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コードギアス考察 「ルルーシュのギアスは本人が深層意識で願っていることしか掛からない説」

”ギアスを掛ける時、ギアスもまたあちらに掛けられているのだ”

※色々ネタバレあります

昨日から"コードギアス 反逆のルルーシュ"を見始めて、面白くて22話「血染めのユフィ」まで一気見してしまいました。

22話はなんとも恐ろしいトラウマ回ですよね。予想外の展開にアニメを見ながら「えーっ!」って叫んじゃったし、ギアスが掛かったユフィのサイコパスっぷりには震えました。

ただ、この話にはかなり大きな違和感を感じました。ルルーシュの「日本人を殺せ」なんていう突拍子もない例え。意図せず発現するギアス。ルルーシュをはじめ周りの誰もユフィを止めなかった状況。

その時ある考えが頭に浮かんでしまいました。

「ルルーシュのギアスは催眠術のようなもので、掛けられた本人が望んでいる命令しか掛からないのではないか?」と。

調べる限り同じこと言ってる人いなかったし、思いついてしまった以上覚えている範囲で検証してみようと思います。

ユフィの場合

ユフィはルルーシュが好きだ。スザクのことは別に好きじゃない。

兄弟に溺愛されて育った結果、何もできないお人形さんとして育った自分に強烈なコンプレックスを抱いているユフィが好きになるのは、"自信家"のルルーシュであって、ロイドのおもちゃであり同じように自己嫌悪に苛まれているスザクのことは好きになんかならない。

(深層心理的にはユフィが自信家でルルーシュが自信無い人だったりするんだろうけど。)

ニーナに「あなたが必要だから」と言われてユフィが気付いたことは、ルルーシュに必要とされることである。そのための行政特区日本であって、別に日本人のことが大切だからとは思っていない。

スザクへの告白の仕方もかなり高圧的である。

「スザク!私はあなたを、えーっと、私を好きになりなさい!」
「その代わり、私があなたを大好きになります!スザク、あなたの頑ななところも優しいところも、悲しそうな瞳も不器用なところも、猫噛まれちゃうことも全部!だから自分を嫌わないで!」

というか、これじゃ告白ではなく命令だ。ユフィはルルーシュとの関係を構築するためにスザクが必要だった。好きな男に振り向いてもらえないから友達の男にいくパターンである。

結果的にこの"行政特区日本"計画は大失敗。なぜならルルーシュにとって黒の騎士団の存亡が危ぶまれるレベルの最悪な一手だったからだ。この件でルルーシュは異母兄弟の絆なんてどうでもよくなるくらい、心底ユフィのことを嫌いになっている。

なんとか状況を挽回しないといけなかったユフィは自らの皇位継承権を捨ててまでルルーシュを受け入れようとする。
その際「ナナリーのためよ」なんて言ってるが恋敵のためにそんなことする訳ない。ルルーシュのためである。

その後のユフィのセリフ「ナナリーが言ってたの。"お兄様と一緒にいられれば他に何もいらない"って」は自分の心情を恋敵に語らせているだけだ。

で、多分、「君の勝ちだ」でルルーシュに信用されていないことを悟りスイッチが入ってしまったんだろう。

その後の「日本人を殺せ」はルルーシュにとってブリタニアへの不信感を煽る最善の一手だった。ルルーシュにとっての最善はユフィにとっての最善でもある。
最期にルルーシュの役に立てて本望だったろう。なんなら好きでもないのに好きであるように振舞ってしまったスザクを殺そうとしたのも本望だったか。

この説の中では、ユフィはプライドの高いワガママお姫様だった、ということだ。

スザクの場合

スザクがルルーシュに掛けられたギアスは「生きろ。」

スザクは生きたかった。

ギアスを掛けられたシーンもだけど、その他にも身を挺して誰かを救うために死と隣り合わせになる場面がたくさんある。

でも本当は死にたくない。自殺未遂する人の本当の願いが「生きたい」であるように、スザクも生きたかった。

ただ自分の父殺しの罪悪感から逃れたかっただけなのだ。この辺はマオに言い当てられて図星でパニックになってる。

ルルーシュのギアスはその想いを肯定した。罪悪感も自己嫌悪も立場も責任も全部背負って生きろと。生きていいんだと。

そう解釈しました。

シャーリーの場合

大好きだった父親がルルーシュのせいで死んじゃったけど、ルルーシュの方がもっと大好きで、なんなら父親をだしに使ってルルーシュから優しくされて、わたしサイテーーー!!!忘れてやる!!!!!

「朝は来るじゃないですか^^」

ヴィレッタの場合

記憶喪失になって扇と一緒に暮らしてるとき、行政特区日本に移住したがってたし、かなり優しく穏やかな性格で、本当は戦いたくなかった。戦闘漬けの日々が強いられる生まれや身分を呪っていたのだろう。

だからルルーシュにナイトメアの起動キーを渡した。

マオの場合

マオの場合はちょっとこじつけ。

マオのギアス「人の心を読む」は"逆サトラレ"のような症状で、人の声が勝手に聞こえてくるんだって思ってた。

でも実は、対人恐怖から他の人が何考えてるのか気になりすぎて、自分で他人の声を予測・感知し続けた結果、自分で他人の声を生み出してしまったんじゃないかな。

だから、他人の声がうるさいんじゃなくて、マオがうるさかっただけなんだよね。

で、ルルーシュが言ったセリフは「お前は黙っていろ!」

ジェレミアの場合

自分を認めてくれない組織の失敗を願ってたんじゃないかな。

ルルーシュの場合

スザクにナナリーを救出させるための命令を一時的に忘れた。

ルルーシュは爆弾のコード切断に関してスザクのことを信じてなかった。

ルルーシュがそれをスザクに命令するということは、スザクの能力が自分の想像の上だという事を認めることになる。それはルルーシュのプライドが許さないだろう。

だけどナナリーを助けるためには仕方なかった。ナナリーもプライドも両方守ったということかな?

イレブンをいじめてたブリタニア人のヤンキーの場合

「本当はいじめたくないけど、みんないるし、いじめとかないとかなぁ。
いじめないと俺がいじめられちゃうかもしれないからなぁ。」

学校の先生の場合

「俺の作った問題すごいだろ!」

その他のモブキャラは考えるのが面倒なので、"人の言うことに従いたかった"ということにします。上司のことが気に食わなかった系が多かった気がする。

まとめ

これ書き終えてすごく性格悪くなった気がします。「みんな気付いてるけど言わないだけなんだから、マジレスやめて?」とか言われたらどうしよう。

ストーリーを追ってくだけで滅茶苦茶楽しくて、さすが歴代アニメランキング優勝常連なだけあるなと思います。続きが楽しみです。

この記事が「コードギアス 反逆のルルーシュ」をより楽しめる思索の一助になれば幸いです。

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