田有彩さん。
リトルウィッチアカデミアのアマンダ、賢者の孫のトールなどを演じています。
書いておいて何ですがまったく知らない声優さんですね、若手の声優さんはよくわからないんですよ。
今作のピーチ姫はクッパにさらわれて助けを待つ無力なお姫様ではなく、自ら武器を取ってクッパに立ち向かう勇敢な姫君です。
いうなればスーパーマリオではなくスマブラに登場するピーチ姫ですね、活動的なお転婆お姫様を好演していたと思います。
ドンキーコング役は武田幸史さん。
黒子のバスケの岡村建一、ACCA-13区監察課-のパルスなどを演じています。
この人も全然知らない声優さんだなあ、ベテラン声優でガッチリ固めたというわけでもないんだなあ。
しかしながらドンキーコングといえば言わずと知れたマリオのライバルキャラ、その暴れん坊でありながら愛嬌もある好漢ぶりを見事に演じていました。
今作のドンキーコングは見せ場も多く、魅力的なキャラクターなのでファンになる人も多いのではないでしょうか、私もその1人です。
クッパ役は三宅健太さんです。
僕のヒーローアカデミアのオールマイト、洋画マイティ・ソーのソーなどを演じています、巨漢キャラが多い印象でしょうか。
今作のクッパは大魔王の名に恥じぬ恐怖の存在です、全世界の征服を目指し侵略を繰り返します。
ですがその目的はただひとつ、ピーチ姫を手に入れることなのです、まあクッパといえば毎回のようにピーチ姫をさらいますからね、これは様式美というものなのでしょう。
良い映画には強い悪役が欠かせません、その意味で今作のクッパは百点満点です、大迫力のアクションシーンは圧巻でした。
ちょっとピーチ姫を想う歌がくどかった気もしますけどね。
主要キャラはこんなところでしょうか、他の脇役に至るまで全てのキャラクターの声がしっくりくるものでしたね。
総合評価
・ストーリー 80点
前述した通りピーチ姫とルイージの役割が代わっている以外はいつものマリオです、ドンキーコングと共闘する展開はありますが、基本は悪者クッパを主人公マリオがやっつけるだけのお話です。
アメリカでの批評サイトで評論家から辛い点を付けられたというのも、ストーリーの単調さから来ているものだと思います、その評価は不当なものだとは思いません。
しかしこれはマリオの映画なのです、マリオは元々アクションゲームでストーリーなどあって無いようなものなんです。
これはゲームのファンに向けて作られたファンムービーです、ファンにとってはたまらなく楽しいストーリー、それを加味してこの点数にしました。
・ビジュアル 95点
これは驚きました、本当にマリオの世界にいるような臨場感でした。
各キャラクターの造形や表情も素晴らしい、アクションは躍動感があり立体的な動きが多かったにも関わらずどうなっているのかすぐに理解出来ました、3D酔いもありません。
風景も素晴らしい、キノコ王国の風景、ダークランドのおぞましさ、コング王国の雰囲気など没入してその世界を体感することが出来ました。
カートで移動するシーンはただのレインボーロードでしたが、ここでのカーチェイスは最高でしたね、楽しいシーンなのになぜか涙が出て来ました、昔夢中で遊んだマリオカートを思い出しました。
戦闘シーンのスピード感も良かったですね、マリオのゲームおなじみのギミックが多数登場して飽きることがありません。
・音楽 85点
ゲーム音楽をモチーフにした楽曲が多数使われています、効果音もゲームのものがそのまま使われているような印象です。
時々挿入される古い洋楽もいいですね、シーンのイメージに合っていたと思います。
欲を言うならもうちょっとゲーム音源に近い楽曲があっても良かったような気もします、特にマリオカートのシーンはゲームそのものなんですからレインボーロードのテーマに近い楽曲を聞きたかったです。
全体的にマリオの世界を感じられる音楽だったのは好印象でした。
・キャラクター 85点
各キャラクターの造形、アクション、声など全てがイメージ通りでした。
前向きなマリオ、臆病だけど兄思いのルイージ、勝気なピーチ姫、ワイルドキャラのドンキーコング、恐怖の大魔王クッパなど全てが生き生きとスクリーンの中で動き回っているのです。
脇役も良いです、おどろおどろしいダークランドの生き物たち、可愛いしか取り柄の無いキノピオたちのポンコツぶりも光りました。
ただルイージと一緒に捕まっていた青い星のキャラだけは不快でした、何なのですかあいつは、必要ないキャラに思えました。
・総合評価 85点
やや甘い評価になったでしょうか、「マリオの映画」としてみれば百点をつけても良い出来だと思います、でも心に残るストーリーかと言われればそうではないかもしれません。
まあ深いストーリーの映画ばかり観てたら疲れちゃいますからね、いろんなジャンルがあって良いんですよ。
頭を空っぽにして観れる楽しい映画ということなら、この映画は完璧だと思います。
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