映画「聖闘士星矢 The Beginning」の感想
この映画がいろいろと言われていることは知っていました、酷評しているレビュー動画もいくつか見ました、それらを否定するつもりはないのですが感想というものはその人だけのものです、私には違うものかもしれないですからね。
そして「聖闘士星矢」という作品は私にとって特別な存在です、子供のころ「北斗の拳」「キン肉マン」「キャプテン翼」などとともに大流行したんです。
友達とスカイラブハリケーンからマッスルドッキングしてペガサス流星拳で相手の秘孔を突きまくるのが私の日常だったのです、ちょっと何を言っているのかわからないと思いますが、それだけ人気の作品だったということを言いたいんですよ。
さて、そうは言いながらも子供のころの記憶ですから聖闘士星矢の細かいストーリーは覚えていないんです、主人公たちが悪者をやっつけるカッコいいシーンに胸を躍らせていただけなんですよ。
週末に映画を観に行こうと思って近所にある映画館の上映時間を確認したら1日に1回しかやってなかったんです、しかも23時からです。
困ったものだと思いながらも映画館に行って、チケットとナチョスセットを買って席につきました。私以外は誰もいません、まさかとは思いましたが上映が終わるまで誰も入って来ませんでした。
1日1回の上映ですからその日その映画館で聖闘士星矢を観たのは私1人だけだったということです。
それほど都会に住んでいるわけではありませんが、これはあんまりじゃないですか。映画を1回上映するのにどれぐらいの経費がかかるのかわかりませんが私1人のチケット代(レイトショーなので1400円)では到底ペイ出来ないでしょう、上映回数が減るのも納得です。
不安を感じながらも映画を観ました、貸し切りということで誰に気兼ねすることもありません。
ザックリとした感想を先に言っておくと結構楽しめました。
では「ナイト・オブ・ザ・ゾディアック 聖闘士星矢 The Beginning」のレビューをしていきます。
ネタバレがありますので未視聴の人は気をつけてください。
ナイト・オブ・ザ・ゾディアック、直訳すると黄道帯の騎士というところですか。聖闘士星矢は星座が大きなテーマになっていますからね、私はこのアニメで12星座を覚えたんですよ。
あらすじ
地下闘技場で戦いの日々を過ごす主人公「星矢」は、生き別れになった姉を探し求めていた。
ある日闘技場のチャンピオン「カシウス」と対戦することになった星矢はカシウスの圧倒的な力の前にでピンチに陥る。
その時、星矢の体から謎のエネルギーが発生し、カシウスを吹き飛ばしてしまう。
そこに現れた謎の男から「お前には聖闘士の素質がある、一緒に来い」と言われ、突如襲ってきたサイボーグ兵士たちの追撃を振り切って謎の男の屋敷に連れていかれてしまう。
「アルマン・キド」と名乗った男は、自分の娘は黄金聖闘士が命を懸けて守った女神の化身であり、星矢には女神を守る聖闘士の素質があると告げるのだった。
キャスト
主人公「星矢」役は新田真剣佑、パシフィックリムなどハリウッド映画にも出演。
千葉真一さんの息子なのですねえ、さわやかイケメンなのに逆三角形体形のムキムキマッチョです、すごくかっこいい!
アクションシーンもカッコいいです、華がある俳優さんですよね。
自信なさげな青年が訓練によって聖闘士として覚醒し、堂々たる戦いをするまで成長する様を見事に演じていました。
ライバル「カシウス」役はニック・スタール(CV:小松史法)、ターミネーター3のジョン・コナー役など。
あのジョン・コナーがこうなりますか! 俳優さんというのは凄いものなのですねえ、何にだってなれちゃうんだから。
カシウスは闘技場の無敵のチャンピオンです、最初は星矢を圧倒しますが小宇宙の発動で破れ、サイボーグ化してリベンジを果たすんですが、その後聖闘士として覚醒した星矢に瞬殺されてしまうんです。
星矢の成長を測るかませ犬のような役回りですね、粗野で自信過剰の暴れん坊キャラです。
吹き替えの小松史法さんの憎々しい演技も良いですね、存在感のあるキャラでした。
謎の大富豪「アルマン・キド」役はショーン・ビーン(CV:磯部勉)、ロードオブザリングシリーズなどに出演。
この人のセリフによって世界観か語られることになるので重要な役どころです、娘の身を案じる父親役を好演していましたね。
吹き替えの磯部勉さんの渋い演技も光りました、こういう脇役がしっかりしていると作品が締まるんですよ。
ヒロイン「シエナ」役はマディソン・アイズマン(CV:潘めぐみ)、アナベル死霊博物館やジュマンジに出演。
女神アテナの化身として生まれ、時折発作のように起こる小宇宙の発動に苦しんでいる女性。
普段は高慢なお嬢様のように振る舞いながら、時々優しさを見せるというのは日本アニメ王道のツンデレ路線ですね、とても良い。
知らない女優さんだったのですが可愛らしい女性ですよね。
シルバー聖闘士「マリン」役はケイトリン・ハドソン(CV:瀬戸麻沙美)。
主人公を鍛え上げる師匠ポジションのマリン、たしかに原作でもいたような記憶がありますね。
再現度は結構高めなんじゃないでしょうか、ちょっと露出が少なくなっているのは残念ですが雰囲気は出ています。
マリンとの修行にかなりの尺が使われていますから登場シーンは多いです、今作での重要キャラと言えるでしょう。
ヒロインの母親であり黒幕の「グラード」役はファムケ・ヤンセン(CV:井上喜久子)、X-MENなどに出演。
アルマン・キドとは元夫婦、シエナを拾って育てていたが、ある日小宇宙の発動によって両腕を失い瀕死の重傷を負う。
そのためアテナは世界を滅ぼす存在であると信じ、グラード財団を立ち上げアテナの抹殺を図る。
吹き替えの「永遠の17歳」井上喜久子さんの凛々しい声が強キャラ感を出していましたね、娘への愛情と信念の間で葛藤する描写も良かったです。
グラード財団についた聖闘士フェニックス「ネロ」役はディエゴ・ティノコ(CV:浪川大輔)、TVドラマ「マイ・ブロック」などに出演。
聖闘士でありながらアテナを滅ぼそうとするグラード財団についたフェニックスのネロ、本作ではラスボス的なポジション。
原作のフェニックス一輝は登場場面こそ少ないですが、主人公たちの危機に颯爽と現れキザなセリフを吐いてすぐ死ぬという印象深いキャラでした。
キザな雰囲気がいかにもフェニックスという感じがして良かったですし、原作では相手に幻影を見せる技を使うんですが、本作でもそういった技を使うシーンがあって良かったです。
吹き替えの浪川大輔さんは良い声ですよねえ、鼻持ちならないキザキャラを好演していました。
さて主要キャストはこんなところかな、では採点にいきましょう。
総合評価
・ストーリー 65点
「聖闘士星矢」というよりは「ベスト・キッド」といった話でしたね、訓練によって力を目覚めさせた青年が愛する女性のために戦うというのは王道のストーリーと言えるでしょう。
ただ仕方ないことなんですが訓練シーンがいささか長かったですねえ、とは言えあんまり簡単に小宇宙が覚醒してはつまらないし難しいところですね。
もうちょっと短い尺で「大変な修行の末に」みたいな描写が出来れば良かったと思います。
原作はここからどんどん盛り上がっていくところなんですが、その前の話ですから地味なのは致し方ないところでしょう、続きが見たい。
・ビジュアル 75点
主人公の星矢はカッコいいし聖衣の再現度も高かったんじゃないでしょうか、サイボーグ兵士とのバトルも派手で良かったしフェニックスの強者感も良く出ていたと思います。
背景はほとんどCGだと思いますけど違和感はなかったし、一部で言われているようなチープさも感じませんでした。
・音楽 60点
聖闘士星矢っぽくは無かったですね、何というか壮大なイメージの曲が使われていたように思います。
主人公がペガサスの聖闘士として完全に覚醒するシーンで「ペガサス幻想」をモチーフにした曲が流れたときは思わずウルっと来ちゃいましたね。
エンディング曲も聖闘士星矢感は無かったですけど、この映画には合っていたと思いました。
・キャラクター 65点
主人公星矢は原作の熱血キャラではなくクールなキャラとして描かれていました、しかしまあ地下闘技場で日銭を稼ぐ生活をしていれば斜に構えたような性格になるのも無理からぬところでしょう、そこはリアリティがあって良かったです。
キャスト紹介のところでも触れましたが、各キャラクターが立っていて良かったですね、映画は短いですからテンプレートなキャラになるのはある程度仕方がないでしょう。
吹き替えの声優陣も実力派を起用していますから会話シーンも集中して見れました、ただ周りがみんな実力派声優なので主演の新田真剣佑さんの声がやや弱かったような気もします。
・総合評価 65点
聖闘士星矢というと黄金12宮編の印象が強いですから、そのイメージで観ると物足りなさを感じるのかもしれません、黄金聖闘士は冒頭のシーンにちょっと出てくるだけですからね。
でもこれはその前の話ですから仕方ないですね、訓練シーンがちょっと長かったかもしれませんが、戦闘シーンはそれなりに楽しめました。
物語的には本当に最初の部分なので続きが観たいですねえ、聖闘士星矢は仲間との友情も大きなテーマですから、他の聖闘士も見てみたいです。
後は必殺技名を叫んで欲しいところですね、リアリティなんかどうでもいいですから。
さてレビューはこんなところです、巷で言われているような「クソ映画」では無いと思います、傑作と言うつもりはありませんが良作だと思いますね。
しかし興行収入があんまり振るわないと続編は難しいんですかねえ、これから盛り上がるんだから続きを観たいなあ!
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