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デジタル革命がもたらす新たなものづくり時代

要約
本書は3DプリンターやCADソフトを活用したデジタル時代の“ものづくり革命”を提案している。
個人でも少量生産や複雑な部品の製造が可能になり、設計図を公開・共有するオープンソースの発想で開発が加速する。
さらにクラウドファンディングを活用することで資金調達と市場テストを同時に行える。


初めまして!siro_masaruです。

知ることで、人生はもっと楽しくなる!

今回はクリス・アンダーソン「MAKERS 21世紀の産業革命が始まる」2012年発行をつまみ食いします。まさに超、超、要約。おもしろいので興味があれば読んでみましょう。

著者:クリス·アンダーソン

出典:Wikipedia

3D Robotics 社 CEO。ワイアード誌元編集長。「ロングテール」「フリーミアム」「メイカームーブメント」といったキーワードでデジタル時代の新しいパラダイムをいち早く提示し、2007年にはタイム誌の「世界でもっとも影響力のある100人」にも選ばれている。2012年にドローン開発のスタートアップ、3D Robotics を創業。カリフォルニア州バークレー在住。

著者の他の記事

無料のビジネスモデルの仕組み「フリー」を解き明かしている。

この記事で言いたいこと

✅ ものづくりの敷居が下がっている。
✅ オープンソースで開発が加速している。
✅ クラウドファンディングで市場も変わりつつある。

ソフトウェアや情報財は一度作れば何度でも活用できる。

しかし今まで、ものづくりで起業するには工場(=莫大な資金)が必要だったので、起業の敷居が高かった。

ロボットが製造できる製品なら、人件費の安い場所に移動するメリットはしだいに失われていくし、そうした製品はますます増えている。

クリス・アンダーソン「MAKERS 21世紀の産業革命が始まる」

産業ロボットがますます安く高機能になれば、相対的に人間はますます高くなることも示唆している。先見性の高い書籍だ。


本書のタイトル『メイカーズ』は、「個人でものづくりをする人たち」という意味。

2012年時点で、ものづくりの敷居が一気に下がっていることを教えてくれる。


デジタルが変える「ものづくり」の常識

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3Dプリンターの革新

3DプリンターとCADソフトの普及で、複雑な試作品も自宅で簡単に作れるようになった。

個人が開発したソフトウェアが世界中に売れたように、いまや個人がものづくりをして、世界中で売れるようになった。

いまや家庭用3Dプリンターは安いもので2万円程度。

CADソフトと3Dプリンターさえあれば、造形物は自由自在につくれる。

CAD(キャド)ソフト:コンピューター上で設計や製図を行うためのツール。Computer Aided Designの略で、建築や住宅、自動車、服飾、家電などの設計図面や製図作成に使用される。

3Dプリンター:3Dデータをもとに立体造形物を作成する機械。
樹脂や金属、石膏などの素材を積み重ねたり、液状の樹脂を紫外線で硬化させたりして立体物を造形する。

⇒ 個人の製造コストが激減
文章をプリンターで印刷するのと同じようにできるようになった。

少量生産の可能性

ひと昔前のものづくりは工場の設立などで莫大な費用がかかっていた。
しかし、数十〜数万個単位でつくってくれる会社に3Dデータを送れば、ネット経由で文章印刷を大量注文するのと同じように、簡単に品質が高いモノを大量に生産できる。
金属粉を使えば、金属部品もつくり出せる。

例えば…。
ゼネラル・エレクトリック(GE)は自社でつくるパーツの10%はすでに3Dプリンターで製造している。

参考外部サイト:GE、3Dプリンター製燃料ノズルの出荷数が10万個に到達

特に金型不要の3D印刷なら、細かな修正や独自デザインを反映できるのが大きな強みである。

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従来のものづくりでは、設計後、最初に「金型」をつくる。

「金型」はタイ焼きをつくる型と同じ。
型に生地を流し込めば、同じ形のタイ焼きはいくらでもつくれる。
同様に、金型をつくって樹脂を流し込めば、同じ形の作品をいくらでもつくれる。

この金型をつくるには意外とお金がかかるのだ。

「金型」はその形しか作れない。

3Dプリンターは 「金型」いらずで、複数の保管場所を持つ必要がないのも大きい。
デメリットとしては、1個つくるたびに材料費と時間コストがかかる点である。

大量生産の場合、従来のものづくりのほうが1個当たりのコストは圧倒的に安い。

仮に…。
金型製作費が100万円で樹脂代が1個5円
なら、1個目の費用は100万と5円だが、100万個つくると「金型」は総額600万円で済む。

しかし、3Dプリンターでは1個目の費用が500円だと、100万個目も500円かかってしまう。100万個つくろうとすれば、総額は600万円では済まなくなる。

ただし金型とは違って、1個ごとに細かい修正ができる。

⇒ ものづくりの敷居(試作検討)が大幅に下がった。
3D印刷が強みを発揮できるのは、複雑なモノを少量生産する場合。

ものづくり業界では「少量多品種生産」と呼ばれる。

品種数が多く、1種の製造頻度が少ない。
工場では難しいゾーンになる。

小品種で製造頻度が多いものは「ライン生産」
多品種で製造頻度が多いものは「ロット生産」
小品種で製造頻度が少ないのは「サンプル品やオーダーメイド」


オープンソースがもたらす恩恵

設計図を共有する文化

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誰でも設計図を見られる。

従来のものづくりでは、設計情報はまさに「秘中の秘」。

特許で守られ門外不出だった。

しかし、公開を前提にすることで、世界中のユーザーが自由に改良し、より良い製品が誕生する。

従来のものづくりとは前提が異なるのも大きい。


⇒ 多くの知恵が集約される。
⇒ 共有と協力が力を増幅させる。
⇒ 結果的に改良が進む。利用には模倣を恐れない姿勢も必要になる。


情報公開やユーザー参加によって、製品もサービスも予想を超えるスピードで進化していく。

ソースコード同様、3Dデータを公開することで開発スピードが飛躍的に向上する。

参考資料
ジョナサン・ハスケルとスティアン・ウェストレイク著「無形資産が経済を支配する」

無形資産には特性 スケーラブル(拡張可能性)がある。
一度つくれば何度も同時に複数箇所で使用できる。
また、有形資産の所有権はかっちりしているが、無形資産は大量展開する以上、模倣や所有権が曖昧になる。

例えば…。

当然ながら、2014年に銃を3Dプリンターで作成できる事件も起きている。

参考外部サイト:日本経済新聞 
3Dプリンターで銃 銃刀法違反容疑で大学職員の男逮捕

・公的な記章や標章など
・知的財産権を侵害するもの
・食品衛生法に触れるもの
・拳銃などの武器

これらは3Dプリンターで作成することは違法とされている。

個人で楽しむ分でも、拳銃などの武器は当然ダメ。


そして、昔からものづくりでは、「資金をどうするか?」「つくっても売れるのか?」という悩みがあった。

この2つの悩みを同時に解決するのが、クラウドファンディングである。


資金調達と市場テストが同時にできる

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クラウドファンディングの利点

「こんな商品をほしい人は〇〇円出してほしい。目標金額になったら開発する」と顧客を募る。

事前に資金調達できるし、「お金を出して買う」という顧客の存在も把握できる。

需要がなければ、キャンセルも可能。

⇒ 先払いでリスクを抑えることが可能。
⇒ 市場調査を効率化。

欲しい人から事前に資金を集め、目標に達すれば開発を実行する仕組みが人気を集めている。

アイデアとデジタル環境があれば、大資本がなくてもビジネスを生み出せる時代になった。

ものづくりは急速に変わりつつある。
個人に留まらず、大企業にも影響を与えている。

著作が出た2012年から既に10年以上経っている。
これからのものづくりの方向性を理解する上で、本書は参考になるだろう。

参考資料
西野亮廣著「夢と金」

ものづくりに関わらず、ファンに応援されるためには「応援シロ」を作る必要がある。


まとめ

✅ ものづくりの敷居が下がっている。
✅ オープンソースで開発が加速している。
✅ クラウドファンディングで市場も変わりつつある。

⇒ 「誰もがアイデアを形にし、共有できる時代」
⇒ つまり誰もが“メイカー”になれる

知識や見聞は、いずれ力になってくれると教えてくれます。

是非、皆様のより良い人生の選択肢が増えますように!

見ていただきありがとうございました!😆

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